星つむぎの村通信 No.11 2016年8月23日 処暑

星つむぎの村通信 No.11 2016年8月23日 処暑

夏の高校野球が終わり、リオ五輪も終わり、次の東京へと引き継がれました。今年は少ないと思っていた台風が、このところ立て続けに日本列島付近に来襲し、猛威を振るっています。猛暑日が続き雨も降り、星に出逢えなかった夏もそろそろ終わりに近づいています。

台風過 空も地上も 新世界             青りんご

 

今号の目次
1.時季の星空
2.星つむぎの村 イベント情報
3.寄稿
4.イベント情報
(1)リトルプラネットについて
(2)ユニバーサルデザイン天文教育研究会

 

1. 時季の星空
各地で花火大会が行われ、花火の音に心躍る今日この頃です。きらびやかに打ちあがる花火とともに、夜空には星が、静かに、しかし、圧倒的な存在感で光を放っています。

宵のころ、北西の空には、七つの星が柄杓(ひしゃく)の形のように並ぶ北斗七星が輝いています。そして、南の空には、北斗七星を伏せたような形の南斗六星が輝いています。

中国では、北斗七星は「死を司る北斗の仙人」、南斗六星は「生を司る南斗の仙人」で、この二人の仙人が相談して人の寿命を決め、帳面に記入していると考えられてきました。この仙人の物語として、中国ではこんなお話が伝えられています。
ある昼下がり、農夫とその子どもが畑仕事をしていると、通りかかった占い師が「かわいそうに…。この子は二十歳までは生きられない」とつぶやきました。それを聞き驚いた親子は占い師に、どうしたらよいのかと教えを乞いました。占い師は、「この先の桑畑で二人の仙人が碁を打っているから、そこでひたすらかしこまっておもてなしをするのだ」と言いました。子どもが桑畑へ行くと、占い師の言った通り、二人の仙人が碁を打っていました。子どもがお酌をしたり、おいしい食べ物をふるまうと、それに満足した仙人は、十九歳と書かれた帳面をひっくり返すようにして、九十歳としてくれたということです。

さて、お酒をふるまわれてご機嫌になった仙人、南斗六星から視線を西へ移していくと、「酒酔い星」とも呼ばれる赤い星が目立っています。これは、さそり座の「アンタレス」です。アンタレスとは、「火星と対抗するもの」という意味です。西洋では火星と赤さを競いあっていると捉えたのです。国や地域によって、星の見方は様々ですが、星を見上げて想像を膨らませてきたのは、世界のどこの人々も同じなのですね。
このアンタレスと火星は、8月24日、地上から見て最接近します。アンタレス、火星、土星が縦一列に並ぶ様子にも注目です。 (文責:小林さやか)

 

2.星つむぎの村 イベント情報

<<星空縁日!>>
夏の間、「星の郷」にて開催してきた「星空縁日」も、あと1日のみとなりました!

今後の期日:8月27日(土)
時間:18:00~21:00
場所:ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳内 セミナーハウス「星の郷ミュージアム」
http://yatsugatake.izumigo.co.jp/
セミナーハウスの場所はここをご覧ください
http://yatsugatake.izumigo.co.jp/public/map.html

内容:
★ステラムービー「天の川の向こうに―いのちのリレーを見つめて」(20分)
(監督: 小野敬示  音楽: サガノユウキ)
星つむぎの村メンバーによるオリジナルの心温まる物語。一緒に宇宙旅行にでかけましょう。
上映時間: 18:00~、18:30~、19:00~、19:30~

★プラネタリウム投影
星の郷に本格的なドームができました! その日の夜の星空のお話をお楽しみください。
投影時間: 18:20~、 19:20~ (およそ30分間、定員20名 先着順)

★ワークショップいろいろ
地球ゴマ、星のなる木ランプ、組み立て望遠鏡づくりなどを行います。

★8月27日限定 フェイスペインティングがあります! とてもかわいいフェイスペインティング、体験してみてください。

★星空観望会 20:00~(曇天、雨天時は、室内イベントの時間をのばします)
八ヶ岳の星空をぜひ堪能してください。
27日は、この時間には月はないので、晴れれば天の川です!!

