星つむぎの村通信 No.12 2016年 9月7日 白露

星つむぎの村通信 No.12 2016年 9月7日 白露

7月には少ないかと思われていた台風が、このところ続々日本列島に接近・上陸し岩手、北海道に大きな被害をもたらしています。ブラジルではいよいよパラリンピックが開幕です。
9月7日は白露、朝露がしっとりと降り、秋の虫が鳴いています。

雨日照り 想いの廻る 白露かな             青りんご

 

今号の目次
1.時季の星空
2.星つむぎの村 イベント情報
3.寄稿
4.イベント参加報告

 

1.時季の星空
日中は、まだ暑さを感じますが、落ち葉がはらりと舞う様子に、秋の気配を感じます。夜8時頃、空高いところに「夏の大三角」が明るく輝き、東の空には「秋の四辺形」が見え始めます。星空も秋の訪れを告げています。
秋と言えば、お月見の季節ですね。「十五夜の月」、「中秋の名月」とも言われますが、これは旧暦に由来があります。旧暦では、7月~9月を秋としています。8月(現在のカレンダーでは9月~10月頃)は秋の真ん中なので、中秋です。旧暦では1日(ついたち)が新月から始まるので、15日頃が満月となります。1年で最も美しいこの月を「中秋の名月」と呼びました。
昔から人々にとって身近な月。その物語は、世界各地にあります。インドのお話をご紹介しましょう。兎と狐と猿は、「人のために役立つよい行いをしてみたい」と話していました。ある時、おなかを空かせた老人がやってきました。それを見た猿は木に登り、たくさんの果物を、狐は川に飛び込み、たくさんの魚をとってきて、老人に差し出しました。しかし、兎は、うつむいたまま、黙って何かを考えていました。やがて、口を開いてこう言いました。「私は何も差し上げるものがありません。せめて私の身を焼いたお肉を召し上がってください。」兎は、皆が止めるより早く火の中に飛び込んでしまいました。老人は目に涙を浮かべ、真っ黒になった兎の体を腕に抱きました。みるみる老人の体に光が宿り、帝釈天の姿に変わりました。「なんと健気(けなげ)なことか、お前のような心清らかな兎は、月の宮殿に住むがよかろう。」帝釈天はこうして、兎を月に上げました。今でも黒くなった兎の姿が月に見えるといいます。
日本で月の模様を兎の姿と見るようになったのは、このインドの神話からきていると言われています。秋の夜長、ゆっくりと月を眺めてみるのもよいかもしれません。
(文責:小林さやか)

 

2.星つむぎの村 イベント情報
夏の間は、「星空縁日」をやっていましたが、9月以降も、ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳内の星の郷ミュージアムにて、月1回程度の星イベントを続けていきます。

9月17日(土)18:00~20:30
138億光年宇宙の旅&月空観望会
プラネタリウム: 18:00~、18:30~、19:00~ (各回20名)
手作り望遠鏡教室
月空観望会 19:30~

事前申し込みとなっています。ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳のフロントにて受付ます。
http://yatsugatake.izumigo.co.jp/contents/event/zoom/?post_id=24049

他、共同代表・高橋真理子が関わるプラネタリウム・イベントは多くありますので、
alricha.netもよろしければチェックしてください。

 

3.寄稿 秋のうた
このところ三つの大型台風が列島を襲い、大きな爪痕を残しました。尊い命や財産を失くし、生活や職業の基盤を奪われた方々には、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
太陽光線にはまだまだ強さを感じますが、日脚はだいぶ短くなり、夜は虫の声が賑やかに聞こえるようになりました。このような時期に、ふと思い出す短歌があります。

秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
(古今169) 藤原敏行
秋の訪れを、聴覚や触覚に感じると詠んだ歌ですが、清潔感と叙情があり、大好きな一首です。私も目以外の感覚を大切にして、生活の中に自然を感じていきたいと思います。

