緑成会整育園にて

緑成会整育園にて

7月18日(木)は、小平市にある緑成会整育園に星空を届けてきました。天井投影で3回行いました。村の参加者は高橋、跡部、谷口、藤田の4名。

1回目(高橋) 参加者計 31人 園生15名 スタッフ16名
2回目(谷口) 参加者計 31人 園生15名 スタッフ16名
3回目(藤田) 参加者 約35人 園生15名 スタッフ20名ほど

3人で一回ずつ、宙先案内を行いました。レポートは、藤田、谷口です。まずは藤田から。


驚いたのは、各回、参加するそれぞれの方がどこでどんな姿勢で見るのか、ということを事前に決めてくださっていたこと。最初はただ、丁寧なんだなぁと思いました。でも、1回目の皆さんが入ってこられて、その理由がよく分かりました。

投影の部屋に集まってからも、スタッフの皆さんは、おひとりおひとりの顔の高さや向きに合わせてご自分の顔を並べ、どんなふうに見えるのかを実際に確認しながら、細かい場所を決めていたのでした。

おひとりおひとり、姿勢も違えば、体の状態も違います。もちろん性格も違います。ケアの有無や移動のしやすさといった「介助の都合」だけではなく、おひとりおひとりが一番安心して、一番楽な姿勢で、一番よく見える方法を考えてくださっているのだと分かり、感激しました。

普段から座り慣れている車いすで見る方、床にごろんとする方、ヨギボーに体を任せて見る方、また、お気に入りのぬいぐるみを連れてきた方、全身好きな色でキメて来られた方、おしゃれなカチューシャでおめかししてこられた方、なんと小型のマッサージ機持参で来られた方も!!

皆さんが「リラックスしにきました~」「おしゃれしてきました~」という様子、

またそれを職員の皆さんがとっても楽しそうに教えてくださる様子に、楽しみにしてくださっているんだなぁということがじんじん伝わり、嬉しくなりました。

迎え入れてくださる方々の想いが、プラネタリウムの場をよりあたたかくしてくれるのだということを、改めて感じました。

写真撮影用の特設ステージには、大きな銀河の背景布が張られていました。投影を見た方がおひとりずつ、そこで記念撮影をしてから病室に戻られます。その写真撮影がまた、楽しいのです。

我が家にも重心児の息子がおりますが、息子の笑顔を写真に収めるのは大変難しいことです。ハイチーズなんて言えば気持ちが高ぶって緊張が入り、反り返ったり目が上転したりしてしまいます。幼稚園や学校、療育でさえも、いただいてくる写真はよくて真顔、だいたい白目。顔が見えていればいい方で、ティルトを倒したまま撮影するのでほとんど顔が見えないということもしょっちゅうあります。

仕方がないと諦めつつ、もうちょっといい顔を撮ってほしいなぁといつも思ってしまいます。

だから、ひとりひとりの「いい顔」を引き出すスイッチをみなさんが知っておられて、「いい顔」の写真を残そうとわいわい楽しく盛り上がっていること、そうやって「いい顔」になった利用者の皆さんを見る職員のみなさんがまた、とても「いい顔」でいらっしゃること。

笑い声と笑顔があふれる写真撮影の様子に、同じような場に子を預けるひとりの親として、嬉しくて涙が出そうになりました。


続いて、谷口のレポートです。

エレベーターに乗った時から、中は星だらけ。この日のための飾りつけとのことで、歓迎モードにこちらもうれしく。

縦200㎝の窓4面の遮光はなかなかに大変そうだな…と身構えていましたが、準備段階にも大変に職員さんが協力してくださって、ものをどけてくださったり脚立を用意くださったり。ありがたかったです。

園生さんとスタッフさんはほぼ1:1。プロジェクターを中心に、色とりどりのバギーや、車いすで、あるいはマットやクッションに乗って、同心円状に並ぶさまは、まるで大輪のひまわりの花のように見えました

跡部さんの始まる前のお話が場のわくわく感を引き上げ、火星投げの時も誰より盛り上げていて、さすがだなあという感じ。

真理子さんの回は参加する人を一瞬で引き込むこと、皆の一体感を引き出す過程が鮮やかで素晴らしかったです。特に宇宙の場面ですが、焚火っぽい。燃え始めたところにすかさず欠かさず言葉と音で燃料投下するので、盛り上がりがどんどん増していくところが、焚火に似ている気がします。

優子さんの回は、BGMの選択もまた全然違い、名前呼びが随所にちりばめられていて、より「今回だけ」の投影が作り上げられていました。

優子さんがお一人お一人のところを回って、あっという間に打ち解け、園のスタッフさんと和やかに談笑していたのもすごいなあと。

自分の回の、個人的な大きな反省点は「声」ですね…2回目の気管切開、経管栄養の方がいらっしゃっていました。ですが、「声で教えて」、などのワードを出してしまいました。やっぱり、とっさに出てしまう。たしかに中には声を出してくれる方もいたのですが、その点はすごく、すごく自分にがっかりです。

ライトダウンの時、思ったことは、スタッフさんが満天の星を見上げたとき、すぐに園生さんに向きなおって、「○○さん、すごいねぇ」「たくさんだ」そんな風に話しかけている。見えないけれども、園生さんたちもきっといろいろに反応をしていて、その様子もまたスタッフさんは観察している。そんなことが起きているのを間近にすると、私の声はいらない瞬間があるなと思うのでした。それが、星空を信じる、ゆだねるということなのかなあと、まだぼんやりとですが、たしかに。