星つむぎの村通信 -No87- 2023.1.7発行

星つむぎの村通信 -No87- 2023.1.7発行

新しい年。
みなさんはどのようにお迎えでしょうか。
今年こそは、大きくは地球規模で、そして私達の身の回りで、落ち着いた日々が送れることを切に願います。
最近、木工おもちゃに関心を持つようになり、先日、近くの工房にお邪魔しました。


とてもかわいいものがたくさんあって、製作者の方とお話しながら作品を拝見することで、とてもゆたかな時間を過ごすことができました。
おかげさまで、今年は、まずまずの滑り出しだと 思わずニンマリ。
それでは、星つむぎの村通信 87号をお届けいたします。今回も、お楽しみください~
*今回は、新年増刊号も! そちらもご覧ください!

(仲道正恭)

<星空俳句>

  木星と 火星君臨 冬の星

新年が明けました。みなさまそれぞれによいお年をお迎えのことと存じます。
こちらは、野辺山・清里まで行かないと雪がなく、道路には埃がたっており、いつもの冬のような厳しい寒さがまだ来ていないような気がします。
小淵沢の身曽岐神社に初詣に行ったところ、例年凍っている池が凍らず、波が立っておりました。
車のフロントガラスも凍ったのは元旦だけでした。
こんな時節、連日晴れて、星も見えています。
明るい火星と大きな木星が目立っています。
もう少しすれば南極老人星カノープスが見頃になります。そんな風景を詠みます。

2023.1.2 (青りんご こと 齋藤泰文)

 

===========目次===========
1. 今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3. 活動報告 -復興応援ー
4. 村人投稿
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1.今月の星空紹介

1月の空には、冬の一等星たちが輝いています。
例えば、
オリオン座のベテルギウス、おうし座のアルデバランと赤味がかった星。
その近くに、
あれ?他にも明るい赤い星?
そう、火星も忘れてはいけません。
群雄割拠の空の宝石箱にひときわ輝く地球の兄弟星。
他にも、金星、木星、土星と、たくさんの惑星が夜空を彩っています。

冬至を過ぎた空の季節は段々と春へ向かっていき、他方、寒さのピークはまだこれから。
天体観測に出かける際はどうぞ温かくしてお過ごしください。

(にっち こと 谷口加奈子)

2.宇宙小話

ある日ラジオの番組で、盆栽用の鋏職人の方がインタビューを受けておられました。
祖父の代から作られている鋏は、世界中の多くの盆栽愛好家に使われているのだそうです。
この七十代の名工の話は興味深く、こんな世界もあるんだなと聴き入ってしまいました。

インタビューもほぼ終盤。
この方の左目がいつ頃からか見え辛くなってきた、という話に。
「車のテールランプを見ると三つになってたりとかですね、お月様が三つになってたりですね。
で、星が、ほとんどが昴になっちゃってて、おかしいなって思ってたんですけど・・」

え?スバル??
つまりピカリと一つの光であるはずの星が、数が増えて見えてしまうという困った状態になったということなのですが・・、それイイよ!わかるよ!と、ちょっと興奮してしまいました(笑)
少ししわがれた声で淡々と話される鋏や刃物の世界から、いきなり「お月様」と「星」が出てきたうえに、さらりと「昴」と表現しちゃうセンスに私の心がぴゅいーっと掴まれてしまったのです。
いや、この場面では不謹慎、なんてどこかで思いつつも、受け取る側は勝手なものです。

結局、病名は過熟白内障というものだったとのことですが、幸い手術をされて快復。
落ちていた「視力も100倍になっちゃった」んだそうです。

「お月さんも一つになりましたし、ほいで星も一つになりましたですしね。
で、月も非常に青く見えるようになりましてね。」
うんうん。めでたく一つにおさまって、色までついて思わずニンマリ。
私の心はすっかり満月になっていました。

                          (河村和栄)

3.活動紹介 -復興応援ー

今回は、2022年に実施した復興応援の活動紹介です。
(この活動は、2011年の東日本大震災の年から続けています)
2022年10月1日(土)、2日(日)に宮城県名取市閖上(ゆりあげ)と石巻市震災遺構大川小等を3年ぶりに訪れました。
(去年と一昨年は感染拡大のため、オンライン講演会を行いました。
今回はスタッフ全員の検査を行い、感染対策を踏まえて行っております。)
星を見上げることで心も上向きになって欲しいと願う復興応援の活動。
参加した村人のうち二人の感想から、現在のご遺族の想いや現地の空気感等、「実際に肌で感じた東北」を皆さんにお伝えします。

