星つむぎの村通信 -No89- 2023.3.7発行

星つむぎの村通信 -No89- 2023.3.7発行

私ごとで恐縮です。
今年のスギ花粉、例年になく強敵ですね。
最近、年齢も重ねてきたので、その分反応が鈍くなり(汗)薬のお世話になっていませんでしたが、今年は耐えられず、服用しています。
ただ、若返った! と考えると、少しだけ楽しくなるので、やっぱ モノは考えようですね~
ガラス越しに夜空を見ながら、あれこれ考える夜を過ごすのでした。
さて、星つむぎの村通信 89号をお届けいたします。
今回は、耳寄り情報もありますので、どうぞお楽しみください。

(仲道正恭)

<星空俳句>

オリオンは 西に傾き 春近し

暖かい日が訪れ、もう春が近いなと思っていると、一転にわかに寒くなり雪が降り出す。そんなこの頃です。
三寒四温とはよく言ったもので、まさしくこのとおりです。
二十四節気では今は雨水、着実に春に向かっています。
5万年ぶりに姿を見せたZTF彗星も、もはや去りつつあります。

2023.2.27 (青りんご こと 齋藤泰文)

===========目次===========
1.今月の星空紹介
2.宇宙小話
3.村人だより -村人登場ー
4.お知らせ -新刊紹介ー
5.村人投稿
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1.今月の星空紹介

3月の満月はワームムーン(いもむし月)・・・だんだん暖かくなってきて地中からミミズやイモムシが出てきたり、カブトムシの幼虫が木から出てくる頃ということで名がついたようです。
寒かった冬からだんだんと暖かくなる春の気配を感じ、虫たちは一足早く動き始めているようですね。
ニンゲンもそろそろ静の冬から、動の春へと暖機運転をする時期かもしれません。

みなさまのお住まいの地域では、3月は「春」のイメージですか?それとも「冬」でしょうか?
こちら八ヶ岳南麓はまだ朝晩かなり冷え込むことも多く、気持ち的には「冬」といった感じです。
どっちの季節なのか迷ったとき、夜空を見上げて確かめてみましょう・・・教えてお星さま!!

3月中旬の20:00頃、東の空を見ると、しし座、うしかい座、おとめ座などの「春」の星座が昇ってきます。
南西の空には「冬」の星座、オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座、ふたご座、おうし座、ぎょしゃ座など名残を惜しむようにキラキラと輝いています。
なるほど!季節は冬から春へと少しずつ巡っていっているようですね。

せっかくなので少し夜更かしをして宙の大きな宝石を探してみるのはどうでしょう?
「春」のダイヤモンド・・・アークトゥルス(うしかい座)、デネボラ(しし座)、スピカ(おとめ座)、コルカロリ(りょうけん座)を結ぶとトランプのダイヤ?形に。
「冬」のダイヤモンド・・・シリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)、ポルックス(ふたご座)、カペラ(ぎょしゃ座)、アルデバラン(おうし座)、リゲル(オリオン座)を結ぶとダイヤモンドの六角形に。

星たちからの贈り物「春」と「冬」のダイヤモンド・・・あなたはどちらがお好みですか☆

(安江美香)

 

2.宇宙小話

和尚さんと八っつぁんの星空道中

和:和尚さん、 八:八っつぁん

(八っつぁん、今晩も、ドタバタとやって来ましたよ。何があったんでしょうね?)

八:和尚さん、こんばんは。今晩もきれいに星空が広がってますよ!こんな星空を見ていると、真っ暗闇の星空を見上げて絵を描いた昔の人たちの思いが分かるような気がします。

和:おやおや、八っつあん、ロマンチックなことを言うね。何かあったのかい?

八:へー、そうなんです。実は、先日、近所のかみさん連中と星空を見上げていたら、星占いの話になったんです。
かみさん連中、みんな星占いに関心あるんですね。
自分の星座が何で、どんな運勢になるの…
なんて問い詰められて、大変だったんです。

和:ハハー、なるほど。しかし実はかみさん連中に囲まれて、内心、ウキウキしてたんじゃないのかな?

八:…、さすが和尚さんお見通しですね。そのとおりなんです。まあ、それは置いておいて、和尚さん教えてください。

和:何だい、教えてほしいというのは?

