星つむぎの村通信 -No84- 2022.10.10発行

星つむぎの村通信 -No84- 2022.10.10発行

10月になった途端、暑かったり冷え込んだり 忙しい日々となりました。
みなさん、それぞれどのように秋を感じていますか?
そして、その感じたものをどのように表現しているのでしょうか?
俳句? 絵画? 詩? 写真? 音楽?・・・
思いを巡らすとたくさんの表現方法があるのですねぇ。
そして、外でなくても自分自身のこころの中で表現することもできます。
さらに言えば、なにも表現しない、という感じ方もあるかも!
いやぁ、感じる、表現するっていうだけでも、こんなに思いをめぐらすことができるんですね。
こんなことに思いを巡らすことができるなんて、やっぱり、秋の夜長は楽しい!
それでは、星つむぎの村通信 84号をお届けいたします。今回も、お楽しみください~

(仲道正恭)

<星空俳句>

銀漢の なかにわれ居る 星見かな

*銀漢:ここでは 天の川 のこと

台風が毎週のように接近し 各地に大雨をふらせ、あれだけ暑かった夏も 9月末にがらっと気候が替わり、すっかり涼しくなりました。
「天高く馬肥ゆる秋」が、まさに到来した感じです。
新型コロナウィルスのほうもようやく落ち着いてきたのか、いろいろなイベントも復活しはじめています。
10月1日に野辺山で星案内をしました。
この日は月齢が5日でさほど明るくなく、天の川も明瞭に見え素晴らしいコンディションでした。
久々に ”天の川の星のなかに吸い込まれる” ような気持ちになりました。
そんな情景を詠んでみました。

2022.10.5 (青りんご こと 齋藤泰文)


銀河中心
2022年10月1日 山梨県北杜市 青りんご こと 齋藤泰文


獅子岩からの夏の大三角
2022年10月1日 山梨県北杜市 青りんご こと 齋藤泰文

 

===========目次===========
1.今月の星空紹介
2.宇宙小話
3.村人だより -村人登場!ー
4.村人投稿
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1.今月の星空紹介

10月の満月はハンターズムーン(狩猟月)・・・長い冬に向けて、肉を蓄えるための狩猟が始まる月になります。
だんだん夜が長くなり月が明るく輝くこの時期、穀物の収穫を終えた畑を照らす月がキツネやシカの存在をわかりやすくしてくれるそうです。
他にはトラベルムーン(移動月)という呼び名もあるそうなので、いろんな場所に旅をして秋の夜長の星見もいいかもしれませんね。

夜空を見上げてみると秋の星座たちが拡がっています。
カシオペア座、ケフェウス座、アンドロメダ座、クジラ座、ペルセウス座、そしてペガスス座。
明るい1等星こそありませんが古代エチオピアロイヤルファミリー物語に登場する名優たちです。
この名優たちを見ながら、それぞれに考えた星語りをしてみる秋の夕べはいかがでしょうか。

この時期の星空散歩は、秋の四辺形…ペガスス座から探してみてください。
そういえば春、夏、冬は三角で、秋は四角(四辺形)ですが・・・今年は明るい秋の三角形があります。
それが木星、土星、フォーマルハウトが描く期間限定スペシャル三角!
宙があまり暗くない場所でも見つけられるので、皆さんのお住まいの地域でも探してみてください。

★これからの星空トピックス
10/21から22日にかけてオリオン座流星群が極大を迎えます。
日本人のほとんどが知っているあの形、言わずと知れた冬の星座の代表者です。
オリオン座流星群の母彗星はこれまた有名なハレー彗星。そしてその放射点は冬のダイヤモンドの中にあり、なんともスターな流星群!
10/10くらいから出現し、月末くらいまで見えるそうですが、数や規模は意外と地味で極大あたりでも1時間に5~10個程度とか。
秋が深まる季節なのでしっかり防寒対策をしてスターな流星群観測をしてみてはいかがでしょうか☆彡

