星つむぎの村通信 –No56– 2020.7.5発行

星つむぎの村通信 –No56– 2020.7.5発行

梅雨真っ盛り。
星空ファンにとっては、晴れることが少なくちょっと寂しい季節ですね。
でも、ふっと夜空を見上げた時、一瞬雲が途切れ 星たちが垣間見えた瞬間はなんともいえず幸せな気分を味わえるのでした。
梅雨には梅雨の楽しみ方がある!
さて 星つむぎの村通信 56号をお届けいたします。
今回も創作童話が登場しますよ!
お楽しみくださいね。

(仲道正恭)

<星空俳句>

七夕の 星鮮やかに 夏銀河

今年の梅雨は、何日もジメジメ小雨が降り続くのではなく、かなりまとまって雨が降り涼しくなり、少しすると青空が見え、気温も上がるというはっきりした天候です。
そんな中での6/28の夜に、たまたま晴れ上がり、全天の星が見える一瞬がありました。
南東の空には木星と土星が並んで見えます。東の空には七夕の星と白鳥座。
そして天の川もはっきり見える瞬間がありました。
みなさん、七夕飾りに願い事を書きましたか? そんな光景を詠んでみました。

(青りんご こと 斉藤泰文)

 

雲の切れ間の夏の大三角   2020.7.2  星つむぎの村アルリ舎にて(撮影:跡部)

===========目次===========
1.今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3.村人だより -村人登場!-
4. 村人投稿 -創作 おとなの童話-
5. 星つむぎの村 活動スケジュール
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1.今月の星空紹介

先日の部分日食の日は、一年で一番昼が長い、夏至の日でした。私がいる札幌では、なんと朝の3時頃に空が明るくなりはじめ、21時過ぎまで太陽の明るさが残っているといった具合でした。
その代わり冬は16時ごろに空が暗くなってしまいます。
もっと北の地域のアラスカや、もしくはずっと南の南極などに行くと、季節ごとに日が差す時間の差は大きくなって、白夜や極夜として知られている現象、太陽が沈まない季節や明けない夜の季節がやってきます。
もしもみなさんがそんな地域に行ったとすると、どんな気分で過ごせるでしょうか。
アラスカは今の時期夜がとても短いですね。星が見えないのはなんだか寂しい気がしますが、一日中遊んでいられそうで楽しみですね。
一方夏至の南極は、ずっと夜です。流れ星を探し放題ですね。
でもずっと夜だと、太陽が恋しくなりそうですね。
一日一回昇っては沈む太陽のめぐりは、普段は意識しないけれど、私たちの生活に自然に組み込まれています。
変わりゆく生活の中で、そんな些細な当たり前を大切にしたいなと思います。
さて、5月ごろまで2020年の宵を彩ってきた金星が姿を消した代わりに、木星、土星、火星と華やかな惑星の姿を見ることができ、ただでさえ一等星が多い夏の星空にさながらパーティのように集っています。
ただ、星と星の距離は見た目には近そうでも、ここでご紹介した中で一番近い地球と火星でも6千万㎞(最接近時)離れていますから、ソーシャルディスタンスはばっちりですね♪

(谷口加奈子)

2.宇宙小話

6月は部分日食で盛り上がりましたね。残念ながら神戸は曇ってしまい見られませんでしたが、Slack上で村人の皆さんの実況コメントや写真を見たり、時に海外の中継を見たり、家に居ながらにしていろんなところの日食事情を知れて楽しい時間でした。
空は繋がっている事を再認識できました。

コロナコロナであっという間に2020年も後半に突入しましたね。
いったいあの数ヶ月は何だったんやろうかと思う事もありますが、1つ改めて心に決めた事があります。
それは、明日何か起こっても後悔しないような今日1日を過ごす事。
1日の過ごし方をどう選び行動したか、そんな事を振り返る時間を持とうと、さそり座を見ながら決めたのでした。
皆さま、これからもどうぞよろしくお願いします♪

(岸本由希)

3.村人だより -村人登場-

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〇投稿者プロフィール
山梨県大月市の「村民s」、井上お神酒徳利夫婦です。
男:井上成美 女:敬子。 なりたくはなかったが 共に「前期高齢者」。
当村へ住民票を移したのが 6~7年前。
女・敬子と真理子姫さまにご縁が生まれ、男・成美は、女・敬子に曳かれ、
善光寺ならぬ「星つむぎ村に」めでたく入村。
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みなさまがた、こんにちは。

