【IPS2026FUKUOKA】レポート

【IPS2026FUKUOKA】レポート

2026年6月22日~26日に福岡にて開催されていたIPS2026FUKUOKAに、星つむぎの村として23~26日、参加してきました。40か国からおよそ600名の参加者と聞いています。One Earh, One Skyというテーマのもと、多様なセッション、パネルディスカッション、上映やライブ投影が繰り広げられた刺激的な時間でした。

今回、星つむぎの村は、LOCの副委員長をつとめておられた井上氏や田部氏からのお誘いで、EDI委員会とコミュニケーションとりながら、日本側からのEDI発信という立ち位置で、参加させていただきました。  このような内容で世界に発信する趣旨を汲んでいただき、今回、星つむぎの村メンバーのIPS参加にかかる費用について、日本財団公益福祉事業のご支援をいただきました。ありがとうございます。

今回の星つむぎの村からの参加内容は以下です。

★星つむぎの村ブース(国内団体プロモーションエリア)日本プラネタリウム協議会(JPA)やJAPOS、国立天文台他、日本における活動団体の紹介エリア(https://www.ips2026fukuoka.com/jp/html/venues/floor-plans/#02)の中で
・7mドーム 5種類のプログラムを18回投影しました。また合間にちょっとだけ見たいという方にもいろいろ対応しました。プログラム内容はhttps://hoshitsumugi.org/news/16041/すべての投影に、英語字幕をつけました。字幕ソフトを、高木が独自で開発(後述)、ライブにも番組にも適用しやすいものとして大活躍しました。また広報用のちらしなどは、安藤が作成。 各投影には、時間によってばらつきはありましたが、延べ280人ぐらいの方々がご覧になったのではと思います。

24日の2回のライブ投影には、福岡の「虹の家」さんから3組の車いすユーザーのみなさん、個人参加として2組のバギーユーザーの高校生と保護者のみなさんにご参加いただき、「一緒に星を見る」体験をしていただきました。
 星つむぎの村のプラネタリウムを見て、「すべて大事なことがコンパクトに入っている!」「インタラクティブなのが素晴らしい」「So Nice!」と感激してくださった海外の方、「あらたな視点を得ました」「言葉選びを学びたいです」という国内の方、など。
 戦場に輝くベガや、オレナさんの投影のあと、心こめて短冊書いてくださる方も多くいらっしゃいました。Curascopiumの番組も、多くの方々が興味を示していました。後藤先生の航海術の番組の際には、後藤先生にも丁寧にお話いただきました。  字幕もぜひ実践してみたい、という館の方もいらっしゃいました。

・日本におけるインクルーシブ活動の調査結果および事例紹介https://hoshitsumugi.org/wp-content/uploads/日本におけるインクルーシブプラネタリウムに関する調査.pdfJPAのメーリングリストを通して、アンケート調査を行い、6館にヒヤリング、事例紹介にご協力いただきました。 これらのまとめは、谷口が行いました(後述)。

・触れる模型展示黒部市田科学館の野寺さん(村人)から提供していただき、惑星などの触れる模型を展示しました。ここにも興味を持ってくださった方多数。

・TANABATA for PeaceOne Earth, One Skyを思い、短冊に「星に願いを」の想いを各国の言葉で書いてもらいました。跡部のアイディアと実践に、多くの村人が手伝ってくれました。短冊は、鈴木律子さんが、いろんな花で染めてくれた短冊。笹かざりは、りんごちゃん&からあげさんがたくさんつくってくれました。また、山梨大学附属病院に入院中の子どもたちの飾りもあります。笹は、前日に大雨の中、仲道さんと森本さんが「竹取翁」をしてくれました。100人以上の方々が、想いをしたため、笹に括りつけてくださいました。また来年の夏の企画として、自分のmuseumでこれをやる!と決めてくださった、Bostonの方もいらっしゃいました!

★発表やパネルディスカッションへの参加①23日 EDI委員会・EDI委員会のミッションやこれまでやってきたこと・各国のEDI活動の紹介(日本からは、星つむぎの村の高橋およびCurascopium田中)・参加者からのコメント特にアクセシビリティについての意見が活発に交わされました日本側でこの時間をコーディネートしてくれたのは、Curascopiumの田中優作さん。彼は星つむぎの村の村人でもあります。似たような意識を持つ方々と出会えて幸いでした。

②23日 モバイルプラネタリウムモバイルプラネタリウムセッションにおいて、日本のMPN(Mobile Planetarium Network)の紹介。(高橋発表予定を急遽、おさんぽ星の山口珠美さんに変わってもらいました)また、ポスター発表のためのポスター制作は、子の星の坂元さん。各団体紹介のためのフォーマットは、星つむぎの村の高木が携わりました。
海外でMobileをやっておられる方々の熱量は高く、IPSの中におけるモバイルプラネの存在感がとても大きいことを実感し、励みになりました。

