星つむぎの村通信 -No83- 2022.9.10発行
猛烈な台風11号が一過。そのあと、夜はすっかり秋模様となりました。
時に、台風の通過した日の夜は、福岡ではめったに見られないほどの星々が現れて、こころ洗われる夜となりました。
やっぱり、星空はクリーンに限りますね!
そして、星空にゆっくりと癒されるには、クリーンだけでなく ライトダウンも大事だなぁ、なんて思うのです。
では、星つむぎの村通信 83号をお届けいたします。
どうぞ、お楽しみください。
(仲道正恭)
<星空俳句>
銀河濃し 頭上豊かに 星宴(ほしうたげ)
このところ、昼間は晴れてかなり気温が上がるのですが、夜になると気温が下がり、ガスが立ち込め、星が見えないという日が続きます。
皆さんのところはいかがでしょうか?
星が見たいという方々を案内し、現地まで行くのですが、星も月も見えず、今宵もまたダメか、とあきらめかけていた8月28日のことです。
たまたま夜遅くになって、月のない好コンディションのなか、全天にわたって晴れ上がり、西空低く春の星、北の北斗の柄と北極星、東には秋の四辺形とアンドロメダそして天頂を横切る天の川と夏の大三角、南のさそり座を存分に楽しむことができました。
そんな希少な日の情景です。
2022.9.4 (青りんご こと 齋藤泰文)
===========目次===========
1. 今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3. 村人だより -活動紹介(星の寺子屋)ー
4. 村人投稿
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1.今月の星空紹介
皆さん、こんばんは。
9月10日は中秋の名月。今年もお供え物を準備してお月見を楽しみましょう。
当日は19時頃満月になりますので、ウサギが餅つきをしている「まんまる」お月様が東の空に上っています。
さて、20年以上前に「だんご3兄弟」という歌が流行ったのを覚えていらっしゃいますでしょうか。
今年後半は「だんご」ならぬ「わくせい」3兄弟でお楽しみいただけますよ。
※今回は9月15日0時の星空を想定してください。
星座早見盤をお持ちの方は9月15日0時、あるいは、星空の状態が大体同じである国立天文台サイトの「ほしぞら情報11月」の星図をご準備ください。
また、星空の「正確性」を追求されている方は、どうぞご容赦願います。
まずは次男の土星です。
今年の土星はまだ十分に環が見えています。
この時間帯では西寄りになっている やぎ座のしっぽのところで光っているのですが、もう少し早い時間帯を狙えば、南の空高い位置で観察することができます。
秋の星空は暗い星が多いので、やぎ座を探すのが難しいかもしれませんが、それでも、あまり瞬かないで安定して光ってる星を探してみてください。 望遠鏡で見る環は、何回見ても神秘的でかわいいです。
次は長男、木星です。
木星はとても明るく光っているので、南の空の高い位置にいるのがすぐ分かります。
望遠鏡では木星の縞模様が2本と、ガリレオ衛星が観察できますし、双眼鏡でも目を凝らせば、ガリレオ衛星が見えるかもしれません。
ちなみに、木星は9月27日に衝(しょう)を迎えます。
地球から見ると太陽と正反対の位置にいるわけです。木星を正面に見たとき、背中のほうから照らしている太陽の光が地球を通り過ぎ、木星に反射して戻ってきた光を見ていると思うと、太陽系といえども宇宙の壮大さを感じます。
ラストは三男、火星です。
東の空、おうし座の頭のあたりで赤く光っています。
火星は12月1日、約2年2か月振りに地球に最接近します。
陸上競技に例えれば、一つ内側を回ってる地球がイン側から火星を追い抜くのですが、今回はちょっと距離があるので「中接近」といったところでしょうか。
模様を見るには、公開天文台にある大きい望遠鏡で見せてもらうのがおすすめです。
それから、火星の「見かけの位置」にも注目です。9月初めは、アルデバランの近くに位置していますが、10月まで角(つの)の先の方に動いていきます。
11月に入ると今度は牛の背中のほうにUターンし、最接近を過ぎた来年1月中頃、また角のほうにターンしなおします。
アルデバランと比較しながら見ると結構楽しめるかなと思います。
火星の動き(2022.9.1~2023.3.31)
*国立天文台HPより(一部抜粋)
おまけ:実は「わくせい5兄弟!!」
肉眼で見つけやすい3兄弟のほかに、実はもう二つ、惑星が位置しています。
一つは海王星。土星と木星の真ん中からちょっと木星寄りに光っているはずです。
星座で言うと、うお座とみずがめ座の境目あたりです。
もう一つは天王星。
こちらは木星と火星の中間からちょっと火星寄りにいますね。
星座で言うと、おひつじ座になります。
お月見が終わり、秋分の日を過ぎるとなおさら夕暮れが早く感じられますので、是非「わくせい3兄弟」で秋の夜長をお楽しみください。 ではまた次回。
(和田直彦)
2.宇宙小話
先日、徳島県の美波町の南阿波サンラインというところに、星仲間たちと天体観測にいきました。
このあたりは、徳島では有名な星見スポット。
南阿波サンラインの第四展望台は南側が海にひらけているので、太平洋の水平線ギリギリまで天の川を見ることができます。
(近くに民家があるので、もしここに行く時は夜はお静かに…!)
