星つむぎの村通信 –No61– 2020.11.30発行

星つむぎの村通信 –No61– 2020.11.30発行

先日、かなり驚いたニュースが目にとまりました!
2020年11月13日に、大きさ5~10メートルの小惑星「2020VT4」が地球のそばを通り過ぎていた、というものです。
驚いた理由は二つ。
まず、「通り過ぎていた」、つまり通過した後しか発見できなかった、ということ。
見つけたのは、ATLAS(小惑星地球衝突最終警告システム)で、発見したのは地球最接近の15時間後のこと。ATLASは、小天体が地球へ衝突するのを事前に検知するシステムなのですが、それでも発見できないものがあるんですね。そして二点目は、その距離の近さ。なんと地球から約386キロ(ISSの周回平均高度が400キロなので、その近さがわかります)。
でも、次の接近は2052年で距離も約300万キロ ということで一安心です。
さて、星つむぎの村通信 61号をお届けいたします。そんな宇宙に思いをはせながら 今回もお楽しみください!

(仲道正恭)

<星空俳句>

銀河濃し 星の多さに 息をのむ

11月になって連日、いい天気が続きます。その割に寒くないですね。
2日ほど前の夜、野辺山駅の温度計がー0.5℃を指していたのが最低でした。
コロナウィルスは衰えることを知らず、第3波が全国を襲っている様相。
マスクをし、会議や飲み会などは、オンライン開催が当たり前になりつつあります。
大きな変革の前夜なのかもしれません。
そんな今日この頃、星空浴に身をまかせてみるのはいかがでしょうか。

2020.11.23    (青りんご こと 斉藤泰文)

===========目次===========
1.今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3. 村人だより -村人登場!-
4. 星つむぎの村 活動スケジュール
========================

1.今月の星空紹介

札幌のにっちです。今月の星空紹介を担当します。
いきなり星ではない話題から入りますが、先日、「見立て」をテーマにした田中達也さんのミニチュア展に行きました。朝ドラひよっこのオープニングを担当されたアーティストさんで、ご存じの方もいるかもしれません。
誰もが知っている日常の物(ブラシ、ジーンズ、パン、など……)を別の物に見立てて、くすっと笑えるような作品を制作されています。気になった方はぜひ一度調べてみてください。

「見立て」の視点で考えてみると、様々な国で伝えられてきた星座は、とりどりの点々でしかない個々の星を結び合わせ、想像した、まさしく見立ての世界ではないでしょうか。
例えば、冬の大三角を成す星座としてよく知られる、オリオン座とおおいぬ座、こいぬ座。近頃の夜空では、先陣を切る木星、土星、火星の惑星パレードに続いて見えてくる星たちです。
このオリオン座、おおいぬ座、こいぬ座は、ギリシア神話では狩人オリオンとその後ろに付き従う猟犬たちの姿に見立てられています。
すごい想像力ですね。特に こいぬ座は、二つの星を結んだだけですから、なかなかユニークな見立てだと言えるでしょう。

一方、日本ではオリオン座を楽器の鼓(つづみ)に見立ててツヅミボシと呼ばれていたほか、三ツ星の部分を串にささった団子に見立ててダンゴボシ、ミタラシボシなんて呼んでいた地域もあったそうです。
その他農具や漁具など生活に必要な道具に見立てた呼び名もたくさんありました。
(参考:北尾浩一著『日本の星名辞典』)

さて、先に上げたミニチュア作家の田中さんは、「見立て」という言葉に置き換わる英語は存在しないのだと言います。
日本庭園の池や石は海や山などの自然風景に見立てたものですから、見立ては海外よりもより日本にそぐう概念なのかもしれません。
今回海外の物は深く調べられなかったのですが、調べてみると面白いかもしれませんね。

もうすぐ夏の星も見納め。今は夏から冬の星まで幅広く楽しめる贅沢な季節です。
皆さんもぜひ晩酌のおともに、星の世界の中に身近なものを見立てて楽しんでみてはいかがでしょうか?

