長崎病院にて

長崎病院にて

今年4月から全国の国立病院機構を巡回している「片桐プロジェクト」の一環として、6月に実施された長崎病院さんから、丁寧なアンケートなどが送られてきましたので、あらためてご紹介させていただきます。
1週間の間に、27回の上映、94名のみなさんがご覧くださいました。

<利用者さんのようす>

・興味を持たれてじっと星空を見ている方、(アナウンスにあった)目隠しや火星を飛ばすなどを支援者と一緒に楽しんでいる方、星空や惑星の動きを追視されている方、天の川の場面では「たなばた」の歌など知っている歌を口ずさんでいる方、徐々に気持ちよさそうに入眠される方などがいた。普段見ることが難しい映像に笑顔もたくさん見られた。

・不思議そうな表情だったり、真剣な表情で天井を見ていたり利用者に寄り添って一緒に見ていると、ギュッと抱き着いてきたりと様々な様子が見られた。

・目が見えない方であったが、カウントダウンの「0」になったタイミングでウインドチャイムを自ら鳴らしたり、穏やかなBGMに微笑んだりされていた。

・過去に科学館でプラネタリウムを見たことがある方は「天井に星空が映りますよ」と伝えた途端、満面の笑みでわくわく感を感じていたようだった。自分たちがいる地球を客観的に見る機会が少ないためか「〇〇さんがいるのはこの地球ですよ」「どの辺りかな?」と伝えたり、問いかけたりすると自分と地球が繋がったのか興味津々であった。

・理解できる方は集中して視線を向けられ、理解が難しい方も惑星の動きを追視する方がいた。

・12星座の話で、利用者さん自身の星座を見つけた時は嬉しそうだった。

・暗い部屋が「怖い」と言われる方もいたが、実際に映像が始まると天井を見上げたり、上映内容に合わせた星の会話を楽しんだりされていた。

・天井に星座が出ると目を大きく開いて見られていた。

・動きのある星座や惑星に驚かれたり、目で追ったりする姿が見られていた。

・視覚障害の方も心地よいナレーションの声に穏やかに過ごすことができていた。

・木星、土星などの場面では、大きな惑星に視線を向けたり注視されたりする利用者さんが多くいらっしゃった。

<スタッフのみなさんの感想>

・プラネタリウムで、星や宇宙だけでなく命のつながり、大切さをスタッフも利用者さんたちと考えることができました。美しく楽しいプログラムを利用させていただきました本当にありがとうございました。

・今回は夜空、星空、惑星がメインで、他にもいろいろな空を見たいと思いました。

・プラネタリウムを見る機会が少ないため良い経験になりました。

・待ちに待ったプラネタリウムを利用者の方と見ることができ感動しました。星空は全ての人に平等に広がっているのだと感じ、これから保育士としてすべきことやその道を照らしてくれました。

・自分もプラネタリウムに行く機会が少ないため利用者の皆様と楽しませていただきました。星の時期も現在に合わせてもらっていたので、他の時期のバージョンも見てみたいなと思いました。ありがとうございました。

・星座の話から生命誕生まで心に響くお話や映像をありがとうございました。私達も初めて知る内容もあり、病棟で何回投影しても毎回楽しく拝見させていただきました。親しみやすいナレーションの声にも癒されて素敵な時間を利用者、スタッフ共に過ごされていただきました。私達も利用者の心に残るように計画を頑張ってつくっていきたいと改めて感じさせていただきました。

・天井いっぱいのプラネタリウムを鑑賞できたというのは、貴重な体験でした。

・利用者さんだけでなく、スタッフも星座に関する話などとても興味深く、楽しく鑑賞させていただきました。

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この「片桐プロジェクト」では、多くの利用者さんに楽しんでいただくことはもちろん、全国保育士協議会の会長をつとめられていた片桐有佳さんの遺志をつなげる目的を同時にもっています。そこで、「思い出ノート」というノートを一緒にいれていますが、あちこちの保育士さんたちが手書きで、心込めて書いてくださって、それにも感銘をうけます。今回、長崎病院の保育士さんが書いてくださったことが、またとても心に響き、ご了解得て、写真掲載させていただきます。