※24、25日のプラネタリウムプログラムを示したちらしを、23日に配ればよかった、というのが心残りです。

③24日 多目的ホールにおけるプレゼン 日本国内活動団体のプレゼン時間が割り振られていました。残念ながら各団体のプレゼン時間の聴衆数はかなり少なく。星つむぎの村の高橋からのプレゼンの中に、星の寺子屋の子どもたちからのOne Earth, One Skyメッセージを集めた動画も紹介しました。 2020年制作の動画(https://youtu.be/DLbY7wImwHY?si=4GA4Zw75p6_lF-lf2026年制作の動画(https://youtu.be/4FYxZ7yfwP8?si=8enbBJQjkdmc2Duw2026年のものは、今年5月の寺子屋合宿他で制作・撮影、編集は谷口が行いました。またこれらの動画は、TANABATA for Peaceの前で、ずっと繰り返し再生していました。

④25日 パネルディスカッション「Seeing the Real Sky: How Planetariums Can Engage with Observational Astronomy」 (コーディネーター 南阿蘇ルナ天文台・長井氏)パネリストの一人として、高橋が参加しました。村の活動紹介に加え、プラネの一部をご覧いただきました。本物の星空を見ること、そしてプラネタリウムの体験のそれぞれの特徴をあげていきながら、「本物の体験とは何か?」「星空は人々のwell-beingに寄与するか?」などの意見を交わしとても、いい議論ができました。プロモーション動画やプラネタリウムに感動したという声もいただきました。

⑤25日 「Stars for Everyone」 星つむぎの村の活動の紹介EDIセクションとして、私たちの発表以外に、福島のこむこむにおける視覚障害の人たちと楽しむプラネタリウムの実践、みなと科学館における英語投影の実践、Black Astroのお話がありました。星つむぎの村の活動については、カナダの方から、病院に星空を持っていくなんて思いもよらなかった。自分の大学には子ども病院があって、そんなことができないか考えてみる、とおっしゃってくださった方も。プレゼン資料 https://hoshitsumugi.org/wp-content/uploads/260625IPSEDIプレゼン-英語.pdf

以下谷口からの報告です。
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担当した部分の報告です!

・オレナさんの投影映像操作を担当しました。1日目の投影ではウクライナ人の親子を1組ずつご招待しての実施でした。「宇宙から見れば、私たちは国境のない地球に住んでいる同じ人間」と語るオレナさん。ウクライナの音楽・景色とともに現地の空の様子を優しい語り口でご紹介していました。

・日本におけるインクルーシブプラネタリウムに関する調査インクルーシブなプラネタリウムの取り組みを知るため、全国のプラネタリウム施設に対して4月から5月にGoogleフォームでのアンケート調査を呼びかけ、28件(25館)の回答を得ました。アンケートでは、 車椅子利用者、聴覚障害者、視覚障害者、プラネタリウムに来るのが難しい人たちが、「来やすい」と思えるような工夫をしているかをそれぞれ聞き、またその具体的な取り組みや、インクルーシブなプラネタリウムについて感じることを尋ねました。その結果、各館の事例に加え、「他施設の取り組みを知ることで、当施設でもできることからとりいれていくきっかけになれば良いと思います」、「今回のアンケートを通して、来た方の受けいれは行っているが、積極的な取り組みは行っていないことを改めて感じました。今後検討していく良い機会をいただきありがとうございます」などの回答が寄せられました。そうした声も受け、A4サイズ4枚で調査結果をまとめました。また具体的な事例を寄せてくれた6館のご協力のもと、追加で1時間ほどのインタビューを実施し、聞き取った内容をA3サイズのポスターにまとめました。作成したそれらポスターを今回IPSの星つむぎの村ブースで展示しました。展示スペースでは、国内のプラネタリウム施設関係者で足を止める方が複数いて、聞くと「自分の館でも今度インクルーシブな企画をしたいと思っているが、どういう点に気をつけるとよいかの参考にしたい」「施設自体はバリアがまだまだ多いが、何かできることはないかと思って見ていました」といった話がありました。海外の方とは、このブースについてあまり深くお話できませんでしたが、ポスターの写真を撮っている方がいた他、ポスターを見ながら「こういう事例に興味がある」と話す方もおり、興味関心に合わせてドーム投影のプログラムをご案内しました。

