フライングプラネタリウムで新潟・千葉・山梨をつなぐ
フライングプラネタリウム(フラプラ)は、インターネットを使ってライブ配信を行うプラネタリウム投影です。2019年度はすでに、15回実施しており、3月末までに、あと8回ほどが予定されています。「病院がプラネタリウム」は主に、なかなか星空を見ることのできない方たちに向けた活動ですが、フラプラは、さらに、在宅療養中の方にお届けしたり、同時に離れたところの人たちと一緒に楽しんだりできるスペシャル投影です。
2月18日は、午前中に柏崎支援学校、午後に国立病院機構新潟病院と国立病院機構千葉東病院に同時にお届けしました。同時配信の目的は、離れたところで、出会うことのない人たちが同じ空を見上げ、同じ時間を過ごすことで、一人ではないと感じてもらいたいということです。支援学校は、新潟病院のすぐ横にあり、去年お伺いしたとき、特に感動してくれた子たちが印象深く、せっかくの機会なのでぜひと思ったところにあります。
新潟のほうには、去年「みんなでプラネタリウム」を開催してくれた「星くじら」のみなさん(ちーちゃん、ロコちゃん、つかまり)、村人は、つかまりこと塚田、大和x3、池田、栗林、菱田と、大勢が集まって、共に楽しむ時間の仲間になってくれました。
支援学校で、午前中に3回、病院の同時配信は2回行われました。
その場にいないけど、「ライブ」でやっている、つながっているということを実感してもらうため、塚田さんが「地図」を制作してくれました。これは、現場にあつまっているみなさんにとって、とてもよいコミュニケーションツールでした。
<支援学校の様子> 参加したみなさんのいろんな言葉から
・9月に体験していることがあるので、最初からワクワク、リラックス感がありました。
・テレビ電話であいさつができたので、その後も、真理子さんの呼びかけにとてもよく反応していました。
・「何回みても楽しい!」という男の子。
・投影中に一生懸命腕を動かしていた男の子、投影後、目をまっかにして涙していました。「もと見たかったんだね」「感動したんですね」と先生。
・9月に「感動しました」といってくれた男の子は、去年の写真をはった、素敵な花の手作りカードをつくってもってきてくれました!
・会場を離れるときも名残惜しそうにする生徒さんばかりでした。
・ラストはSちゃん貸切。去年は病室にいて見られなかったんだそうです。途中、吸引のため退室。でもまた再開して、Sちゃんは終始にっこにこでした。地球から離れたとき、最後のときも、手をふっていました。
<病院同時中継の様子> 参加したみなさん、病院スタッフの言葉から
・ビデオ通話で3者が一度に見られるようなことができたら、一緒に見ている実感できたかも?
・土星の輪をくぐる時に「思わずよけちゃうね」と患者さん同士の会話。
・「ほら、キリン。キリンだよ」星座図が出るなり、後ろから女性の声。
・「えー?なんでそんな顔するの〜」と職員さんの笑い。どうやらいつも見せない表情。退室する時、若い男性が顔をくしゃっとしました。
みんなを笑わせようとしているかのように、繰り返し何回もみんなに見せていた。
・いつもと違う雰囲気にびっくりしたのか、職員の手を握って天井を観たり職員の顔を見たり、驚いていました。
・もともと暗いところがあまり好きではなかったのですが、体験してみました。ちょっとしかめっ面でした。慣れるといいのかな。
・お互いの場所での声だけでもお互い聞くことができたら、もう少し共有感があるかもしれないなと思います。
・2回目に、千葉のほうでプロジェクターがよく見えないというプチトラブルがあったとき、新潟では、「新潟がボヤけたの?」「千葉なんだって」「千葉?新潟じゃないの?」笑い声。別の方向からは「千葉の空が曇っちゃったんだって」「晴れるといいね」という会話。新潟、千葉。地名が飛び交う。笑い声。それぞれで交わされる職員と患者さんの会話で、空気がゆるみ始めました。
・暗いとき、不安なとき、誰かそばにいるって本当に心強いですよね。一人じゃないこと。気持ちを話せる仲。声がけする仲。大切だなーとあらためて思いました。
離れていても、空はつながっている。星が人をつないでくれる。それをさらに実践できるのがフライングプラネタリウムだな、と思います。もっとお互いの空気感が伝われば、とか、投影側に残された課題もまだまだありますが、新型コロナウィルスで騒がれる今、さらにニーズが高まっているので、こちらも体制を整えていきたいと思います。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございます!