星つむぎの村通信 -No76- 2022.2.17 発行

星つむぎの村通信 -No76- 2022.2.17 発行

わたくし、いま、北京オリンピックに首ったけです。
どこが魅力かって、日本人選手はもちろん、多くの外国選手たちのスポーツにかける「ひたむきさ」にこころを揺さぶられるところがいいですね!
勝負に挑むときのあの真摯なまなざしとエネルギーを感じとると、自然と気持ちが若返った気がします。
選手たちからもらったエネルギーを糧に 外に出て冬の夜空を眺めてみようかな、なんて思ったりしています(^^♪
さて、星つむぎの村通信 76号をお届けいたします。
どうぞ、お楽しみください。

(仲道正恭)

<星空俳句>

  獅子昇り カノープス這う 春隣り

立春過ぎたのに、南岸低気圧の通過により、平野部にも雪が降りました。
それでも春が近いせいか、厳冬の頃と違って地面の雪にも温かみがあるような気がします。
新型コロナウイルス・オミクロン株はまだまだ猛威を奮い、悩まされています。
こんな中でも星空は確実に春に向かい、オリオン座や南極老人星(カノープス)は20時頃には南中し、東からは獅子が頭をもたげています。

2022.2.13 (青りんご こと 斉藤泰文)

 

===========目次===========
1. 今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3. 村人だより -2022 復興支援活動から-
========================

 

1.今月の星空紹介

立春を過ぎて、暦の上では春を迎える2月ですが…ここ八ヶ岳はまだまだ寒~い日が続いています。

先日降った雪は久しぶりにまとまった積雪となり我が家の犬は雪の中、歌の通りで♪い~ぬはよろこび庭かけまわり~♪でした(笑)

☆冬から春へ☆
冬の星座たちが西へ傾くと、南の空には春の星座、しし・かに・うみへび…と、ギリシア神話で勇者ヘルクレスに退治された猛獣たちが姿を現します。
北の空で、北極星を挟んで向かい合うように北斗七星とカシオペア座が同じ空に見られるのもこの時期ならでは…厳しい寒さの中にも、ちょっぴり早く春の訪れを感じられるのも星見の楽しみのひとつですね

☆この時期の特別☆
おおいぬ座のシリウスに次いで全天で2番目に明るい星、りゅうこつ座の“カノープス”
「南極老人星」「寿星」とも言われ、この星を見ることができると長生きできるという、とても縁起のいい星として知られていますね。
我が家の息子と息子の友人は、何日か続けてカノープスを見たので「何度も見たから…俺たちすげー長生きできるって事か!」と盛り上がっていました(笑)
おおいぬ座のシリウスを目印に南の地平線ギリギリに位置するカノープス…地域によっては見ることが難しいかもしれませんが、皆さんもぜひ目を凝らして見つけてみましょう!!

☆まだまだ見られる冬の星座☆
冬の星座たちの見ごろは夜の早い時間へと移ってきましたが、南の空にはキラキラな星たちが輝いています。
みなさんよくご存じの“冬の大三角”の中に“いっかくじゅう座”があるのはご存じですか?いっかくじゅう(ユニコーン)は、捕まえると幸運が訪れると言われている伝説の生き物。
4等星と暗くて見えづらい星たちですが、三角の中を心穏やかに、じーーーっと見つめていると…きっと見えてくるはず!
そして、とっても魅力的な“冬のダイヤモンド”は6つの1等星の中にキラキラな星がた-くさん!
世界一大きくて素敵な宝石箱…大好きな人にプレゼントしちゃいましょう。
また、私個人的に好きな星座“うさぎ座”がオリオン座のすぐ下に!なんとも可愛い星座で、星座線がキレイにうさぎの形になるんです
…ぜひ見つけてみてくださいね

みなさんにとって星空を見上げる時間が、空の上の人たちや地上の大切な人たちに想いを馳せつつ、HAPPYになれる素敵な時となりますように…

(立岩優子)

タイトル:狩人オリオンに付き従う、おおいぬとこいぬ

説明:スターラウンド八ヶ岳雪の天空テラスにて。ガイドは村人の安江さんです。
撮影場所:山梨県北杜市サンメドウズ清里スキー場
撮影日時:2022年1月29日午後7時
写真提供:スターラウンド八ヶ岳

冬の星座といえば おおいぬ座、こいぬ座 。そして、愛犬”エリン”

立岩さんとこのやんちゃ犬(愛犬)”エリン” 写真提供:立岩優子

2.宇宙小話

この村通信が届く2月になると、私は神戸八社巡りに出かけたくなるのです。
神戸市街地に一から八の数字のついた神社があり、節分の日にこの八社をまわり、厄を払う風習があります。
御朱印も限定のものが貰えたりと、楽しみながら周ることができます。

ここからが星にまつわるお話です。
なんとこの八社の位置、北斗七星の並びになっているという説があるそうです!
少々歪な形ではありますが、なにか意味があるのかも?!
来年からは、この謎を解くために周ろうと思ったのでした♪

神戸八社と北斗七星 (作成:跡部浩一)