それではよい星空ライフを~♬

(にっち こと 谷口加奈子)

「昇る冬の大三角」 アルリ舎より (山際が明るいのは関東平野からの光害)
2020年11月21日                  写真提供:跡部浩一

 

2.宇宙小話

2020年もあと少し。
心が騒つく1年の中で純粋に感動した出来事は、国連総会対話の中で「子どもたちのPale blue dot」が紹介されたことでした。
恐れ多くも英訳させていただき、文化、考え方、信仰するもの、言語など、異なる背景を持った人たちに英語という共通言語で伝える難しさに苦しんだのですが…そんな時に助けになったのが、昨年9月に行われた覚さんのワークショップでした。
自分の中の深〜いところに降りていき、そこから言葉を取り出してくる作業の経験が生きたと実感できた嬉しい時間でした。

「そしたらまた!」と言って別れ、次の約束が叶って当たり前だと思っていたけど、実はそれは奇跡だと知った1年でした。
当たり前じゃないと知ったからには、会えた時にどんな言葉を選んでどんな風に伝えようか、時々じっくり深〜いところまで降りて考え、言葉選びをしようと思います♪

(岸本由希)

<編集担当 補足>
2020年9月28日に開催された第75回国連総会対話の中の天文学セクションで、星つむぎの村が制作した「この地球(ほし)の希望」という動画がなんと一番に紹介されたのです!
各国の天文教育コミュニティーに呼び掛けられて集められた動画から選ばれました。
難病児や病児を含む、星つむぎの村に関わる子どもたち、寺子屋やフライングプラネタリウムを体験した子どもたちが、「Pale Blue Dot」(淡い青い点=地球)を表現しました。
その時の動画はこちら♪
https://hoshitsumugi.org/news/6573/
または
https://youtu.be/DLbY7wImwHY

ボイジャー1号が1990年に約60億キロメートルのかなたから撮影した「Pale blue dot」を
30周年を記念して再処理した画像 (Credit: NASA/JPL-Caltech)
※「Pale blue dot(地球)」は、中央からやや右にある小さなちいさな点です

3.村人だより -村人登場!-

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〇投稿者プロフィール
星海 航 (ほしみ わたる)  ※ニックネーム
兵庫県在住
座右の銘 『進取の気性・先見の明』
『広く浅く何でもアリ』の私ですが特に宇宙・子供が大好きです!よろしくお願いします。
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星海航(ほしみわたる)です!

「人はなぜ星を見上げるのか」(高橋真理子著)が「読書感想画中央コンクール指定図書」5冊の内1冊になったのが、真理子さんと出会うキッカケでした。

とある学校の美術の授業で取り組み始めて、転勤するたび放送部・美術部・図書委員会など、必ずしも「本が好き・絵が得意」とは限らない色々な集団の生徒たちと応募し続けた読書感想画コンクール。
いつも県代表そして全国大会である中央コンクールへと進んでいた。
それなのに!……その年に限って県コンクール止まり。
もし中央コンクールに駒を進めることが出来ていたら、授賞式会場で著者である真理子さんにお会い出来たのに、残念でした。

ちなみに、その年の応募作を描いた子は絵が苦手だというので、紺色の液を画用紙に写し取り(マーブリングという技法)、絵の具代わりに張り付けて表現するようアドバイスしました。
……静かな作風の中に病院プラネの雰囲気がよく出ている佳作でしたよ。

そのあと、本にあった真理子さんのプロフィールを手掛かりにネットで検索すると、近くの大阪府立母子医療センターで病院プラネを行うことが分かり、すぐに真理子さんに連絡を取って、要領も分からぬままにとりあえずスタッフ扱いで参加させて頂きました。
真理子さんのプラネ、私はドームを支えることしかできなかったけれど、子どもたちの静かな感動に自分も一緒に浸ったのが印象的でした。

