旭川荘と岡山支援学校にて

旭川荘と岡山支援学校にて

5月30、31日と、岡山市内で出張プラネタリウム。TOOTHFAIRYチャレンジキッズプロジェクトの一環で行かせていただいています。
岡山市在住の佐藤さんからのレポートです!
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 5月30(木)から3日間、岡山市内3か所で出張プラネタリウムが行われました。岡山県ではフラプラは実施されていたものの、生の投影は初めて!でした。
今回の投影は、岡山の村人で、社会福祉法人旭川荘にお勤めの医師であり、重い障害をもつお子様の母でもある陶守さんの熱い思いから実現しました!
1日目、2日目はその旭川荘と隣接する岡山支援学校で実施。3日目は、病気を抱える子どもたちの学習・復学・自立を支援するNPO法人ポケットサポートの活動として実施されました。まず、
1日目と2日目についての報告です。
 社会福祉法人旭川荘は岡山県内ではとても有名で、岡山市街地北部の旭川沿いに昭和31年に設立されました。すべての人が共生できる人間尊重の社会の実現を目指し、医療と福祉を融合させた総合福祉施設で、利用者はおよそ2400人、職員はおよそ2100人だそうです。
 投影は、約20分の短縮バージョンでしたが、回数がスゴイ!!私は観てくださった方の人数も数えられず、右往左往していました。
30日(木)社会福祉法人旭川荘多目的ホール 天井投影
 計8回投影で、利用者さんが約100名+介護職員(のべ約100名)
31日(金)岡山支援学校体育館 7mドーム投影
 計7回投影で、旭川荘の利用者さん約50名+介護職員(のべ約50名)、さらに岡山支援学校の生徒51名+介助の先生(のべ約50名)
 参加者:高橋さん、跡部さん、岡山の村人の陶守さん、佐藤
 私が驚いたのは、利用者の方々の反応です。おそらく、これまで実際に体験された多くの村人の方も同じような経験をされたと思うのですが、20分ほどの間に興奮して声をあげたり、最後の方にはしだいに静かに集中していたりする様子が私にもわかりました。一緒に入った職員の方からは、すごく集中して観ていたとか、いつもと様子が違って興奮していたなど、いい反応があったという声がたくさんありましたし、職員の方からも「こんなプラネタリウム初めて!感動しました!!」という声が多数ありました。近くで体感するこの感覚は、癖になりそうです(笑)

 さらに驚いたのは、岡山に星つむぎの村がやって来ることを知って高橋さんに直接連絡をしてきた松島さん。旭川荘に駆けつけてくれました。「天文王国おかやま」というSNSを発信している彼女は、高橋さんの本を読んで自分も何かできないかと想像を巡らせていたそうです。そして素晴らしいレポートをさっそく書いてくださっています。

以下、今回の実施に尽力された陶守(すえもり)さんよりコメントいただきました。

★★★
陶守真貴子と申します。現在旭川荘で非常勤の医師をしています。子供が3人おり、もうすぐ7歳になる長男は寝たきりで重い障害があります。長男が瀕死の状態が産まれた時、もしこの子の命があるのなら空と海をみせてあげたいと、NICUの小さな窓から常に考えていました。長男が産まれてから考えることは、障害の意味です。なぜこの子達は障害をもって産まれたのだろう?そして、そうであるならばせめて「生きることは楽しい!」と思って欲しいと。
2022年11月ごろ、繋がりを求めて参加していたある患者会のLINEで流れた情報で、「星つむぎの村」を知りました。2023年長男の園で保護者会の会長をしており、そこで実施しようと試みましたが、様々な事情でお断りすることとなりました。あまりにも申し訳なく、去年の秋に星つむぎの村のメンバーになりました。その後、利用している訪問看護でフライングプラネタリウムを行い、その実績を元に今年の3月、パート勤務である私ですが、旭川荘の院長に直談判して今回の実施にこぎつけました。つてもないマスコミにも取材依頼のメールを送りました。
 当日は、仕事を終えて駆けつけました。訪問看護でフライングプラネタリウムを行ったときは時間帯が切られて少人数であったため、周りの感想がわからなかったのですが、今回は、重度知的も、肢体障害もある彼らが顔をまっ赤にして歓喜の声をあげている様子を間近で体感できて嬉しかったです。とても心に沁みました。この経験は、私の今後にとってとっても大きな意味を持つと感じています。
 星つむぎの村の活動がこれからも病気や障害と闘っている子供達に届くことを願っています。いつか障害と病気の垣根を少なくするクリニックを作りたいです。