(やすえみか)

2.宇宙小話

和尚さんと八っつぁんの星空道中 9
和:和尚さん、 八:八っつぁん

(八っつぁん、今晩も、ドタバタとやって来ましたよ。何があったんでしょうね?)
八:和尚さん、こんばんは。久々に星空が広がってますよ!すごくきれいですぜ。和尚さん、早く見ましょう!!
和:そんなにせかすな。どれどれ? いやぁ、これは、これはホントに素晴らしい。久々に満天の星空じゃ、きれいに見えておるのう。
八:和尚さん、今、ちょうど真上に見えているのが「天の川」ですよね。天の川って、こんなにはっきりと見えるんですね。
和:おー、八っつぁん、良く気が付いたのう! そうなんじゃよ、夏から秋にかけて、宵の頃の天の川が一年で一番きれいな姿を見せてくれておるんじゃ。
八:和尚さん、天の川は良く分かるけど、星座もきれいに見えているんですよね?
和:うむ、星座もきれいに見えておる。八っつぁんは、どんな星座を知っておるか?
八:へえ、すぐ忘れてしまいやすが、有名な「オリオン座」とか「さそり座」、「北斗七星」とか分かりますよ。
和:北斗七星は星座ではない。「おおぐま座」という春の星座にある、ひしゃく形をした7つの星の並びをそう呼んでおる。
そう言えば、この前、八っつぁんから「暗い星ばかりの星座があるのはどうしてか」という話があったのう。どうしてかは今でも分からんが、古代の人たちの想像力が作り出した創造の世界であることは間違いない。明るい星や特徴のある星並びがあれば、そこに絵を描くことはまだたやすかったんじゃろうが、どうも絵と絵の間に隙間ができてしまう。そこには暗い星ばかり。しかし、古代の人々はこれにめげず、その隙間の暗い星たちの中にも創作の手を伸ばしたんじゃないかのう?
八:なるほど、和尚さんのひらめき話、また出ましたね。
和:わっはっはっは。言われてしまったのう。しかし、暗い星ばかりのところにもたしかに星座があるし、ホントのところ知りたいものじゃな。
しかし見方によっては、暗い星たちばかりのところにも星座が描かれているからこそ、星座の世界がより魅力のあるものになっておるんではないかな。わしは、そう思っておる。
八:そうですよね。何にも無い隙間より、そこに星座があった方が、きっと星空への探求心が高まるんじゃないですか!!
和:探求心か?難しい言葉知っておるの。わしも、そう思う。
ところで、八っつぁん、星座はいくつあるか覚えておるか?
八:へー、地球の裏側まで含めると88個の星座があるって聞いてますよ。
和:そうじゃ、88個の星座が世界的に決められておる。しかし、南北に長い日本でも、まったく見えない星座が10個ほどあるし、南半球の方にある星座たちには馴染みが薄いがのう。
八:と言うことは、日本では70~80個近くの星座が見えるんですね。そんなにたくさんあるんじゃ、あっしはお手上げですよ。でも、星空は好きだから、少しずつ、どこら辺にどんな星座があるか覚えていこうと思いやす。和尚さん、教えてくださいよ!
和:そう来たか、楽しみじゃな。では八っつぁん、オサライをしよう。星座の起源は、今を遡ること5000年ほど前の古代メソポタミア(現在のイラク辺り)にあるとされる。その後、星座は古代ギリシアに伝えられ、プトレマイオスにより48の古典的な星座として確立されたとのことじゃ。こうした古典的な星座の多くは、神話世界と結びついており、星座世界への親しみ、楽しみを一層深めさせてくれておるのではないかな。
半人半馬の「ケンタウルス座」、上半身がヤギで下半身が魚の「やぎ座」、どう見  てもクジラには見えない「くじら座」とか、なかなか面白いぞ。
八:へー、ただの絵が描かれている訳じゃないんですね。
和:こうした古い星座とは別に、15世紀の大航海時代以降新たに追加された星座にも「へー」と思うような星座があるんじゃよ。
当時発明された新しい技術機器や航海用具、そして南半球に生育する鳥などの 姿を描いた星座がたくさんある。
そして、こんな星座もある。「はえ座」(もともとはミツバチだった)とか、「テーブルさん座」(南アフリカにある実在の山の名前)とか、「エリダヌス座」などと言う川の星座とか…、それこそ、へーと思うような面白い星座たちではないかな。
八:へー!まったく、“へー”の連発ですね!?
和:まあ、こんな風に星空にはたくさんの星座がある。そんな星座たちを訪ねるのも、星空の楽しみじゃな。そういうわしも、なかなか星座探しには手こずっておるが、少しづつ楽しむことにしよう。
八っつぁん、これからも楽しく星空散歩をしよう!
八:そうですな、楽しく行きましょうぜ。
和:そうそう、大事なこと忘れておった。
最近子供たちに、星空に自分の星座を作ろうということを話しておる。星空をじっと見てると、そこに何か描きたいという気持がきっと湧き上がってくるぞ。
4年ほど前、ガンマ線天体(光で見える星ではない)を結んで22個の星座が作られたと ネット上で話題になった(NASA等が公表)が、その中に、ゴジラ座や富士山座などの 名前の星座があった。
八っつぁんも、星空のキャンパスに想像力豊かに何か絵を描いてみたらどうじゃ。
八:星空に絵を描くなんて夢がありますね。難しそうだけど、面白いかも! 子供たち、きっと楽しく生き生きと絵描きに挑戦すること間違いなしですね。よーし、あっしも今晩、やってみますよ。
(元気に家路に向かうハっつぁんでした)
さてさて、八っつぁん、星空にどんな絵を描いてくれるでしょうか?楽しみですね。 皆さんも、八っつぁんと一緒に自分の絵を星空に描いてみませんか? 秋の星空に思い を寄せて、子供心に帰って星空に絵を描いてみるのも、豊かな人生ってものです。
古代の人たちが創造力を発揮して作りだした星座の世界。私たちも挑戦してみましょう!

