6月の片桐プロジェクト

6月の片桐プロジェクト

※片桐PJ巡回プログラムとは21年度に引き続き、今年度も「片桐プロジェクト」を6月より実施しています。レポートが遅くなりましたが、6月の「片桐プロジェクト」は、函館病院と肥前精神医療センターで実施されました。

以下、いただいた感想です。(写真は今回のものではありません)

<函館病院>
入院中に七夕らしいことを経験させてあげられて嬉しかったです。星空がとてもきれいで・・いやされました。(保護者の方)
プラネタリウム自体はじめてで、とてもきれいで素晴らしい迫力でした。2歳の娘も4か月の息子も興味津々で驚きながら見ていました。

<肥前精神医療センター>

・普段、患者様は閉鎖的な環境で過ごされており、星空を眺めることが難しいため、上を見上げてゆっくりと星を眺める機会があってよかったです。また、そのような日頃体験できない機会をくださり、ありがとうございました。今回のプラネタリウムを通して、今後患者様が窓から夜空を見上げる様子が少しでも増えたらと思います。

・重症心身障害児者病棟の患者様にとって、30分間何かを見続けることは長いかもしれないと考えていましたが、星空の映像だけでなく星座の話があったり惑星が近くまできたりと映像に動きがあり、患者様も星を指さしたり掴もうとされたりと最後まで楽しまれていた様子が見られていました。短時間の参加予定だった方も落ち着いて鑑賞されていたため、最後まで参加することができていました。また、ナレーションの声も柔らかく落ち着いたトーンで聞き取りやすかったです。

・上映中、患者様が暗い空間で過ごすことでどんな反応を示すのか、また普段多動な様子が見られる方も参加されていたため、その方はどのような様子で過ごされるのか不安な面もありましたが、皆さん座って落ち着いて見ることができており、患者様の普段と違った様子が観察でき、とても嬉しく思いました。

・天井に投影できたことで、療育棟の天井全体に映像が広がり、迫力感や特別感が感じられ、スタッフも見入ってしまいました。可能であれば、天井投影時にレンズを絞れたら良かったです。

・天井と療育棟スクリーンに投影するものと2種類借用できたため、寝転がったり座ってみたりと患者様に好きな体勢で見ていただくことができ、とてもよかったです。

・星つむぎのコンセプトである『一緒に星を見た経験がきっと心の支えになる』は、患者様やスタッフともにその想いが通じたと思います。星を介して人と人を繋ぐ素敵な移動式プラネタリウムをありがとうございました。

・今回、普段なかなか見る機会が無かったプラネタリウムを体験するという貴重な機会をいただき、ありがとうございました。広いホール、高い天井でしたが、遮光を工夫し投影しました。天井いっぱいに広がる星ぞらの映像は大迫力で、患者様だけでなく私達スタッフも見入ってしまいました。綺麗な映像だけでなく、星や天体のお話もとても興味深く、一人一人の心の中に、それぞれの星の思い出ができたと思います。ありがとうございました。

☆☆☆☆

2021年4月から「すべての人に星空を―片桐PJ巡回プログラム」がはじまりました。国立病院の全国保育士協議会の会長をつとめられておられた片桐有佳さんが、20年12月、突然、星になってしまいました。大きな衝撃と哀しみは続きますが、片桐さんに大きな影響を受けていた保育士のみなさんは、彼女の強い意志を継ぐ、ということを口々におっしゃっています。
星つむぎの村は「病院がプラネタリウム」がはじまった年から、片桐さんには、大変お世話になってきました。彼女のおかげで、病院内で療育環境にある方々との出逢いがたくさんひろがりました。
彼女がいつもソラから見守ってくれるように、そのことを、みんなが感じてくれるように、彼女の「人々が当たり前に見上げる夜空を、利用者さんも見上げてほしい」という思いを継げるように・・そんな願いを込めてこのプロジェクトを始動しました。