星つむぎの村通信 -No73- 2021.11.19 発行

星つむぎの村通信 -No73- 2021.11.19 発行

星ではなく鳥のお話を少し。
このごろ、ジョウビタキ(羽根に白い斑点がある)やいろいろなカモ(ちょっとした池にも)を見かけるようになり、そしてモズの高鳴きが盛んです。秋ですね!
もう少し寒くなると、ツグミ、シロハラやシメなども姿を現します。
そして、コスモス(今 チョコレートコスモス育ててます♪)などの花たちからも秋を感じますね。
さて、みなさんが秋を想うのは どんなときですか?
では、星つむぎの村通信 72号をお届けいたします。
どうぞ、お楽しみください。

(仲道正恭)

<星空俳句>

  清里の ハープの調べ 星さやか

あれだけ猛威を振るってきた新型コロナウィルスは、このところ日本ではかなり感染者が減り、落ち着いてきた感があります。
このまま収まってほしいものです。
そのためか、いろいろな催し物などが再開しつつあります。
天候も11月にはいり、安定してきました。
19日夕方の皆既に近い部分月食もぜひ見たいと思います。
昨夜は、私が宿泊客相手に星案内している清里のホテルでは、ハープの演奏があり、雲一つない星空を見上げ、月、星々の饗宴に興ずることができました。

2021.11.15 (青りんご こと 齋藤泰文)

===========目次===========
1. 今月の星空紹介
2. 宇宙小話
3. 村人だより ー村人登場!ー
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1.今月の星空紹介

村人の皆様、おばんです。
19日は今年二回目の月食でしたが、楽しまれそうでしょうか?
今回は皆既食ではないものの、ほぼ全部欠ける部分月食でして、しかも北日本以外の地域では欠けた状態で地平線から月が昇る≪月出帯食≫(げつしゅつたいしょく)になりました。
なかなか奥の深い天体ショーだと思います。
天候が悪く残念ながら観られそうにない方、「ゲッ!ショック!」ですが。。。

さて、8日の白昼、月が金星を隠す金星食がありました。
金星が隠れる時≪潜入≫と、出てくる時≪出現≫が一番の見どころでした。
と言うかそれしか無いですね。
私も観察しておりましたが、残念ながら潜入は直前の曇りのため観られず「キンセイショック!」でした。
かろうじて出現を撮りましたのでご覧ください。

金星食(金星の出現)


金星食の拡大(金星の形にも注目!)

月からミニサイズの月が生まれているようで、とてもひょうきんな感じがします。
次は、15年後の2036年。
だいたい福島県以南の地域で観ることができます。

金星の話題をもう一つ。
宵の明星として日の入り後南西の空で光っている金星が、12月4日に最大光度を迎えます。
マイナス4.7等になりますから、計算が合っていればシリウスの20倍の明るさです。
もしかしたら金星の光で影ができるかもしれませんね。
試しにググってみると、ホントかどうかはわかりませんが条件が良ければ影ができるという記事が何件か引っ掛かりました。
これは私の妄想ですが、例えば周りから光が入らないように反射望遠鏡のような長~い筒を用意し、金星に筒を向けて固定した後、手前に作った小窓から手を入れたら手の影が観察できるのでは???
共感された方、是非結果をお知らせくださいね。

最後に、ふたご座流星群を取り上げましょう。
3大流星群の一つとして毎年観察できる流星群ですが、今年は月明かりのせいで空が明るく、条件はあまりよくないかも知れません。
極大日は12月14日の予想なので、14日未明(2時以降)と15日未明(3時以降)は、月が沈んだ後なのでお勧めです。
この時間帯では、まずオリオン座を見つけて、その上にある「オバQ」のような、「逆さブランコ」のような星並びがふたご座です。
頭上だけでなく空を広く見るのがより多く見つけるコツです。
ふたごの形の右上に位置する1等星カストルのあたりが流れる中心ですので、流星を見たら流れた方向の逆をたどり、カストルに達していたら流星群の星と言っていいでしょう。
防寒対策をしっかりして、沢山見つけてハッピーになってくださいね。
それではまた次回・・・。

(和田直彦)

