星つむぎの村通信 第3号 2016年4月20日 穀雨
先週に起きた熊本・九州地方の大きな地震に際して、被害にあわれたみなさま、その周辺のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
「星つむぎの村」としても、被災地で活動する団体への支援、もう少し時間がたったところでは心のケアの一環として星空をともに眺める活動など、できることをやっていきたいと思っています。
何よりも今は、これ以上被害がひどくならないように祈るばかりです。
さて、今号から、「星つむぎの村通信」は、齋藤編集長を中心に発信をしていきます。
お楽しみください。
<二十四節気・穀雨>
4月20日は二十四節気のうち「穀雨」です。穀雨とは、春雨が降り、百穀を潤すという意味です。
今頃は確かに高い山々も雪が解けて「鳥」や「馬」の形に雪が残り、その地方にとっては種をまくのに最適の時期を知らせてくれる季節でもあります。
この時期は、五穀豊穣を祈って、地方では「神楽(かぐら)舞い」を行なうところもあります。去る17日(日)、午前中は春の猛烈な嵐にみまわれましたが、午後は晴れました。星つむぎの村の拠点のある八ヶ岳山麓にある伊勢神社では春の例大祭を行なっておりました。オカメ、ヒョットコなどの神々に混じり、アマテラスオオミカミが天の岩戸に閉じこもり、世の中が真っ暗になったときのことを舞うシーンもありました。もちろん、これは日蝕ですね。
夜の星に目を移しましょう。今の時期は、華やかな冬の星たちは西に下り東からはしし座、おおぐま座(北斗七星)などの春の星たちが昇ってきます。北斗七星の柄杓の柄を春の大曲線に乗って伸ばしてゆくと黄色のひときわ明るく目立つ星があります。うしかい座の主星アルクトゥルス(熊の番人)です。もっと伸ばせば白い明るい星おとめ座のスピカに届きます。この明るい星たちとしし座のデネボラを結んだ三角形が春の大三角です。
アルクトゥルスを日本では「麦星」と呼びます。麦が刈り取られる季節「麦秋」のころ頭上に輝くところからこの名がつきました。今の時期はほぼ一晩中見えます。しし座と北斗七星の間には、かみのけ座があり、この中にメロット111という散開星団が淡く見えます。双眼鏡で見るのがおすすめです。そうそう、おとめ座のスピカとはラテン語で麦の穂という意味です。星座絵の乙女もまた麦の穂を手にしています。アルクトゥルスとスピカをあわせて春の夫婦星と呼びます。
穀雨とは雨降りの季節ですが、まだまだ本ものの梅雨の前です。
そう「菜種梅雨」という季語もありますね。雨のあいまに星も楽しめるそういう季節です。
菜種梅雨 髪の毛洗い スピカ冴え
<お勧めの天文書籍>
○『宇宙の始まり、そして終わり』(小松英一郎・川端裕人 著:日経プレミアシリーズ)
日本経済新聞出版社 ¥950円+税
去年、山梨県立科学館でも講演なさった小松英一郎さんのWMAP衛星データ解析に基づく宇宙論の本です。講演内容を深く理解したい方にお勧めします。
○『日経サイエンス 2016年5月号』
日本経済新聞出版社 \1,333円+税
アメリカの重力波観測望遠鏡LIGOが最近発見した重力波の特集記事が載っています。天文学、宇宙論のホットな話題を詳しく解説しています。
<星つむぎの村・イベント情報>
★138億光年宇宙の旅&星空観望会
5月4日(水・祝) 八ヶ岳オリエンタルリゾート セミナーハウス 1F
18:30~ 手作り望遠鏡づくり(一つ 2500円)
19:30~ 138億光年宇宙の旅のお話 by 宙先案内人 高橋真理子
20:20~ 観望会
宿泊者以外の方は、有料になりますが、「村民です」ということをお伝えいただければ、無料で参加できます。
5月28日(土)も同じ時間帯に、今度は、接近している火星をテーマにお話&観望会です。
次回もお楽しみに。
お問い合わせは info@hoshitsumugi.main.jpへ。