今まで見た星空の中で、山で見る星なら八ヶ岳がいちばんかな、と思っているのですが、海で見る星なら僕的にはココがいちばんです!
事前の天気予報があまりよくなかったのですが、展望台に車を停めて、空を見上げると、暗黒帯がはっきりくっきりの天の川が!
私は3月まで徳島に住んでいたのですが、星仲間に徳島の美しい星空を見せてあげることができて 大満足でした。
最近購入した、スカイウォッチャーのMAK127SPという天体望遠鏡を持って行ったのですが、木星やら土星やら、こと座のリング星雲やら、いくつかの球状星団やら色々バッチリ見えて、こちらも大満足でした。
星を見ながら仲間たちと語り合うひとときって、何より素敵なことですよね。
いつか村のみなさんとも八ヶ岳の宙の下、語り合える日を楽しみにしています。
(高木良輔)
3.村人だより -活動紹介(星の寺子屋)ー
星の寺子屋は、2020年5月に、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う全国一斉休校に対して、子どもたちの学びと遊びと交流の場を提供するために始まりました。
開始当初は、甲府の小中学生を中心とした星の子クラブのメンバーが主でしたが、オンラインなら「病児や障害児も参加できる」「病院の中の子どもと外の子どもがともに活動することができる」という可能性に気づき、積極的に病児や障害児にも参加を呼びかけ、「病気や障害の有無に関わらず誰もが楽しく学んで活動できるインクルーシブな学びと遊びの場」として「星の寺子屋」を運営していく方向が定まりました。
初めは月に1回の開催でしたが、2021年4月からは月に2回。
加えて、寺子屋の中で行っていた読み聞かせのコーナーを「おはなしタイム」として独立させて、寺子屋の2回と合わせて月に4回、行っています。
星の寺子屋は、今日(9/10)で46回目となりました。
毎月、第2・4土曜日の午前10時~11時30分くらい。
参加は、10~20人の子どもたちと村人。
ゲスト講師の回もあります。
朝の会(自己紹介)から始まって、1校時、2校時と進み、帰りの会(感想発表)まで。
途中、休み時間もあります。
内容は、「お誕生会」や「星座ビンゴ」「おはなしタイム」といった定番メニューに加えて、クイズ大会やみんなの発表会など。
あらかじめ材料を送っておいて工作を楽しむこともあります。
2022年の5月からは、「自然のめぐみ・命のつながりプロジェクト」と題して、星つむぎの村の事務所・アルリ舎とその隣にある星つむぐ畑をフィールドにして、観察や栽培などを主体とした自然体験をオンラインで行う内容を行っています。 5月の野菜の植え付け、6月のオンライン梅もぎ、7月のジャガイモ収穫、8月の畑の観察&葉っぱスタンプ。
収穫目前のジャガイモがイノシシに食べられてしまうという事件にも遭遇。
病児や難病児だけでなく、自然体験が少ない今日の子どもたちにとって、オンラインではあるけれど、畑や周辺の草むらや林の動植物に触れる貴重な機会となっています。
寺子屋に参加している子どもたちの様子はさまざまです。
人工呼吸器をつけている子、バギーやストレッチャーに乗っている子、ベッドに寝ている子。病児・障害児以外のきょうだい児や健常児もいます。
それぞれにできること・できないこと・助けてもらえばできることが違います。
そこで、例えばクイズの回答は3択にすることで、声に出す、チャットに書く、画面に描く、近くの人に伝えてもらう、など様々な方法で参加することができます。
ちょっとした工夫や仕組みで、インクルーシブな場とすることができるということも大切な学びだと思っています。
最近になって仲間に加わってくれたTさんがいます。
彼女は年齢的にはもう大人ですが、「ALSのために子ども時代に教育を受ける機会がなかった」と言って、寺子屋に参加してくれました。ヘルパーさんとともにみんなと一緒に楽しく活動しています。
福祉人間工学の研究者である林豊彦先生(前新潟大教授)は、
「病児・障害児の発達の問題は、教育の機会から遠ざけられ、十分な情報が与えられないことによる2次障害である」
とおっしゃっています。
星の寺子屋が、そこに参加するすべての子どもたちにとって、他では学べないことに触れられる機会になればと思っています。
寺子屋には、病児・障害児とそのきょうだい児、また村人とその家族なら誰でも参加することができます。
参加希望の方がいらっしゃればぜひ誘ってください。
また、講師としての参加や一緒に学んだり楽しんだりするだけの参加も大歓迎です。
(跡部浩一)
4 村人投稿
今回は、それぞれの瞬間を捉えた写真の数々をお楽しみください。
山の向こうから昇る朝日を浴びる人(上 3枚で)
2022.7.24 撮影場所:穂高岳山荘 撮影: Kei こと 田中敬吉
北極星と流星
2022.7.30 2:59 撮影場所:岐阜県恵那市 撮影:すばる星人 こと 内海市郎
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