2.宇宙小話

和尚さんと八っつぁんの星空道中
和:和尚さん、 八:八っつぁん
(お寺の濡れ縁で、和尚さんとハっつぁんが何やら話をしています。)
八:和尚さん、ここからの星空、すごくきれいですね。
和:おー、そうじゃのう。わしも、ずーっと子供の頃からこんな星空を見ておるんじゃよ。
八:へー、和尚さん!子供の頃からこのお寺に居たんだ!
と言うと、小坊主ってことですかい?
和:ははっ、そう言うことじゃ。
じゃが、ここから見える星空、だんだん見えにくくなっている感じがするのう。
世の中、夜がますます明るくなっておるし、この寺の周りも、街の灯りがどんどん広がっておる。
そんな、夜の灯りが、星空を見にくくしておるんじゃないのかな?
八:へー、あっしもここに来る道々、街の灯りが気になったんですよ。
「明るいなー」って。
和:星空が見え難くなると、気になることがあるんじゃよ。
八:何ですかい和尚さん、気になることって?
和:あー、わしが小坊主の頃のことじゃ。わしが星空を見上げていると、スーッと見たことない女の人が近づいてきて、こう言うんじゃ。
「何見てるの?星空が好きなの?ここは、とっても星空がきれいに見えるわね! 」。
八:なにデレッとしてるんですかい、和尚さん!
和:ググっ、これ、八チっ、わしをちゃかすな! …。
うむ、それからまた、女の人がこう言うんじゃよ。
「小坊主さん、あなたにとって星空って何なの?どうして星空を見上げているの?」。
わしは、頭が真っ白になってしまって、「たくさん星があるし、きれいだなって…」、 くらいしか答えられなかった。
八:ふーん、その頃、和尚さん、星のことなんかぜーんぜん頭に無かったってことですね。
和:うむ、なにせ小坊主じゃ。星のことなどなーんも分からんかった。
八:その後、どうなったんですかい?
和:うむ、その女の人は、一番明るく輝いている星を指さしながら、こう言ったんじゃ。
「小坊主さん、星たちはね、見上げる人たちみんなを見守ってくれているの!星たちの中から、好きな星を見つけなさい。
そして、その星を見つけたら、いつも“こんにちは”って言いなさい。
きっと、その星はあなたを見守り、あなたの幸せを祈って輝いてくれるわ。
その星は、“しあわせの星”って言うの。寂しくなったり、くじけそうになったら、その星を見あげるのよ。きっと小坊主さんを励ましてくれるから……。」…。
八:へー、ロマンチックな話ですね。
和:わしは、ボーっとして聞いておったが、気が付くと、その女の人の姿はもう無かった。
八:へー、その女の人、消えてしまったんですか、不思議ですね・・・?
まさか和尚さん、夢を見てたんじゃないの?
和:分からん!しかし、そんな情景が今でも心に残っておるんじゃよ。
八:ふーん、でも、その“しあわせの星”って、すっごーくイイ感じだなあ。
あっしも好きな星を見つけよっと。かかあにも早速話してみますよ。
和:近所の子供たちにも、時折りそんな話をしておるんじゃが、星空が見えにくくなって、自分の”しあわせの星”を見つけられるか、不安になってきておるんじゃよ。
ハ:はー、なるほど。夜の灯りが星空だけじゃなく、“しあわせの星”も見つけにくくしてるってことですね。
そう言えば、あっちこっちで、「ライトダウン」というイベントをやってますね。
「見上げれば、いつもそこにきれいな星空…。」美しい星空を取り戻そうっていうことらしいですよ。
和:オウ、ハっつぁんも、「ライトダウン」イベントを知っておるか。
“しあわせの星”を見つけ易くするためにも、日常からライトダウンを心がけようかのう、八っつぁん!
八:へー…、アッチコッチで、「君の“しあわせの星”を探そう!」
なんて声が聞こえてきそうだ。ワクワクしますね。
(こんな話に、心熱くしている和尚さんと八っつぁんでした。)

和尚さんの前に現れた不思議な女の人は、誰だったんでしょうね?
小坊主だった和尚さんに、星空への大切な向き合い方を教えてくれた星の王女さまだったかもしれません。
和尚さんといえば、子供の頃に、こんな星空との接点があったんですね。
今でも、“しあわせの星”探しを大切にしている和尚さん、いつもはおっちょこちょいだけど、今回は見直したし、カッコイイと思いませんか?
皆さん、ぜひ“しあわせの星”を見つけましょう!
“しあわせの星”、そう思ってその星を見あげれば、何か心に伝わるものがあるかもしれませんよ。
この“しあわせの星”探しも、SDGs(持続可能性)そのものと思います。

(星じい こと 宮下功)

3.村人だより -村人登場!-

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〇投稿者プロフィール
あさき (倉知朝希)
神奈川県横浜市
星、空、海、自然とねこが大好き。
天気に左右されながら生きてます。
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はじめまして。お久しぶりです。
あさきです。

愛知県出身、富山大学を卒業し、現在は神奈川県横浜市で保育園の先生をしています。
今私が住んでいるところ、横浜は大きな街です。
夜も明るく、私の家からはあまり星は見えません。

そんな私、実は先日(と言っても9月ですが)どうしても満天の星が見たくなり、丹沢湖までお出かけをしました。
そしてなんと、久しぶりに日の出まで空を眺めたんです!!

星の楽しみ方って色々ありますよね。
中でも私が1番好きなのはマットを敷いて寝転んで、周りの人の楽しそうな雰囲気を感じながらぼーっと宇宙を眺めること。
学生時代もこれが大好きで、サークルの皆んなの笑い声や真剣な話をききながら、そのまま何度も朝日を迎えてきました。

この日もその場所には色んな人たちがやってきて、望遠鏡を組み立て一生懸命土星を探してる家族とか、音楽流してコーヒーを飲みながら気ままに楽しむおじさんとか、若い子たちの明るい声とか、周りの人の存在を感じながらいつも通りマットに寝転んで月明かりの中見える星たちを眺めていました。
そして気付くと、いつの間にかひとりになっていました。

でも、誰もいなくなってからの静かな月の入り、そして反対からのぼる煌めく冬の星たち。
それを見た時、その場の静けさと裏腹に私は凄くテンションが上がっていて、嬉しくて、誰かに伝えたいけれど、独り占めしていたいような、そんな感動でいっぱいだったのです。
暗いのをいい事に存分にニヤニヤして、流れ星を見るたびにまた嬉しくなって、そのまま朝焼けに染まる空まで堪能。冷たい空気を感じながらも心が満たされた時間でした(*´-`*)

やっぱりどんなに忙しくても、大変でも、しんどくても、そんな時こそ宙を見上げたい、それを再確認した私です。

帰りは箱根温泉に寄ったりしちゃって。♨️

 (倉知朝希)

2021年9月 神奈川県丹沢湖  ごめんねカペラ(冬の星座たち)  写真提供:倉知朝希

2021年9月 神奈川県丹沢湖  おはよう、また来るね  写真提供:倉知朝希

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