合間のアクティビティも新鮮でしたが、メンバーの一人が初参加で日光写真を展開する、という行動力を前に、何も持たずに来た自分を悔いていた。また何も考えずにクルマで来てしまったせいで、解散後、電車で帰る道々真理子さんと話せたはずのチャンスを逃してしまったことは残念すぎた。

一人で寂しくクルマで帰りながら、50年前の学生時代に、ふと夜空を見上げて満天の星空に息を呑んだ瞬間の記憶を鮮明に思い出していました。
オーロラを観にアイスランドやカナダに出かけたのもその頃で、嗚呼、自分はずっと星が好きだったのだと気が付きました。

すべからくアバウトで、仕事が詰んでくると音信不通になる悪癖もあり、星つむぎの村の活動に参加していますなんておこがましくて言えない私だけれど、キモチはいつも星つむぎの村人のつもりです!

(星海航 ※ニックネーム)

4.星つむぎの村 活動スケジュール

<今後の予定>
12月11日(金) 甲府市内小中学校一斉フラプラ 18時~、19時~、20時~
限定公開ですが、村人には追ってお知らせします。

12月12日(土) 都留こどもまつり フライングプラネタリウム 14時~
https://hoshitsumugi.org/events/6770/

12月13日(日) 大府みんなでプラネタリウム(フラプラ) 19時~
おおぶみんプラ実行委員のみなさんが、一生懸命準備しています!!
超オリジナルなフラプラになります。お楽しみに。
https://hoshitsumugi.org/events/6773/
※大府では14、15日と2日間かけて、いくつかの学校や施設をまわります。

12月22日(火) 心魂facebookページからプラネタリウム 20時~
https://www.facebook.com/cocorodama/

12月23日(水) 全国一斉フライングプラネタリウム 14時~、 20時~
子どもたちの「願いごと」宇宙にあげて、あちこちにいる子どもたちがつながるようにしたいなと思っています。
https://hoshitsumugi.org/events/6777/

12月25日(金) 星のポエトリックオペラ
サイトでお知らせします。

他、https://hoshitsumugi.org/event/ もあわせてご覧ください。

<ライブ配信して現在も見られるもの>
星空口笛コンサート(11月1日)
https://youtu.be/1RDcOh6V4zo

新刊出版記念オンライントーク(9月20日)
新刊「すべての人に星空を―「病院がプラネタリウム」の風景」に登場する方の中の20人ほどの方たちに、コメントや動画出演、生出演いただきお話してもらいました。
https://youtu.be/DLSNT1g2Iww

希望の星に祈りを―小林真人・星空コンサート(8月15日)
https://youtu.be/yURdvl8Bvaw

宙先案内人と行く 池田綾子 星の旅(7月25日)
https://youtu.be/KdCSQSPCxmY

この地球(ほし)の希望
村人やこれまでフラプラを体験してくれた子どもたちが登場! なんと英語字幕つきです。
https://youtu.be/DLbY7wImwHY

<お知らせ>
「フライングプラネタリウム」は、ご自宅などの天井いっぱいにうつすためのプロジェクターを貸し出して、特別な投影を行うこともできます。また病院他、出張プラネタリウムの代わりにフライングプラネタリウムやっております。
ぜひお問い合わせください。
https://hoshitsumugi.org/

(高橋真理子)

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★星つむぎの村の最近の活動報告はこちらから!
〇星つむぎの村ウェブサイト  https://hoshitsumugi.org/
〇星つむぎの村facebook https://www.facebook.com/hoshitsumuginomura/
〇星つむぎの村のプラネタリウム https://hoshitsumugi.org/planetarium/
〇病院がプラネタリウムfacebook https://www.facebook.com/hospitalplanetarium/
〇スターラウンド八ヶ岳Webサイト https://star-yatsugatake.com/

◆お願い
村通信に写真、絵などを掲載したいと思っています。
星関係はもちろんですが、関係なくともこころに響いたり、ほっとするものでOKです。
是非投稿ください。
news@hoshitsumugi.main.jp