星つむぎの村通信 No.25 2017年3月20日 春分

星つむぎの村通信 No.25 2017年3月20日 春分

暑さ寒さも彼岸までといわれるように、朝晩は冷えますが日中はかなり暖かくなりました。
3
20日は二十四節気の春分です。
太陽の黄経は1年かかって一回りしましたので、360°です。
太陽の黄経とは太陽が天球上を通る経路(黄道という)1周360°24等分したものをいいます。
春分をとしてスタートし、節気が一つ進むごとに15°ずつ足されていきます。
いよいよ年度末、高校、大学などの入試も終わり、進学・就職その他新年度への準備にお忙しい方々も多いことと思います。

春分や 星も悩みも ひとまわり
(文責 青りんご)


今号の目次——————————-

【今号の1枚!】

【時季の星空】

【星つむぎの村イベント情報】

【星つむぎの村イベント報告】

【寄稿:冬のアルビレオ~おおいぬ座の二重星】

【どんな人なの?プロジェクト村民~その6~】

【星じいのなんちゃってクイズ】

【お知らせ】

———————————————-


【今号の1枚!】

『春の朝の銀河中心』
北杜市内から39日朝の天の川です。
この日はよく晴れ、星や星雲がたくさん写りました。
(撮影:青りんご)

天の川は、左上から右下にきれいに流れています。
写真中央の一番明るい星が土星です。
土星を右に進むともう一つのとても明るい赤っぽい星、さそり座のアンタレスが見つかります。
さそり座は写真右下に大きくSの字を書いて立った姿をしています。まるで天の川に釣り針を垂れたよう。
土星の左下にある濃いピンクのかわいい集まりはM8、干潟星雲と呼ばれる散光星雲です。
土星から干潟星雲をたどってそのまま写真下の屋根の方に進んでいくと、台形の形をした四つの星並びがあります。
いて座にある南斗六星のひしゃくの枡の部分ですね。
日の出の時間もだいぶ早くなってきましたが、早起きした朝には、一足早く夏の星座を楽しんでみてはいかがでしょうか
(文責・植村あゆみ)

—————————————-

 

【時季の星空】

春の訪れとともに、夜空は冬の華やかな星々から、穏やかに光る春の星々へバトンタッチです。
8時頃、南東の空に見えている「?」マークを裏返したような形の星並びは、「しし座」の頭の部分です。
獅子の胸に白く輝く星はレグルス。
そこから東へ視線を伸ばすと、しっぽの星デネボラがあります。
「しし座」のレグルス、「ふたご座」のポルックス、「こいぬ座」のプロキオンでできる三角の中、南の空高くには「かに座」があります。
4
つの星で形作られたカニの甲羅の部分にぼんやりと見えるのは、「プレセぺ星団」という星の集まりです。
「かに座」と「しし座」の下方には、「うみへび座」がにょろにょろと長い姿を見せています。

この、「かに座」、「しし座」、「うみへび座」は、ギリシャ神話では、お化けガニに、人食いライオン、そして、9つの首を持つヒドラといった怪物たちの姿です。
この怪物たちと戦ったのは、英雄ヘルクレス。
ヘルクレスは、大きくて、鉄よりも硬い皮をもつ人食いライオンと、三日三晩の死闘を繰り広げ、倒しました。
また、切っても切っても倍になって生えてくるヒドラの首には、たいまつの火をつけて燃やし、最後に残った首は、巨大な岩で封じ込めてしまいました。
このヒドラとヘルクレスの戦いを見ていたのは、お化けガニです。
お化けガニは、ヒドラの親友でした。
初めはヒドラが優勢だったため、じっと見ていただけでしたが、ヒドラが追い詰められてくると、お化けガニは、ヘルクレスの足をハサミで力いっぱいはさみました。
しかし、お化けガニの攻撃は、ヘルクレスに全く通じず、あっさりと踏みつけられて死んでしまいました。
ヘルクレスを憎んでいた女神ヘラは、この怪物たちのがんばりをたたえ、星座としたのだということです。

ヘルクレスから見れば悪者3匹ですが、怪物の側から見れば、友情のお話。
また、ヘラから見れば、勇敢な者たち。
立場が違えば見え方もずいぶん変わってくるものですね。
(文責・小林さやか)

—————————————-


【星つむぎの村イベント情報】

<星つむぎの村東北ツアー>

「星空を旅しよう!-プラネタリウムがやってくる」
プラネタリウム投影(4回)&ワークショップ(地球ごま、星のなる木ランプ、ボトルドスターなど)
参加無料、どなたでも参加可能ですが定員はおよそ80

主催: 生活協同組合ユーコープ みやぎ生活協同組合
協力: 星つむぎの村

48日(土)14301630
石森ふれあいセンター(登米市中田町石森字茶畑7

49日(日)10001200
みやぎ生活共同組合 文化会館アイトピア(石巻市中央2-7-3

プラネタリウムのエアドームに入って、一緒に星空の旅に出かけましょう!
ワークショップは、子供から大人まで楽しんでいただける、面白い&素敵な工作です
お近くのみなさま、ぜひ足をお運びください!
—————————————-


【星つむぎの村イベント報告】

<旅いくキッズフェスタ2017

318日(土)に、品川シーズンテラスで開催された「旅いくキッズフェスタ2017」に参加してきました。
旅いくキッズフェスタは、企業や自治体がアートやものづくりなど様々な体験を提供する子供向けのイベントです。