八:へー、星占いって、いつ頃、どんなふうにしてできたの?なんて質問されて、ハタと困っちまったんです。

和:なるほど。星占いの世界について、ずっと前、八っつぁんにも話したことがあったと思うが…

八:へへ、すみません。すっかり忘れちまって。もう一度お願いしますよ。

和:うむ、モノの本によると、星占いは、今から4000年ほど前のメソポタミア地方、現在のイラク辺りで生まれたらしい。
当時の人々にとって、星空の中で複雑な動きをする惑星(当時知られていた水星、金星、火星、木星、土星の5惑星と、太陽と月)の動きは不思議そのもので、これは神のしわざだと考えていたんじゃろう。
ただ、当時の占いの中心は、主に国家の動向や王様などの運 勢を占うことに留まっていたようじゃ。

八:な~るほど。星空を巡る星たちは神さまだったってぇことですかい。その神様の動きが 地上のできごとに大きな影響を与えていると考え、星々の動きを継続的に観測していたんですね。すでにその頃には、高い観測技術をもっていたってことなら、凄いですね。

和:そのようじゃな。しかし、個人の運勢を占うものになったのは、こうした占いが、やがてギリシアに伝えられて以降のことらしい。ギリシアでは、人間は生まれた時の星の位置によってその一生が決まると考え、それを基本とした占いに変化していった、これが、今に伝えられている星占いなんじゃな。

八:なーるほど。今行われている星占いは、ギリシアから始まったってことですね。
ところで、和尚さん、あっしには、どうも12と言う数字が気になるんです。腑に落ちないのは、12と言う黄道上に並んでいる星座の数なんでさぁ。星占いが生まれた頃 何かの意味があって黄道上にすでに12の星座が描かれていたのか、あるいは星占いと結びつけるために 12個の星座が新たに整理されたのかってことなんです。

和:おう、よく気が付いたのう。地球が太陽の周りを回る1年の間に月が地球をほぼ12周する、ということをことを知っていた当時の古代人の知恵が、黄道上への12の星座の配置につながっておるのではないかな。もっとも、これはわしの考えじゃが。

八:何か苦しい説明ですね、和尚さん大丈夫ですか?

和:冷や汗ものじゃな。たしかに、星占いが生まれたとされる4000年ほど前、すでに黄道上に12個の誕生星座が描かれていたのか、その辺り、わしにはよく分からん。モノの本には、黄道12星座在りきで説明されているばかりじゃ。
星占いが生まれた4000年ほど前には黄道上の星座をはじめ多くの星座が描かれ、それらを使って個人の運勢を占うものにまで発展していたと思うのが、すんなりするというものかな。
その後の歴史を見ると、今から2000年ほど前、古代ローマの天文学者プトレマイオスによって古くからの星占い(占星術)が集大成され、天文学とともに学問としてまとめられた。それが、現在よく知られている12星座による星占いの源流となっているということじゃろう。

八:へー、長い歴史の上に、星占いの今があるってことですね。頭を整理して、また、かみさん連中に話してみます。

和:そうそう、八っつあん、誕生星座は自分の誕生月には見つけられないってこと覚えているかな?

八:あ、そうでしたね。大事なこと、かみさん連中に話すの忘れてました。どうして見えないんでしたっけ?

和:なに?忘れてしまったのか。では、おさらいしようかの。
一口に言えば、誕生月の頃には、太陽がその誕生星座の辺りに居るってこと。つまり昼間に当たる。昼では見えるわけがない。
どうしてかと言うと、誕生星座とは、その人が生まれたときにちょうど太陽が位置したところにあった星座であり、だから、誕生星座は、太陽と共に昇り、太陽と一緒にしずんでしまうので見えないってことになるんじゃよ。
では、いつ誕生星座が見えるか?
ここが大事じゃ。自分の誕生星座を見つけるには、自分の誕生日から3~4か月前頃、宵の時間に南の空を見上げる、と覚えておくといい。

八:へい、和尚さん、良く分かりました。忘れないように頭のポケットに入れておきます。

和:頭のポケット、錆びついて開かなくならないように気を付けることじゃな!

八:和尚さんも、今日は大分頭を総動員したんじゃないですか。血圧上っているかもしれないですよ。深呼吸して、身体を落ち着けてくださいね。

和:そうだ疲れたなあ、八っつあん、気遣いありがとう。

八:それでは和尚さん、おやすみなさい。

(疲れ気味の和尚さんに見おくられ、ハっつあん、気持ちよさそうに帰って行きました。)

やれやれ、何だかチョッと難しく、よく分からない感じで、和尚さんとハっつあんのやり取りは終わったようです。
八っつあんの頭の整理は大丈夫でしょうか?
古くから伝えられている星座の中で、4000年ほど前には、すでに黄道上に星占いを前提とした12個の誕生星座がその位置に描かれていたのかどうかということが、二人のやり取りでしたね。

