気球の会にて

気球の会にて

11月14日(土)、毎月、勉強会を開催している「気球の会」で、天井投影プラネタリウムやトークをさせてもらいました。「気球の会」は、重度心身障害を持ちながらも、「世界を知りたい、学びたい」と強く想う方々が集まっておられます。
これまで自分たちが住む町や、日本、世界のことを学んでいるうちに、「宇宙のことを知りたいよね」という話になったそうで、やはり「気球の会」を心のよりどころとされていた小林浩太朗さんのお母さんである小林圭子さんが、星つむぎの村のことを思い出してくださいました。浩太朗さんとお母さんは、以前、都留ミュージアムで行ったドームプラネタリウムを体験してくださっていたのです。

参加者である、貴輝さん、康太さん、真知さん、彩那さんの、「知りたい」思いを事前にお聞きしました。「宇宙ってどうなっているんだろうとずっと思っていました。地球っていったいなんだろうと。この歴史も宇宙の中でみたらどんな位置にあるのか、それがわからなくてちょっと聞くとなんかすごいことなんだけれども、一体どういう仕組みになっているのかがちっともわからないし、誰も教えてくれないからほんとうにわからないから、知りたいです。」「私たちが生きていく中で足りていないのは知識だと思うので、専門の人に知りたいことをこたえてもらうことはすごく嬉しいです」などなど。

当日、もちろんその日の星空のことやそこに惑星があることなどもお話しますが、加えて、星野道夫の言葉も紹介しました。「知りたい」と思う気持ちの根源性について。そして、自分たちのいる場所を確認しました。
加えて「宇宙カレンダー」の話も。

それらを一生懸命聞いてくれていたみなさんから次のような感想が。
「今日の話はとても感動しました。以前も天井で見たときに、きれいとか明るいということを先生たちがいってたかと思います。でもぼくはそんなことじゃなくて、もっと専門的に知りたかったのです。だから、今日は僕にその宇宙ということと、生きている意味を教えてもらってとても嬉しかったです。
生きていることや、宇宙の中の一人であることを感じ、満足しています。
今度オーロラの絵をかきますから、高橋さんにプレゼントします」
「人間だけでは生きていないということですか? この惑星に住まわせてもらっているという感覚でしょうか」
「今生きているということは生かされているということで、一人として差別もなく同じように星をみて、その中で同じように生活している、一つのものであるということがよくわかりました。」
「これまで生きてきて、ほんとうにこの世に生まれてきてよかったのか、生きている意味があるのか、と思ったりしましたが、今日の話を聞いて、人は意味があって生きているんだなあ、ということがよくわかりました。私も意味があってこの地球に生まれていたんだと思うと、悲しくもないし、つらくもない。でももしつらくなったら今日の話を思い出します」
「この会は、とても小さいけれど、もっともっと広げていきたい。ぼくたちがいろんなことを知りたいと思っているということをわかってもらって、わからないからいいや、とか難しいからやめようではなくて、挑戦して高橋さんのように丁寧に説明してくださる方に出会って少しでも知りたいことを学んでいくことができたら僕たちの考えももっと深くなるのかなと思って興奮しています」
「私たちが生きてる間はとても短いけれど、だからこそ、この短い小さな小さな時間があとになって考えるととても大きくて長い歴史の一歩になるんじゃないかと思いました。」

また、今日は、浩太朗さんの富士山や詩が額に飾られたものもきれいにならび、それがまた一層、場の空気をりりしくさせていました。

彼らの熱い想いに、私たちも大きな衝撃を受け、そして私たちが、いまだ、宇宙全体の中にあとどれぐらいわからないことがあるのかわからないのと同じように、人間もまた、人間の理解というものに対して私たちがわからないものがまだどれだけあるのか、ほんとうにわからないのだなとあらためて思いました。
気球の会のみなさま、ありがとうございました! またお会いしましょう。