アンリーシュさんと

アンリーシュさんと

 7月9日日曜日、大阪中ノ島中央公会堂で開催されたアンリーシュフェスでの天井投影がありました。TOOTHFAIRYチャレンジキッズプロジェクトの一環です。
アンリーシュさんは、医療的ケアを必要とする子どもたち、家族たちが、自分らしく生きることをミッションに活動している団体。全国から集まるメンバーたちを大阪で迎え入れる!というそれだけで、ほんとうに一大事業だったと思います。はじめての対面交流イベントで、私たちを呼んでくださったこと、とても嬉しいです。以下、レポートは大澤さんです。

 真理子さんと、ゆきちゃん、まさじいさん、そらりさん、りゅうさん、そして私が参加しました。真理子さんの指示や、動きをみながらのお手伝い。まさじいさんとそらりさんは、みなさんがゴロンと横になるためのマットを近くのホームセンターに買いにいく、という場面も。灯りを消して、遮光が必要な場所は遮光していきます。
準備が整ったところで、お出迎えしてゆきます。10組ほどのご家族が参加されていました。ゆきちゃんが、お子さんの呼び名と、お誕生日を確認してゆきます。私は誕生日から星座を調べてゆきます。アンリーシュのスタッフの方が、「それぞれの名前や星座を呼んでくださるようなご配慮うれしいですね」と言ってくださり、「この方のお誕生日聞かれていますか」と声をかけてくださったり、と気持ちを寄せていただいて有難かったです。

 一段落して、近くのご家族にお話を伺っていると、お母さんとお姉ちゃんは、前日から大阪入りし、お父さんと、車椅子のお子さんは、今日東京から新幹線の個室で来られたとのこと。新幹線でお子さんが興奮してしまい、お昼がとれなかったのです、と栄養剤を入れておられたお父さんです。「弟の結婚式にも大阪に来ようと思っていたけれど、この子の体調が悪くなって、行けなかったのです。今回がこの子にとっての初めての大阪です」と言っておられました。この催しを楽しみにしておられたことが伝わってきました。大勢の人がいるので、ちょっと怖くて泣いてしまっている子どもさんも。お父さんとお母さんの間で、なんとなくもぞもぞしていたお子さんに「星見ようね」と声をかけるとお母さんが「きらきら見ようね」とお声をかけておられました。

はじまるまでの時間に、小さな音の鳴る鳴り物づくりを楽しんでおられました。
デリソフターの会社の方も来られていて、合間に皆さんに、ブロッコリーや、から揚げなどをデリソフターで調理したものを食べさせてくださいました。形はそのままなのに、やわらかくてびっくり。いろんな可能性を感じました。会が始まりました、今日は、あるお子さんとお母さんの密着取材のカメラも入っていたのでした。無理なくカメラをとっておられましたし、カメラスタッフの方がデリソフターの試食を配ったり、とその場で必要なお手伝いを自然になさっている姿が印象的でした。
挨拶が終わり、お母さんご自身のギターと歌のミニコンサートがありました。さっき作った鳴り物や、星型の飾りで、みんな楽しんでおられました。何度も入退院を繰り返されるお子さんと共にいらっしゃる中で音楽も支えに続けておられたとのことです。

 休憩が終わり、投影が始まります。ヨギボーに寝っ転がる子どもさん、マットの上にゴロンなのはお子さんや、お父さんお母さんの姿も。「良かったら寝転がってくださいね」と真理子さんが何度もやさしく勧めておられたのでした。
みんなで合図して、真っ暗にするつもりが、勝手のわからないスイッチに戸惑って、また全開に明るくしてしまった私の恥ずかしいハプニングも。今回は、医療的ケアの必要な子どもさんに暗くなってから使っていただけるように、と懐中電灯のご案内もすることができたのですが、使われるご家族はいらっしゃいませんでした。
誕生日星座のところでは、ゆきちゃんが名前を呼び、真理子さんがフォローしてゆかれました。なんとなく落ち着かなかったあるお子さんは、自分の名前が呼ばれてから、天井の投影に集中する姿も見られました。天井には少し段差があったり、くぼみがあったり、と万全な状態ではないのですが、満天の星空が現れた時には、みんなが歓声を上げていましたし、火星が迫ってきたときも、押し上げる時も楽しそうでした。土星の輪に手を伸ばしているお子さんの姿も。銀河の果てまできて「私たちはみんなおんなじ誕生日をもっている」のお話のあたりには、なんとなく会場全体が、しんとその意識の中に包まれていくような感じがしました。私自身もやっぱり涙が出てくるのです。ご縁あり、ここで一緒に観ている皆さんが愛おしいような気持ちになったり、本当に生きとし生きるものが、愛おしくなるような、そんな気持ちになっての涙でした。
投影が終わりました。少しずつ会場の灯りを明るくしてゆきます。

 一人のお母さんが、「本当にクオリティーが高いですね。音楽も映像も素晴らしいです。この子いつもはずっとスマホの動画をみてばかりいるのですが。プラネタリウムの時はしっかり上を向いてみていました。子どもに見せることができて良かった」と興奮気味に話してくださいました。
ヨギボーに横になっているお子さんもなんとなくにこにこしているので、お子さんとお母さんにお声をかけると、「この子、暗いの怖がるはずだったのですが、プラネタリウムの間はじっと見てました。最後ちょっと泣きましたけど」とにこにこしておられました。
東京から来られていた車椅子のお子さんも、穏やかな表情をしていました。お母さんが「良かったです」と言ってくださいました。

 そんなお声を聞きながら、撤収作業を終えました。会場の皆さんはこれから茶話会があるのでした。きっと皆さんが集まってのお話はきっとご家族同士にとっても貴重なのではと思いつつ、その場をあとにしました。
雨はまだ降っていませんでした。関西チームならではの、くすっと笑えるような集合写真をとったあとに土砂降りの雨が降ってきたのでした。
今日集まられた皆さんが無事に帰れますようにと思いながら帰路につきました。
みなさんに星の世界を楽しんでいただけて本当に良かった、と小さな幸せが満ちてきました。