(星じい こと 宮下功)

*占星術には、ギリシアなどで発達した西洋占星術のほかに、インド占星術や中国など東アジアで発達した東洋占星術などがあります。

(編集担当)

3.村人だより -村人登場!ー

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〇投稿者プロフィール
名前:伊藤哲也
住んでいるところ:南米 チリ サンティアゴ
ひとこと:地球の裏にも星つむぎの村は広がっています!
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はじめまして、の方が多いと思います。
家族で村人で、妻と13歳と9歳の男の子二人は東京、府中市に住んでいます。
妻とまだ付き合い始めのころには、村の前身である、山梨県立科学館の「星の語り部」の活動にもいっしょに参加していました。
語り部メンバーで作った絵本と歌を、結婚披露宴の時に高橋さんと跡部さんにサプライズでプレゼントいただき、家宝(?)になっています。
2001年の星野道夫さんのプラネタリウム番組を見に行った後、長文の感想メールを送ったのが、高橋さんと知りあうきっかけでした。
その当時、私は大学院生で、富士山頂に電波望遠鏡を作るプロジェクトの研究室にいました。
その後、国立天文台に技術職員として就職し、今は、南米、チリにある、国際プロジェクトの電波望遠鏡、アルマ観測所に単身赴任しています。
子どものころから天文ファンで、望遠鏡をのぞいたり、フィルムカメラで天体写真を撮ったりしていました。
中学2年の時に、天文部の友達と一緒に長野にある、野辺山宇宙電波観測所の特別公開に行き、この電波望遠鏡を作った、所長の森本雅樹さんのぶっとんだ講演を聞いたことで、僕も電波望遠鏡を作る人になりたい、とあこがれたのです。
結果として、このような仕事に就くことになりました。
チリでは8日間、チリ北部のアタカマ砂漠の中の観測所で泊まり込みで働き(でも、勤務は昼間)、6日間はアパートのあるサンティアゴに帰ってくる、という生活をしています。
アタカマ砂漠の空はとてもきれいで、夕焼けの色が残る中にも、濃い天の川や南十字が輝くのが見えます。
写真を撮る時間がなかなか取れないのが残念です。
このところ、サンティアゴでは、日本食の寿司(カリフォルニアロール)に続いて、ラーメンブームです。
新しい店もどんどんできているのですが、先日入った店は、見た目はすごくおいしそうなラーメンなのに、麺が日本そばでした。
まあ、いろいろ、想定外なことが起きます。
また、無尽などで、皆さんとお話しできるのを楽しみにしています。

(伊藤哲也)

4.お知らせ -新刊紹介ー

このたび、星つむぎの村の顧問 覚和歌子さんが「覚和歌子詩集」を刊行されます!
今回は、覚さん自身に この詩集に託す思いを語っていただきました。
さらに、表紙にもご注目ください! このタッチって。。。

(編集担当)

3/15(木)ハルキ文庫から「覚和歌子詩集」が刊行されます。
書店でも取り扱いがありますが、こちらで買っても街の書店さんを応援することになります。
https://honto.jp/netstore/pd-book_32254344.html
サイトは情報更新まえで、最終価格は860円です。

これまで発表した歌詞と文芸詩の中から、文庫一冊分を選びました。
部分ではありますが、小さいながら私の宇宙です。
惜しげなく持ち歩ける文庫本、旅や散歩のお供にお連れいただければ幸いです。

(覚和歌子)

 

5.村人投稿

数々の村人投稿写真、今回も いってみよう!

タイトル:「イケメンオリオン」
撮影日:2023.2.09 撮影場所:山梨県北杜市 撮影者:立岩優子

タイトル:「オリオン座に近づくZTF彗星」
撮影日:2023.02.25 撮影場所:奈良県神野山 撮影者:まさじぃ

タイトル:「朝焼け」
撮影日:2023.3.1 撮影場所:中央道 山梨県大月あたり 撮影者:高橋真理子

はじめは シャボン玉

それは やがて凍り

そして ついには、、、

タイトル:「儚きもの」
撮影日:2023.2.21 撮影場所:山梨県北杜市 アルリ舎
撮影者:跡部浩一、りゅう こと 吉田立

タイトル:「つとめて」
撮影日:2023.2.21 撮影場所:山梨県北杜市 アルリ舎 撮影者:りゅう こと 吉田立

タイトル:「ROCK BIRD」
撮影日:2023.2.21 撮影場所:山梨県北杜市 アルリ舎 撮影者:立岩優子

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