男:成美と「星との出会い」は、
我が暗き高校時代。みなさんも良ぉくご存知の『見上げてごらん夜の星を』。
「♪ぼくらのように 名もない星の」の「名もない」に勇気づけられ。
時は経て、大学時代 『天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ』
万葉集の人麻呂おじさんの浪漫あふれる荘厳な歌との出逢い。
さらに時は経て 『文月や 六日も常の夜には似ず』
明日は七夕。
天の川では二つの星が一年に一度の逢瀬を楽しむ。
今夜はその前夜だがすでにして常の夜とは違った雰囲気あり・・という芭蕉さんの句との出逢い。
そして現在
『何はさて ウイッシュ・アポン・ナ 流れ星(ディズニー映画風)』
『六連星(むつらぼし) すすき野を行く人照らせ(谷村新司風)』
『仰のけの背に地の余熱 銀河かな』
などという句をでっちあげる人間と なりにけるかも。

男・成美は甲府生まれという「都会のお坊ちゃま育ち」ですが、女・敬子は北巨摩郡(現・北杜市)というヒナなる地育ち。
(早く言やあ田舎ッペ。もとい いま 村の中枢拠点が北杜らし。北杜市は今や 県下でイチバン進んでいる佳き地なり)
しこうして二人とも「大なる内気モンs」。
どこかでお逢いしたら、仲良くしてくだしゃりませ。

ふたり我等、当地大月枝村に於いて、内職的にひっそりと「ムラ起こし」に励んでおります。
(自称「大月市・星つむぎ村起こし隊」の 隊長と三等兵。)
我が村に光あれ! ♪嗚呼栄冠は 村に輝く!!
お・し・ま・い。

注1)小文字の「s」:英語の複数形を表す「s」を意味する。
注2)六連星(むつらぼし):「プレアデス星団」の和名。別名を「昴(すばる)」。

(井上 成美、敬子)

3. 村人投稿 -創作 おとなの童話-

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〇投稿者プロフィール
名前 前田悟郎
住んでる県 山梨県
特徴
人見知りだけど、星を見上げる事、音楽を聴く事が好きです。猫飼ってます。
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村人である マエゴロウ こと 前田悟郎さんから創作童話を投稿いただきました。
前号に引き続きの特別投稿、とっても嬉しいです♪
さてさて、今回はどんなお話かな? じっくりとお読みください。

☆☆マエゴロウさんからひと言☆☆
高さを比べて喧嘩しただけで終わっているのはなにか寂しい。
「どちらが」
という比較ではなく星を介して
「どちらも」
という共感とつながりの視点
国中と郡内という垣根無く
山梨県民が星から生まれるつながりで
仲良くなれたらいいな
という願いを込めました。

注) 山梨県は、甲府市を含む甲府盆地を中心とする「国中」と、富士山北麓を含む「郡内」に大別される。
(国中と郡内の間には山が連なっており、両地域では文化や歴史などが少しずつ異なっている、とも言われている。)

高さ比べ -八ヶ岳と富士山の星結び-

山梨県には2つの大きな山がありました。
ひとつは南にそびえる富士山
もうひとつは北にそびえる八ヶ岳
ふたつの山はお互い高さを比べあって争っていました。
なかなか決着が付かないので、阿弥陀如来が仲裁に入りどちらが高いかふたつの山の頂上に樋を掛けて中央から水を流したところ、水は八ヶ岳から富士山の方へ流れた為、八ヶ岳の方が高いことがわかりました。
高さ比べに負けてしまった富士山は悔しさのあまり太い棒で八ヶ岳を叩いたところ、山が八つに分かれたのでした。実は、その姿から一番高かった山は八ヶ岳と呼ばれるようになったのです。

そんなところへゆらゆら赤く光る星からひとりの老人が現れてこう言いました。
「こらこらお前たち、喧嘩をしてはいかんぞ」
(八ヶ岳・富士山)
「誰ですか、あなたは?」