★星グッズいろいろ販売
宇宙イメージペンダント、希望の星空カード(ハガキ)、惑星缶バッチ、星のなる木絵画などなど。
<<星空コンサート・星につつまれて>>
星つむぎの村と、「おととわ」さん共催で、子育て中のお母さんに安らぎの時間を、という目的でコンサートを行います。
8月29日(月) 韮崎市民交流センターニコリ 10:30~12:00
https://www.facebook.com/events/614560172055365/
※「星空縁日」について、星つむぎの村サイトにレポートをアップしています。ぜひご覧ください。
http://hoshitsumugi.main.jp/web/category/hoshinosato

 

3.寄稿 「花火大会は星見たい!会?」
お盆が過ぎて、夏休みも残り少なくなりましたが、みなさん、花火大会に行かれましたか?

私は、8月7日、山梨では大きな花火大会の一つ、神明の花火大会を楽しみました。
うちの近所では、田んぼの畦道に野菜や果物のコンテナを並べて、蛙の鳴き声を聞きながら、ワイワイ花火を観るのが恒例になっているのですが、今年は赤ん坊がいましたので、軽トラの荷台に布団を敷いて、その上での花火観賞となりました。

7時の開演が待ち切れずに田んぼに出ると、涼しい風と共に、四日目の月が雲の合間から顔を出してくれました。濃い藍色と深緑を混ぜたような山並みと、徐々に深くなる群青色の空がとてもきれいでした。
遠くの方から開演のアナウンスが聞こえてきて、いよいよ!と南を向くと、花火より前に見えてきたのは、きらりと光る3つの星でした。力強く光る赤い星・火星、負けじと渋く赤いさそり座のアンタレス、そして二人を横目に輝く土星。いつもこんなに星が見えたっけ??と天頂に目を向けると、なんとそこには人工衛星が!ツーっと進んで空に消えて行きました。

その後も上がっては消えてゆく花火をよそに、静かに輝き続ける星たち。花火の合間に星を眺めていると、花火の煙と雲の流れが星空を面白く演出してくれました。

そろそろ9時、次が最後かしらねえ、と名残惜しく話していたその時、東の空にサーッと大きな流れ星が流れました。「流れ星!!」とその場にいたみんなの声がそろいました。なんともお得な夜でした。

花火の空にこんなにも星がよく見えるなんて!これまでウン十年惜しいことをしていたものです。残り少ない夏休み、みなさんも花火大会もに出かけて、花火と星と両方を楽しんでみてはいかがでしょうか?
(文責:植村あゆみ)

 

4.イベント情報
(1)リトルプラネット
ハンディがある人もない人も音楽やエンターテイメントをまわりを気にせず楽しめるライブです。たくさんのミュージシャンやエンターテイナーと出会い、子どもやおとな、親子の世界を広げたいライブ。生き方は人の数あります。音楽や表現することで生きるミュージシャン岩﨑けんいちがナビゲーターとなって紹介します。

「ひろい宇宙にまだ出会えてない惑星がたくさんあります。
ぼくらは小さな惑星。輝く星のようにいっしょに唄いましょう~」

ときにはちょっとカッコつけてライブハウスで音楽を楽しむ。特別な時間を用意してお待ちしています。
リトルプラネットVol.2
Gest サガノユウキ

日程:8月28日(日)open14:00 start14:30
会場:リトルマウスホール/韮崎市本町1-9-7

お申し込み、お問い合わせ/Tel. 080-9269-5872
チケット¥1,800
子どもチケット(中学生まで)¥600
未就学児は無料
年齢は関係なく親子ペアチケット¥2,400(ドリンク付き)あります。
(文責:羽中田桂子)
(2)ユニバーサルデザイン天文教育研究会
すべての人に宇宙を知る楽しさを。

日程:2016年9月24日(土)~26日(月)
会場:国立天文台 すばる解析棟 大セミナー室(24-25日)
国立天文台 コスモス会館 会議室(26日)
参加費:1000円〔情報保障(手話通訳など)に用います〕
備考:前半2日間が一般にオープンの日本語メインのセッションです。
3日目は外国人ゲストのための、英語による国際交流セッションです。詳しくは、次のホームページをご覧ください。
http://prc.nao.ac.jp/fukyu/ud2016/
(文責:高橋真理子)

 

みなさまからの情報、寄稿、ご意見、お待ちしています。
info@hoshitsumugi.main.jp