大阪・高槻での2日間

大阪・高槻での2日間

3月16、17日は、大阪と東京で、それぞれプラネタリウムが2日間行われていました。大阪では、16日に高槻地域生活支援センターオアシスへ、17日は高槻地域生活支援センター光へ。それぞれ別の法人さんが運営されている場所ですが、「オアシス」の小林さんが、2年前に高橋の講演を聞いたのをきっかけに、ぜひ呼びたい!と助成金もやる場所もいろいろ工面していただき、今回のイベントに至りました。ありがとうございます。

16日には、高橋、長尾、美由紀、馬場、えいいち、河村、野村、17日には、高橋、長尾、吉田、河村、馬場、えいいち、大澤でお伺いしました。
それぞれレポートは、河村と大澤です。

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16日、喫茶スペースに設営した4mドーム。初回にスタッフの方々へ、14時の投影からはスタッフのお子さんや利用者さんへ、計7回を見ていただきました。すべて真理子さんの解説です。認知症や精神に不安を抱えていらっしゃる方の中にも星が好きな方おられ、へびつかい座のお話をしてくださり、私はスマホで星座を検索しながら一緒にお話を楽しませていただきました。
お返事をしっかりしてくれる元気な視覚障害のある女の子。お母さんと一緒に夜空を感じている様子でした。大人の方々は皆さん比較的静かに見ておられましたが、外に出てから「よかったです!」と笑顔を見せてくださいました。

スタッフの小林さんは、最初は天井投影でもいいかなと思ったんですが、やっぱりドームをお願いしてよかったです、と仰っていました。投影と並行しての折り紙ワークショップ。星を作り、そのうちに鶴、やっこさん、カメラ、風船などを一緒に作り、ほっこりした時間となりました。
1Fの共有スペースには直径20cmほどのカラフルな丸いモノがいくつも飾られてあり、お聞きすると利用者さんたちの手作りランプシェードとのこと。作り方としては、ゴム風船を膨らませ、その表面に接着剤をぬり、乾かないうちにいろんな色の紐をぐるぐる巻きつけ、接着剤が乾いたら最後に風船を破ると球状のランプシェードが出来上がる、という素敵なものです。そしてなんと私に一つくださると♪なかなかにシックな色合いのものを選ばせていただきました。ありがとうございます。

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地域生活支援センター光では脳性麻痺などの大人の方が入所しておられます。今日はその入所者さんと、同じ敷地の児童養護施設の子どもさんたちとが来てくださいました。全部で8回投影です。
ドームは礼拝堂の中に設置。折り紙のワークショップは別の部屋を設けてくださっていました。

午前中は、車椅子の大人の方が4名くらいずつとスタッフの方が入られました。それぞれ、少し緊張しておられたり、逆にわくわくととても楽しみにしておられるのが感じられる方もおられたり、と様々でした。投影が始まるとスタッフさんも楽しんでおられるのを感じました。緊張しておられた入所者さんも、終わってお顔を見た時には穏やかに緩んでいるのが感じられたのでした。
「中2の時以来、本当に久しぶりにプラネタリウムを見ました」という方も。

午前の投影が終わり、昼食にはオアシスさんが野菜たっぷりのお弁当を用意してくださいました。それをいただきながら、光さん、オアシスさんの関係者の方が、ご自身の施設のことなどをお話してくださいました。光さんでは、高齢になってゆく脳性麻痺などの入所さんのご両親に対して「この方たちは、私たちがしっかり見守りますので、お父さん、お母さんはどうぞ安心して亡くなってください」とおっしゃるのだそうです。「この子を残して死ねない」という親御さんの声などをお聞きしていたなかで、これも、本当に深くやさしいご配慮だな、と思ったのでした。オアシスさんのお話で印象的だったのは、医療的ケア児の保護者がほっとできるような取り組みもしてゆきたい、というお話でした。また、児童養護施設のお子さんのお話で、18歳で施設を出てゆかなくてはならないものの、住む場所がなければ働けないという、今の制度の厳しさを語っておられるのが印象的でした。お話をお聞きしていると、いろんなしんどい思いをされている方々へ目配り気配りしておられる心の姿に励まされる思いでした。

そして、今日の星の投影は、そういったしんどい思いや心に傷のある方へ、「癒されてほしい」という心からのお気持ちで呼んでくださったことを感じ、その深い思いに頭が下がるのでした。午後からは児童養護施設の子どもさんたちへの投影が4回ありました。小さいお子さんは元気いっぱいだけれど、その中でも、自分の生まれた場所がわからない、誕生日がわからないというお子さんもおられて、深い気持ちになりました。
他のお子さんから離れて、輪の中に入れない女の子がいたのが心に残りました。
投影の時も、あまり動かず静かにしていたのでした。星座のところでも反応なかったので、となりにいた私は小さな声で「何座?」と聞くと、「ふたご座」と恥ずかしそうに答えてくれました。投影が終わった時、「また一緒に星を見ましょうね」と声をかけると、こくんとうなづいてくれました。折り紙の星を各自もって帰ってよい、という趣向になっていたのですが、その折り紙の星を、ためらいがちに、その女の子も一つ取っていたってくれました。

投影前の説明は、長尾さんがしてくださいました。これから見る方々へ気持ちをほぐすように、語りかけておられた長尾さんでした。14時までおられた河村さんはてきぱきと心配りされていたのでした。
りゅうさんと、馬場さん、高校生の方は主に、折り紙のワークを。プラネタリウムのお手伝いの合間にちらちら見ていただけなのですが、子どもさんたち楽しんでおられました。
私も紙飛行機で、小さな女の子と投げ合いっこをちょっとだけしたのでした。紙飛行機や折り紙など、仲良くなれるツールなのを感じました。

今日出逢ったいろんな境遇の方々が、星を見ることで、少しでも気持ちが変わったり、生きやすくなるきっかけになったらいいな、と祈るような気持ちになりました。そして、支える方たちのお心の温かさ深さを感じた今日でした。医学生の馬場さん、医学部をめざす高校生の方の参加に、今日の豊かな出逢いがきっと心の糧になることを感じていました。
お世話になったみなさまありがとうございました。