県立支援学校岩沼高等学園にて
以下は、この学校の教員で、かつ星つむぎの村の村人である熊谷さんのレポートです。先日の地震ではこの学校関係のみなさんも被害があった方々がいたと聞いています。1日も早い快復お祈りいたします。
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宮城県立支援学校岩沼高等学園にて、2月28日(月)、3月1日(火)、3日(木)の3日間で計8回のフライングプラネタリウム投影を行いました。
コロナ禍で、短縮授業の実施や時間割が変動する中、直前での中止もあり得る状況にハラハラしていましたが、なんとか時間を確保する事ができ、計100名ほどの生徒、20名ほどの先生にプラネタリウムを見ていただく事ができました。
【投影期間に改善を図ったこと】
・投影1回目のクラスでは、反応の盛り上がりがすごく、スピーカーの音を最大にしても真理子さんの声が聞こえづらいほどだったので、2回目からは学校のマイクをスピーカーに近づけ、音量の調節を行いました。
・画面酔いしやすい生徒がいたため、どの方向で寝そべれば回転など違和感なく見られるかを事前に確認し、その生徒には頭の向きを指定しました。結果、最後まで感動しながら見てくれていました。
【投影中の生徒の様子】
・目を瞑ってのカウントダウン前は星があまり見えないので、「なんだよ全然見えないじゃんか」とご機嫌斜めの生徒がいましたが、私はそれを見てにんまり(笑)。「今から見えるから期待してて〜^^」と伝えて、カウントダウンが終わると・・・「すげ〜〜〜!!!」と目をキラキラさせていました。
・カウントダウン後の星空、星座が一面に描かれる場面では、どのクラスでも、心の底から息が漏れているのが分かる「わあ〜」という声に包まれます。頭、心、体全ての興味と集中力がこんなにも一致する時間こそ、教育現場に、そして今の社会に、なくてはならないものだと感じました。
・青く美しい地球が現れる場面では、「地球ってこんなに綺麗なんだ」「俺たちってここにいるんだよね?」「ロシアとウクライナだ」などの声が聞こえました。自分たちがいる地球の姿を見て、その美しさと、『国』『人種』などという単位では語ることのできない何かを感じてくれたように思いました。
・火星が迫ってくるところ、木星が通り過ぎていくところでは、手を伸ばして楽しんでいる生徒もいましたし、「人間数人が頑張ったところで押せるわけないじゃん」と、冷静な分析を発揮する生徒もおり(笑)、反応が様々で面白かったです。
・惑星の軌道が描かれるところでは「蚊取り線香みたい!」、銀河が出てくるところでは「ふわふわしていて綿飴みたい!美味しそう〜」と、創造力溢れる生徒がおり、まさに個々の感性が見られる場だなと改めて感じました。
――その他聞こえてきた声――
・投影中の女の子2人の会話:「なんか、これ見てるとちょっと性格良くなってきてる気がする〜」「分かる〜浄化されるよね」
・「宇宙ってこんなに広いの?こんなに広いなら地球って本当に点だね」
・「地球の外ってこんなに綺麗なんだ」
・「1日の授業ずっとこれがいい。」「人生最後の日、何食べたいかな」
――真理子さんのファンクラブ――
・投影の最初にある真理子さんの自己紹介。「真理子さんって呼んでくださいね〜」の後に、真理子さんコールが鳴り止まない男子オンリーのクラスがありました。星座のお話の時には「真理子さんは誕生日いつ〜?」と空に向かって声を上げていた生徒がいたので(3月1日の回)、「そうそう、真理子さん昨日がお誕生日だったの〜」と伝えると、またしても「真理子さーん!おめでとーう!」と複数の生徒からの祝福の声があがりました^^。
・そのクラスの一人、高校1年生のTくん。宇宙がとっても大好きなようで、先読みして次々に星の名前を説明し始めました。投影後、「真理子さんと宇宙について語りたい。火星の今後について議論したい。来年は会えますかね?星つむぎの村ってどこにあるんですか?山梨に行きたい!」と目をキラキラさせていました。「真理子さんに会えるように、校長先生に交渉してみるね!がんばるね!私もね、山梨に行きたくて一人旅したことあるの〜」と伝え、パンフレットを渡すと、嬉しそうに担任の先生に自慢していました。来年は真理子さんに会わせてあげられるといいなぁ。
・体調不良で、予定していた投影に出席できなかった2年生のAさん。放課後に特別投影を行いました。「見られてよかったです!ありがとうございました!真理子さんってどんな人ですか?会ったことありますか?話してみたいな〜」と、投影後には柔らかい表情になっていました。ぜひこの子にも、来年は真理子さんに会わせてあげたいなと思いました。
――生徒たちが書いた感想から――
・ガチレベルのプラネタリウムでおどろきました。きれいでした。
・リアルで本当に宇宙空間まで行って何万光年までのきょりを行った気分でした。宇宙旅行に行った気分です。
・とてもきれいでした。たくさん笑いました。
・地球にいる自分たちがあるのは星が関係していることや、星の中で冬の大三角形などいろいろなことを学びました。
・まるで宮沢賢治の銀河鉄道に乗っている気分でした。感動して、涙が心から出そうです。また見たいです。
・宇宙の奥はこうなっているんだなと思いました。1番気になったことは、宇宙の奥は終わりがあるのかということです。
・空を見るときれいな星がたくさんあって、宇宙から地球を見るととても小さいなと思いました。
・プラネタリウムを鑑賞してみて、宇宙が思っていたよりすごく多かったのでびっくりしました。私たちが普通に生活しているのは、地球が支えてくれているんだなと改めて感じました。
星空がとてもきれいで、最高に輝きを感じました。いろいろな星々が沢山あって、とても素敵です。また、宇宙最大の光は太陽で、僕たちも太陽みたいにとても明るくいたいと思いました。
・天井に映る大宇宙。無限に広がる彼方。それらの美しい星々を見ていると、自分の悩みが小さく感じ、浄化される気持ちでした。
【投影後の様子】
・気持ちの波が激しく、反抗することで自分を保っているようなところがある3年生の男子生徒。その生徒の1番の相談役になっている女性の先生が、投影後その生徒に「病んだら天文台だな!これを覚えておいて休日に天文台に行くと良いかもね!」と言っていました。この生徒は、卒業して来月から就職するため、この先生が毎日お話を聞く事ができなくなるので、そういった心配の気持ちも含めて言っているように感じました。
・その女性の先生が次の日、「YouTubeいくつか見ました。本当に素敵な活動ですね。真理子さんの投影はどこの天文台に行けば見られるんですか?」などと、大変感動してくださいました。
・最後の回に、校長先生もいらしてくださいました。想像していた以上に、いのちに関するメッセージ性の強いプログラムに感動してくださったとのことで、「ぜひ来年もやりましょう。うまく調整できれば、ぜひ直接いらしていただきたいですね。」とおっしゃってくださいました。
★最後に
私自身、高校2年生の時に初めて真理子さんのプラネタリウムに出会い、精神的な部分でたくさん救われてきました。それを今回こうして、自分が出会った時と同じ年齢である高校生に、実施する立場として星を届けられたことが、とても感慨深く、そして不思議な気持ちです。星つむぎの村の活動を通して、今日をちょっとだけ良い日にしていこうと思える人々が増えたら良いなと思います。そして、星を見上げることで自然を全身で感じ、創造性という名の思いやりの世界が広がっていくことを願います。