写真:カノープス(南極老人)と富士山

(老人)
「わしは南極老人。人間の世界では寿老人とも呼ばれる寿命を司る仙人じゃ」
「人間たちはお前たちふたつの山を敬っておるじゃろ。
じゃがその人間たちの命には限りがある。
じゃから、ワシは、ワシを見つけてくれた人間の寿命を伸ばしてやっておる。
ワシは、寿命を司っておるからのぅ。
ところがじゃ。お前たちが喧嘩ばかりしておるから、人間たちが怖がって、お前たちに近づかなくなってのぉ。
近ごろでは、ワシを見つける人間もおらんようになってしもうたんじゃ。」
「気付かぬか? 何故、人間がお前たちのもとを訪れるのか」

南極老人が空を指さすとそこには満天の星が広がっていました。
八ヶ岳の上に広がる美しい星空、富士山にも美しい星空がありました。
「すごい、なんて美しい星空だ!」

  

富士山                          八ヶ岳
(写真提供  前田悟郎)

その時、ふたつの山は、悟ったのです。
頭上に広がる無限の空間にちりばめられた、宝石が輝くような満天の星たちに比べれば、自分達が争っていた「背の高さ」はとても小さなコトであり、人間達もきっとこのかけがえのない美しい星空を見上げたいに違いない、と。
それからというもの、ふたつの山は心を鎮め、仲良く人間たちを向かい入れたということです。

(マエゴロウ こと 前田悟郎)

5.星つむぎの村 活動スケジュール

オンラインで行われているものについて紹介します。

<ライブ配信をして、まだ見られるもの>
全国一斉フライングプラネタリウム#5
日食の話を含めました
https://youtu.be/G41wXa9WFVA

まゆたまと夜空の散歩
世界を舞台に活躍するまゆたま。軽やかな彼らの音楽で、銀河をバレリーナが舞いました。
https://youtu.be/6SYb0MrLVos

<今後のライブ配信>
7月7日(火)20時~
全国一斉フライングプラネタリウム#6  たなばたと天の川
https://hoshitsumugi.org/events/6206/
これと同時に、「FortuneStars! 星に願いを」プロジェクトはじめます。
ぜひ上記URLご覧ください。

7月11日(土)20時~
星つむぎの村無尽会 (村人向け)
今回のテーマは「お天気!」 気象予報士のあつしさんがお話します。

7月19日(日)午前10時~11時30分
星の寺子屋Vol.5
星の子たちとの活動の中で、病院でのフライングプラネタリウムのヒントが見つけられるといいなと思っています。
ZOOMによる開催です。

7月25日(土)19時~20時30分
宙先案内人と行く池田綾子 星の旅
https://www.keep.or.jp/yccca/info.html#20200625
無観客オンラインライブ配信です。事前申し込みが必要です。
池田綾子さんの自然とまっすぐに向き合う気持ちと澄んだ歌声と宇宙のコラボです。お見逃しなく。

7月31日(金)20時~21時
星のポエトリックオペラ
覚 和歌子さんと丸尾めぐみさん(お二人は、星つむぎの村の顧問もやっておられます)のコラボレーションライブ。
またサイトでお知らせします。

<特別なお知らせ>
覚 和歌子さんと丸尾めぐみさんのコラボレーションに、映像をつけたコンテンツ(星のポエトリックオペラでライブ配信したもの)を、覚さんの公式サイトの一部である「モモランチストア」にて、販売開始されました!
売上の一部は、星つむぎの村の支援にまわっています。
https://momo-launch.stores.jp/

他、
https://hoshitsumugi.org/join/
に掲載されますので、チェックしてください。

また、「フライングプラネタリウム」は、ご自宅などの天井いっぱいにうつすためのプロジェクターを貸し出して、特別な投影を行うこともできます。
また病院他、出張プラネタリウムの代わりにフライングプラネタリウムやっております。
ぜひお問い合わせください。
https://hoshitsumugi.org/

(高橋真理子)

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★星つむぎの村の最近の活動報告はこちらから!
〇星つむぎの村ウェブサイト  https://hoshitsumugi.org/
〇星つむぎの村facebook https://www.facebook.com/hoshitsumuginomura/
〇星つむぎの村のプラネタリウム https://hoshitsumugi.org/planetarium/
〇病院がプラネタリウムfacebook https://www.facebook.com/hospitalplanetarium/
〇スターラウンド八ヶ岳Webサイト https://star-yatsugatake.com/

◆お願い
村通信に写真、絵などを掲載したいと思っています。
星関係はもちろんですが、関係なくともこころに響いたり、ほっとするものでOKです。是非投稿ください!
news@hoshitsumugi.main.jp