日芸の学生たちから

日芸の学生たちから

共同代表の高橋は、山梨県立大(山梨大との連携科目)での一般教養科目として、「宇宙の科学」を担っている他、ゲスト講演として、いくつかの大学に呼んでいただくことがあります。
日大芸術学部学部長の木村先生には、10年近くお世話になり、6年間の講義以降も、ゲストとして呼んでいただいています。
木村先生自らが行う「サイエンスコミュニケーション論」に、ここ3年出させていただいています。今回も、学生たちからの力強いコメントがきたので、一部紹介します。
すてきな学生にあわせてくださる木村先生に感謝です。

★私は今日のスペシャル講義の中で、2回も涙が出てしまいました。

最初は、高橋さんの「これまでやってきたことだけは、確かなんだ」という言葉です。私も、大学院時代の高橋さんのような感情を、4年生になってからずっと抱いていて、「私にしかできないこと。本当に私がしたいこと。私に何ができるのか。」ずっと、この先の未来の自分の姿を考えていました。

でも、広い世界に出て、沢山の人との出会いや、そういう存在を知ることを通して、どんどん、自分の見ている景色が全てではないことや、自分の至らない部分を実感し、自分の考えや選択に自信が持てなくなっています。自分よりもすごい人が沢山いる。その中で、自分の乗り越えてきたこと、長所なんて、なんてちっぽけな事だろう、と思い、どんどん自分のことが、分からなくなっていきました。

今日、高橋さんの言葉を聞いて、自分は自分でいいんだと思えました。私は私なりに、この4年間、葛藤して、1人でも、確実に乗り越えたものがあるし、それが何かはハッキリ言えないけれど、色々な考えを受け入れられるようになった。強くなったのだ、と発見でき、こころがスッとしました。

2回目は、プラネタリウムを見た時です。すごく昔の小さかった頃の暖かい記憶が蘇りました。私は、高橋さんのお話してくださる声や説明の調子から、母の絵本の読み聞かせを、とても感覚的に思い出し、涙が溢れてしまいました。プラネタリウムを見ながら、母の優しい姿が浮かんで、胸が暖かくなりました。

こうやって、きっと、誰かの記憶を繋げてくれる存在にもなるんだなあと感じました。

実は、私も、「つたえることで、つなげたい」という信念があります。これは、上記のように、自分自身に向き合いながら、気づいたことです。私は、特別な技術や専門の知識はないし、気が利くわけでもないけれど、人に寄り添える、受け入れることができる。そして、何かを見て、触れて、感じることができる。これは、私にできることだと思いました。そして、そうやって敏感な人間は、気づいたこと、目を向けたことを、伝えるという使命があると感じます。その、伝える、そして繋げる方法について、ずっと考えてきました。今日、高橋さんの活動やお話を聞いて、同じような事を考え、その方法として、プラネタリウムという存在があると知ることができ、自分にとって大きな発見となり、前に進むきっかけになりました。ありがとうございました。

★高橋さん今回はありがとうございましたメモをとりまくった90分間でした。「幸せになりたい(したい)」という根源的な目標を自然(星)という唯一無二で、誰しもが思いを馳せることができる物体にフォーカスし、プラネタリウムや歌という形それを一般の方のみならず、病院でがんばって闘病されている子どもたちにも伝えようとする活動には感銘を受けすぎました。こんなステキな活動の裏には絶え間ない努力があるのだなと容易に想像できました。
(中略)
「星つむぎの村」を設立なされ、現在にいたるその一種の物語は「生きる」「幸せ」「宇宙」「星」「永遠」…人間が追求すべき事象すべてを体現されている気がした。ほんとうに心に残る講義でした。

★私も大学 4 年生で人生の岐路に立たされているので是非高橋さ

んの生き方を参考にさせていただきたいと思います。また今回のプラネタリウムを観て、

美術館で歴史的なものを観た時と同じ感覚を得ました。木村先生もおっしゃっていました

が星を見るということは、過去を見るということで、普段私は下を向いている人間なので

星を見ることが全くないですが今回の講義で、星を見ることは過去の人と繋がれる神秘的

行為だと感じました。

 

★「星を見ることが自分たちの生命を、歴史を見ることだ」という言葉に、今まではただ「綺麗だ」という思いでしか星を見たことがなかったため感銘を受けました。この世界に生きている人たちが共有できる唯一の誕生日なのだと気付くことができました。また、「星はどんな人の上にも在る」という言葉が、うまく言語化できませんが、何か救われたような気がして、心が少し軽くなったような気がして、とても好きでした。

これからは今までとは少し違う視点から星を眺めることができそうです。これからの人生がまた少し楽しみになりました。

 

★「自分が自分で好きでいられる自分を思い出した」という言葉にハッとした。自分

も今、就職先が決まらず、焦って、周りと比べて、コロナという状況になって以来気持ち

もどこか停滞したままで、目の前が真っ暗な気持ちになっていた。しかし、自分が自分で

好きでいられる自分を考えると、まだこんなに前向きに生きられる力があったんだ、と気

付かされた。最後のプラネタリウムの映像を観た時、高橋さんが紡ぐ言葉の一つ一つや、

音楽の力も合わさって、より宇宙に近づき、その中にある地球、その中にいる自分と言う

存在を感じることができた。

「私の身体が星の欠片で出来てるなんて知らなかった」という言葉、なんて綺麗で

素敵な言葉なんだろうって思った。星空が見れない人がいるということを、あまり考えた

ことがなかった。自分が今星空を見上げることができるということも、当たり前じゃない

んだな、もっと星が沢山見える場所に行ってみたいと思った。

★全盲の方が友達と富士山に行った際に、友達が星が綺麗で興奮し全盲の方はその反応を見て、星の綺麗さを感じた。感じることが体験になったと、お話ししていたことがとても印象に残りました。このお話は全ての人に言えることであり、周りにいる誰かが感動したり悲しんだりすると、自分の中の感じ方も変わるなぁという新たな発見をしました。

★去年、とあるプラネタリウムに行ったときに、私が期待していた星の説明や専門的な話ではなく、シアター形式で謎の人物のストーリーに焦点を当てた星が主役ではないプラネタリウムですごく悲しい気持ちになったのを思い出しました。

でも、今日特別講義の中で高橋先生が解説しながら見せてくださったプラネタリウムは幼い頃に感動しながら見上げていたあのプラネタリウムと同じですごくワクワクして星の世界に浸ることができてなにか星が人に与えるエネルギー(?)のようなものを実感することができて本当に楽しかったです。

いままで漠然とサイエンスにまつわることを仕事として探っていけたら、、と思っていましたが、今日の講義を聞いて星に関係する仕事を探してみたいなと思えて、新しく自分の中で選択肢が広がったように思えました。