・寺子屋動画星の寺子屋の子どもたちが、IPSのテーマOne Earth, One Skyに寄せて思うことを一言ずつ発信し、その動画をつなげて、英語字幕をつけ、星つむぎの歌に合わせて動画を作成しました。 「人はみんな一つ」「あなたにしかまけない種がある」など一人一人が言葉を考えました。星の寺子屋の合宿中に悩みながら作品を仕上げる子、オンラインで参加した子、英語でメッセージを伝える子、恥ずかしがりながらもまっすぐカメラを見て話す子もいました。この動画は、星つむぎの村と出会い、関わってきたたくさんの子どもたちが居ることと、子どもたちの想いを知ってもらうきっかけとなったと思います。期間中は、短冊を書くテーブルでループ再生し、中には七夕の短冊を書く手をしばし止めて、動画を見る人もいました。
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続いて高木からの報告です。
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◯7mドームプラネタリウム投影の字幕制作星つむぎの村では福岡国際会議場の多目的ホールにて日本におけるEDIの取り組みを発信するブースの出展を行い、7mドームでの投影を行いました。星つむぎの村のライブ投影、ウクライナのプラネタリウム解説者オレナさんの投影、番組『戦場に輝くベガ』、Curascopiumの視覚障害者と楽しむ音声のみのプラネタリウム、人類学者の後藤明先生の番組『神話でたどるハワイからタヒチへの古代航海術』を投影。その全て(Curascopiumさんの番組は映像がないのでありませんが)に英語字幕を同時投影しました。プラネタリウムシステム(ユニビュー)の映像の前面に、簡易的な歪み補正をつけながら字幕を投影するアプリ『Lyra Dome Caption』をOpenAIのCodex(AIでプログラミングコードを生成しアプリを作れる)を使用して、制作しました。⭐︎アプリについての説明をAIに書いてもらいましたLyra Dome Caption(LDC)は、プラネタリウムのドーム投影やスクリーン投影、スマートグラスで使う字幕表示アプリです。Excelなどで作成したCSV形式の字幕データを読み込み、字幕本文、表示時刻、文字サイズ、色、縁取り、表示位置などを設定して表示できます。操作用ウィンドウと出力用ウィンドウを分けており、手元では字幕送りや設定変更を行い、プロジェクターやスマートグラスには字幕表示用の画面を出します。HTML、CSS、JavaScriptで作った画面を、Electronという仕組みでWindows用アプリとして動かしています。映像・音声とのタイムコード連携や、透明オーバーレイによる既存プラネタリウムシステムの映像に字幕を重ねて表示することに対応しています。簡易的な投影補助ツールをAIで制作し、実地で使用するのは初めての試みでしたが、大きな不具合もなく使用することができ、海外の方にも、字幕がわかりやすかったと好評でした。字幕の本文については、番組『戦場に輝くベガ』については林左絵子さんに監修して頂きました。星つむぎの村のライブ投影に関してはおもにchatGPTによる翻訳を利用。オレナさんの投影、後藤先生の番組はアプリでの字幕投影の台本となるCSVテンプレートをお送りして、それぞれ記入してもらいました。

◯高木が投影を担当したライブ投影について私自身も、星つむぎの村のライブ投影のデモを、24日夜の情報交換会での投影(会場が、そのまま同じ場所だった)と、25日に2回、計3回行いました。自分の投影を(英語字幕で)海外のプラネタリアンに観ていただくという貴重な経験。私は英語があまりききとれず、観ていただいたあとの感想をニュアンスでしか直接は受け取れなかったのですが、投影後に握手求めて称賛していただいたり、レバノンでモバイルプラネタリウムをされている方からプロジェクターについて詳しく質問していただきました。あとから聞いたのですが、私の投影をとてもシンプルで、イージーで、それがとても素晴らしい、と言ってくださった方もいらっしゃったそうです。自分が星とプラネタリウムを通じて伝えたいこと、やりたいこと、は世界共通に伝えられるメッセージなんだなと、身をもって体験できたことが、なによりでした。昔からJPAの集まりなどでお世話になっていましたが、あまり自分の投影は観てもらう機会のなかった国内の方や、星つむぎの村のプラネタリウムをはじめて観ていただいた方などからも、すこし涙目の笑顔で良かったよ、とか、感動しちゃった、流れるような口上とストーリーが素晴らしかった、など、嬉しい感想をたくさんいただきました。
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今回、私たちの活動に共感してくださったり、似たような思いを持って活動される方に出会うことができました。今後さらに海外の人たち、国内の人たちとも関係を続け、ほんとうのインクルーシブで平和な社会づくり、もう一歩前へ、と進んでいきたいなと思います。IPSという大きな事業の運営を支えたLOCのみなさま、ありがとうございました。