参考:とも姐の神戸散歩 https://kobe.1yen.jp/around/ikuta_eishin.html

(岸本由希)

 

3.村人だより -2022 復興支援活動からー

「伝わってくる」ことの素晴らしさ~復興応援2021(1/15,1/16)

星つむぎの村では、東日本大震災の年(当時は「星の語り部」として)から始まった復興応援をずっと続けています。
2021年度は、実施日を10月から翌年1月に延期したものの、新型コロナウイルスの影響を受け、昨年度に続きオンライン講演会を開催しました。
1月15日(土)は 宮城県名取市にある一般社団法人「閖上(ゆりあげ)の記憶」代表 丹野祐子さんのご講演、1月16日(日)は宮城県石巻市にある「大川伝承の会」共同代表 佐藤敏郎先生のご講演でした。コロナの影響で実際に現地に来てもらえないことで 画面越しの講演を数多くこなされたと思われる講師御二人は、今まで以上に「いかに伝えていくか」を磨かれていて、熱い想いがド~ンと胸に響く内容でした。
まず、丹野さんの体験のお話です。
閖上では、お年寄りが「ここは大丈夫(津波は来ない)。」と話し、「津波は数十cmぐらいで、(自分達の地域ではない)どこか他の土地に来るもの。」と考えられていました。
それで地震の後、停電が起きて外部からの情報が途絶えた中、津波の心配は誰もしなかったそうです。
丹野さんはお嬢さんの中学卒業の謝恩会会場の公民館のグラウンドで他の保護者と夕飯をどうしようかと話しました。
その後、突然の「津波だ!」の声で公民館の階段を駆け上り 間一髪で助かったそうです。
そのため、なにも家から持ち出すことが出来ませんでした。
9mの大津波は海底にたまっていたタールを巻き上げて真っ黒い塊として押し寄せ、足元まで迫ったそうです。
お嬢さんは駆け上がった人々の中にいました。
息子さんはそんなに離れていない所だったのに、わずかな距離の差で助からなかったのです。
それで、もしかしたら息子さんを助けることが出来たんではないか、という悔いが丹野さんを突き動かし、息子さんがいらした証を私達に伝え、私達に同じ悲しみを繰り返さないようにと行動されていらっしゃるのではないかと感じました。
「津波は来ないと思っていたから、何もせずに津波に襲われた」という状況は、「大災害は我が家には来ないだろう」と漠然と考えている自分と重なり、お話がぐっと身近に感じましたし、災害が起こる前に家族と貴重品や避難時の準備について話し合っておかねばと思いました。
翌16日は佐藤先生のお話です。
大川小は津波によって74名の児童と10名の教員が犠牲になり、佐藤先生は当時6年生だったお嬢さんを亡くされました。
最初に震災が起きる前の小学校の様子を保護者の温かい視点で話されました。
じゅうたんが敷かれた明るいホールでお嬢さんが図書委員長として発表したこと、中庭には芝生があってお花が咲き、子ども達がよく一輪車に乗っていたこと。地域の人達が学校行事に参加しながら子ども達を見守り、幸せがいっぱいあったのだとわかりました。

私が知っている大川小は発災後の、教室がむき出しで渡り廊下の鉄筋がねじれて倒れ、献花台がある鎮魂の場所です。
楽しい学び舎だった姿は、自分が住む町の小学校の様子と重なり、今までよりずっと悲しみが深くなりました。
大川小学校では、これからの未来を夢見ていた74人の幼い命が突然途切れてしまいました。
亡くなっていった子ども達はどんなに無念だっただろうと思うのです。

大川小学校の校歌の一部に「未来を拓く」という言葉があり、残った外壁にその文字を見ることが出来ます。
佐藤先生は「失われた命を大事にし、これからの命を守る」ためにきちんと事故と向き合い、悲しいだけの学校にはしないと考えています。
「大川小はみんなの意識を変えて未来を切り拓くところ」
重くて力強くて大切なものがこの言葉には含まれています。
御二人の講演会は、今まで聞き手の私達が知らなかった部分をしっかりと語って「伝えて」くださり、今までと違う景色が「伝わってくる」素晴らしさを感じました。
講演の後に講師と村人の心をつなげる方法として、村オリジナルのハトのモビール(写真添付)をみんなで作成して画面にかざし、東北の名産品を持ち寄って披露しました。
講演会の様子は、村人の場合Slackの復興応援のチャンネルで3月までご覧いただけます。ご興味を持たれた方は、復興応援のチャンネルを覗かれて、これからの話し合いに是非ご参加ください!


大川小学校跡


はとモビール

                    (ほしむすび こと田中真理)

―――――
★星つむぎの村の最近の活動報告はこちらから!
〇星つむぎの村ウェブサイト  https://hoshitsumugi.org/
〇星つむぎの村facebook https://www.facebook.com/hoshitsumuginomura/
〇星つむぎの村のプラネタリウム https://hoshitsumugi.org/planetarium/
〇病院がプラネタリウムfacebook https://www.facebook.com/hospitalplanetarium/
〇スターラウンド八ヶ岳Webサイト https://star-yatsugatake.com/