星つむぎの村は、スターオーシャン八ヶ岳実行委員会と共に、エアドームでのプラネタリウムと3つのワークショップを行いました。
行列がなかなか途切れないほどの盛況ぶりで、プラネタリウムは計7回の投影を行いましたが、お昼頃には15:30の最終回までほぼ完売の状態でした。
ワークショップは、『星つむぎのカード』、『ポップアップカードのプラネタリウム』、『地球ごま』の3つ。
『星つむぎのカード』は、ポストカードに小さな穴がいくつも空けてあり、そこに順に糸を通していくと、星座の形が現れるというもの。
最後に星の位置にキラキラのシールを貼って完成です。
『ポップアップカードのプラネタリウム』は、ミニランプのような形になるカードに、星座の位置に沿って穴をあけ、後ろからライトを照らすと空けた穴から光がさして、星たちが輝くというもの。
カードには絵やシールで飾り付けして、完成です。
どちらもとってもおしゃれでかわいくて、子供たちはもちろん、親御さんにも人気でした!
あまりの人気に待ち時間が長くなってしまうこともありましたが、その間にいろいろお話を伺うと、自分の星座の神話について話してくれる小学生の女の子がいたり、以前この通信で紹介した「宇宙戦隊キューレンジャー」の話で男の子と会話が弾んだり、八ヶ岳の星空をぜひ見に行きたいと言ってくださるお母さんがいたり、参加者の皆さんとの交流の時間にもなりました。
『地球ごま』は、何の変哲もない塩ビ管に、青、緑、黄色のシールを貼っただけで、地球の周りを月が満ち欠けしながら回る様子が見られる面白いこま。
くるくるっと回してみると、こちらがニンマリしてしまうくらい、毎度子供も大人も「おお~!!」と驚きの声をあげてくれました。
たくさんの方が参加してくださり、とても嬉しく思っています。
参加してくださったみなさんが、これをきっかけに、自宅でもまた星を見上げてくれたらと願っています。

(文責 植村あゆみ)
イベントの様子は、写真と共に、HPにも掲載予定です。

—————————————-


【寄稿:冬のアルビレオ~おおいぬ座の二重星】

夜空に輝く星(恒星)の中には、となりどうしの星と非常に近いところにあるように見え、2つの星が肉眼では一つに見えてしまうものがあります。
これを二重星といいます(3重星もあります)。
二重星のなかには、本当にすぐ近くにあってお互いの重力でつながっているもの(連星)と、たまたますぐ近くに見えるだけで実は地球からの距離がずいぶんと違うもの(見かけの二重星)とがあります。

夏に見える白鳥座のくちばしの星・アルビレオは,全天で最も美しい二重星と言われるように、望遠鏡で見るとブルーとオレンジの色の違いが見事で、宝石のサイファイアとトパーズが並んだように見えます。

一方、冬の星座であるおおいぬ座の中に、「冬のアルビレオ」とも呼ばれる美しい二重星があります。
こちらは、おおいぬ座145番星で、おおいぬ座の腰のあたりにあります。
5等星と6等星の暗い二重星ですが、澄んだ冬の夜空では、小さな望遠鏡でもその水色と黄色のコントラストが楽しめます。

アルビレオが宮澤賢治の銀河鉄道の夜にも登場するくらい有名なのに対し、おおいぬ座145星はその名前からもわかるとおりほとんど無名の星。
そんな星を望遠鏡で探して、その美しさを鑑賞できるのも、八ヶ岳の星空の魅力ですね。
みなさまぜひ一度八ヶ岳にお越しください!
(文責 跡部浩一)

—————————————-


【どんな人なの?プロジェクト村民~その6~】

星つむぎの村のことをもっと知ってもらおう!と始まったこの企画、6人目は、星つむぎの村村長の前島映嘉さんです。

前島映嘉
山梨県笛吹市在住の前島映嘉(てるよしと読みます)です。

県庁を退職し山梨県立科学館に勤めるようになり、プラネタリウムや「ライトダウン甲府(当時)」の活動に触れ、星空や宇宙に関心を持つようになりました。
村に入るきっかけでもあります。

星空より宇宙に惹かれています。
きっかけは佐治晴夫先生の「からだは星からできている」を読んだことです。
地球上に自然に存在する元素は138億年の宇宙の営みの中で、幾度かの星の誕生と超新星爆発などによる消滅の繰り返しにより生まれてきたことを知りました。
この驚きを次男(昭和55年生まれ)に話したところ、「そんなこと常識じゃん」と言われまた驚いたことを覚えています。
天文学の進歩に興味を持っています。

村以外の活動としては、
「波濤」という短歌結社の第二同人として山梨支部の短歌会に毎月参加することと本誌に5首投稿する活動をしています。
NPO法人「山梨情報通信研究所」の監事と「教育・人材育成ワーキンググループ」での活動で「スクラッチ」というプログラミング言語の普及活動をしています。

—————————————-


【星じいのなんちゃってクイズ】

星を見てると、青白かったり赤っぽかったりいろんな色をしてるね。
どうしてかな?これは星の表面温度と関係しているんだ。
温度が高いと白っぽく、低いと赤っぽくなる。
では、我らが太陽の表面温度はいったいどのくらいだろう?
次の中から答えてね。
なお、白っぽいのは若い星、赤っぽいのは年老いた星だと言うことも知っておこう。

1 約60000度  2 約6000度  3 約600度

(答えは次号)
——————————————


【お知らせ】

42日のミーティングを経て、村通信のスタイルが変わる(かも!?)予定です。
4
4日清明の通信はお休みさせていただきますが、ご了承ください。
お詫び:前号啓蟄号の巻頭の発行番号がNO.23と書いてありますが、NO.24の誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。

————————————————-

 ★☆・本通信に関するお問い合わせ・☆★

info@hoshitsumugi.main.jpまでご連絡ください
みなさまからの情報、寄稿、ご意見も、お待ちしています!!

————————————————-