(星じい こと 宮下功)

3.村人だより -村人登場!ー

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〇投稿者プロフィール
名前:おかちゃん
住んでる県名:東京都
自分の特徴:いい(良い)加減
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”かけがえのないきみへ”
という呼びかけから始まる「星といのちの物語」。
星空や惑星、星座のキャラクターと一緒に綴られる神秘的な世界観に包まれた絵本の主人公はあなたです。

ページをめくると、あなたが生まれた日の星空が見られます。
広い宇宙のなかで一粒一粒それぞれの明るさで光輝く星のように、
世界でたったひとりのあなたの存在も、唯一無二の魅力を放ち続けることでしょう。

この絵本を囲むみなさんの心が
”生まれて来てくれてありがとう”
”わたしたち出会えてよかった”
と、感謝の気持ちで満たされますように。

「星といのちの物語」の製造を担う、株式会社オピカのおかちゃんでした。

(おかちゃん)

4 村人投稿

今回も、いろいろなテーマでの写真が集まりました。空を見上げつつ、ごゆっくり♪

●中秋の名月(2022年9月10日の満月)


お月見  9月10日 20:17 山梨県甲府市 原田ハルミ


沈む名月  9/11早朝 栃木県那須 石川貴之

●夕日


夕焼け  2022.9月初旬 北海道帯広市

 


日本海に沈む夕日   2022.9月初旬 秋田県沖(フェリーにて)
撮影は、いずれも すばる星人 こと 内海市郎

●秋の深まりと冬の気配


秋の八ヶ岳(左)と茅ケ岳(右)
2022年9月30日  山梨県韮崎市 跡部浩一

 


富士山初冠雪
2022年9月30日  山梨県韮崎市 跡部浩一