ゆかこさん
(遺族会代表の)丹野さん、鈴木さんのお話は、複数回聴いていますが、毎回深く心に沁みます。
4年ほど前、丹野さんは、「まだ外に出て来られない、語れない人たちのために、閖上の記憶はずっとあけているんです。
同じように、プラネタリウムも毎年来てほしい、それが、いつか語る人がでてくることを待つことだから。」とおっしゃっていました。
今、その方達はどうなっていらっしゃるか。語ることができているのか。お聞きすればよかったと後悔しています。
年月が経ち、震災を知らない子ども達がプラネタリウムを観に来るようになりました。
被災者に寄り添う、辛い体験を語れない人が語れるように待ち続ける。
それに加えて震災を伝えるという、もう一つ重要なことが加わった今。
星つむぎ村で伝える内容も変わってくると思いました。
また、大川小学校のこども達は、ほんの少し違っていたら助かったはずの命達です。
大川小学校のご遺族の方の無念さは、いつも深く心に刺さります。
だからこそ、もうこんな思いを人がしないために伝えていきたいという鈴木さんの強いお気持ち。私達も忘れない、伝えて行く。この強い意志が、東北での星つむぎの村の活動の源だと思いました。

沼 光博さん
復興応援プロジェクトに参加してから2年間は現地に伺うことは叶いませんでしたが、オンライン講演会で閖上の記憶の丹野さん、大川伝承の会の鈴木さん、佐藤さんのお話を聞き、震災で大切な家族を亡くされたことへの深い悲しみ、そして同じ悲しみを繰り返さないために活動を続けてこられたことへの想いについて触れることが出来ました。
参加した当初は、「私は被災地のために何が出来るのか?」を考えていましたが、オンライン講演会に参加することで、まずは皆さんの話を聞き、考えを受け止め、理解することが大切だと考え方が変化していきました。
昨年丹野さんから、日航ジャンボ機墜落事故「8・12連絡会」の美谷島さんとの出会いについてお聞きし、大切な人を失った悲しみと向き合うことが出来るようになり、今の活動につながっていることを知りました。
「悲しみでつながるご縁」という言葉も、はじめは理解出来ませんでしたが、大切な人を失った遺族を支え、支えられていく上で大切な言葉と理解出来るようになりました。
初めて訪れた閖上でのプラネタリウム、たくさんの子供たちが賑やかに走り回り、「いつもと同じ」雰囲気でプラネタリウムや星空を届けることが出来ました。
そして閖上の記憶で再び丹野さんのお話を聞き、また小中学校の慰霊碑に触れることで、閖上の皆さんとつながることが出来たことを実感しました。
柳田邦男さんの記事で詳しく紹介されていた遺族会の佐々木さん、今回はお会いできませんでしたが、閖上の記憶に展示されていた聖火リレーの写真、やさしい眼差しが印象的でした。
翌日の大川小学校では震災遺構として残された校舎を前に、鈴木さんのお話を聞きました。
目の前の校舎で子供たちが遊ぶ様子、笑い声が聞こえてくるようで、涙が止まりませんでした。
鈴木さんのお話は失われた子供たちを想う温かい気持ちと、子供たちの命から我々が何を学ぶべきかを伝えようとする力強さが心に残りました。
私の活動参加は、初めての訪問でやっとスタートラインに立てた感じです。
これから星つむぎの村の一員として、被災地に何を学び、何を届け、何を伝えていくかをこれからも考え続けたいと思います。
同じ想いを持つ仲間とこの場所で気持ちを共有することが出来ることが何より幸せです。

(ほしむすび こと 田中真理)

4.村人投稿

今回は、「冬」を感じられるものから星座?まで。お楽しみください。

(1)冬

 「白い惑星」
2022.12.30 長野県 北横岳(北八ヶ岳) Kei こと 田中敬吉

「白さを競う月」
2022.12.30 長野県 北八ヶ岳 坪庭にて Kei こと 田中敬吉

(2)星座たち?

「うお座…かな?」
2022.12.5 新潟県柏崎市 つかまり こと 塚田真理子

「ふたご座流星群」
2022.12.16 山梨県北杜市 マエゴロウ こと 前田悟郎

(3)冬の星座

星座名あり と 無し を掲載。 さあ、星座を見つけられますか?

「冬の星座たち☆」
2022.12.23 山梨県北杜市 立岩優子

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