以下に、最近の私の俳句を紹介させていただきます。
水澄みて心中に立つ富岳かな
ミズスミテ シンチュウニタツ フガクカナ

秋遍路空へ吸われし鈴の音
アキヘンロ ソラヘスワレシ スズノオト

新涼や父に揃える庭草履
シンリョウヤ チチニソロエル ニワゾウリ

(文責:埜村和美)

 

4.イベント参加報告
☆国立天文台 野辺山宇宙電波観測所 特別公開
去る8月27日(土)小雨が降る中、午後1時過ぎに天文台に着きました。名称の通りここにある望遠鏡は全て電波を受信して宇宙を調べるところです。
ミリ波、サブミリ波とよばれる波長の電波をパラボラアンテナで受け止めて、電波の強弱を地図にして色を付けたものがよく見る電波の写真だそうです。

特別公開では5つのチェックポイントのスタンプを4つ以上集めると記念品がもらえます。
①大阪府立大の丸いドームに包まれた望遠鏡はヘルメットを付けて内部を見学。
②太陽電波望遠鏡では、手回しでパラボラアンテナを動かし、自分で製作した検波器をつないで太陽からの電波をキャッチすることが体験できます。
③アルマ・アステ望遠鏡コーナーでは平松正顕さんのミニ講演会を聴きました。
銀河が出来た頃の様子、惑星の成り立ち、生命の材料を探していることをわかりやすく話してくださいました。
チリのアルマ望遠鏡に搭載されている電波受信機も展示されてましたよ!
④野辺山の顔である、「45m望遠鏡にタッチ!」というのは、パラボラアンテナがめいっぱい縦になると、一番下の部分に台に上って立つと触れられるというものです!
残念ながら雨が降っていて滑りやすく危険なため、このイベントは中止でした。
⑤望遠鏡をバックに写真を撮ってもらい、その写真を載せたオリジナルカレンダーも貰えました。
⑥新展示室の一角に、特殊メガネをかけることによって4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」が描く最新の宇宙の姿をバーチャルリアリティ(VR)で体験できる装置がセットされ、予約制で行われていました。

※国立天文台野辺山追加情報
国立天文台野辺山宇宙電波観測所では、9月末まで土、日、祝日を中心に4次元デジタル宇宙シアターを運用しています。

○投影日 9月10日(土)、11日(日)、17日(土)、18日(日)、19日(月)
敬老の日、22日(秋分の日)、23日(金)、24日(土)、25日(日)
○投影時間 10:30~、13:30~、15:00からの1日3回、1回の投影は30分間
ただし、9月24日(土)のみ13:30~、15:00~の2回

☆星空縁日最終日の様子
友人3人で泉郷へ行ってきました。
途中美味しそうなパン屋さんなどのお店が点々とあって、寄り道したくなりそうでした。
午後5時過ぎに村に着くと、スタッフのみなさんが準備をはじめていて、懐かしい方々にも会えました。

ぞくぞくとスタッフも集まり、望遠鏡作り、フェイスペイント、地球ゴマ、星のなる木ランプをそれぞれスタッフで分担しました。ステラムービー「天の川の向こうに」も投影していました。お客さんもぞくぞくといらして賑やかになり、プラネタリウムも合わせあちこちを回って楽しんでいるようでした。

覚さんと丸尾さんの座布団ライブは素晴らしくて、工作をお手伝いしながらでは申し訳ないくらい素敵な歌声でした?
スタッフの娘さんたちが浴衣を着て花を添えていました。

高橋真理子さんが書いた『人はなぜ星を見上げるのか―星と人をつなぐ仕事』を
初めて手にすることができ、真理子さんのこの道に至った経緯や熱い想いと様々な人とのつながりが書かれていて一気に読めます!
星で紡がれた真理子さんの素敵な考え方に触れられる、おススメの本ですよ!!

縁日最終日はこのように盛り上がってフィナーレの幕を閉じました。
オリンピックと同じようにこの夏盛り上がれた行事ではないでしょうか?

8時半すぎに知人の車で甲府駅まで送って頂き、終電で帰りました。
翌日仕事だと東京からは少しあわただしくなってしまいますが、魅力あふれる星の郷で
した。
(文責:ほしむすび)

 

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