やまなしみんなでプラネタリウム

やまなしみんなでプラネタリウム

2025年6月7日(土)山梨県北杜市の「あおぞら共和国」にて、「やまなしみんなでプラネタリウム」を開催しました。ここにあらためて報告いたします。

◆ 企画趣旨:すべての人に星空を――共に生きる社会の実現へ

山梨県北杜市にある「あおぞら共和国」は、難病の子どもとその家族のためのレスパイト(休息)施設として、県内外から多くの利用者を迎え入れています。この施設を運営する認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワークは、長年にわたり、難病児や障がい児と「共に生きる社会」を目指し、支援活動を続けてきました。

一方、同じ北杜市を拠点とする一般社団法人 星つむぎの村は、「すべての人に星空を」というミッションのもと、星空を通して誰もが共に生きられる社会に近づくことを願い、出張プラネタリウムなどの活動を展開しています。

今回、この共通の想いを持つ二つの団体が手を携え、山梨に暮らす難病児、重症児、医療的ケア児や障がい児、そのきょうだいやご家族、さらには医療従事者・支援者など、すべての人が一緒に星を見上げ、出会い、つながることができる場として、「やまなし みんなでプラネタリウム」を開催いたしました。

この取り組みが、「より優しい山梨県」への一歩となることを願って――。

◆ 実施報告
日時:2025年6月7日(土)
場所:あおぞら共和国および白州体育館
参加者: およそ270名
関係者: 70名(出演者、出店者、共催・協力団体、ボランティア)
ご支援: 赤い羽根共同募金:前田和子基金「重症児等とその家族に対する支援活動応援助成」
株式会社 サントリー(飲み物7ケースご提供いただきました)
清田愛未さま(プレゼントのCDを無償ご提供いただきました)
主催: NPO法人 認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク
共催: 一般社団法人 星つむぎの村
協力: つゆきグループ、ぱるぽるか、日本クリニクラウン協会

プログラム内容:
★4mドームプラネタリウム(交流棟)5回、7mドームプラネタリウム(白州体育館)5回
★音楽ステージ(芳晴&じゃがたらーず、手話パフォーマーすぎちゃん)・クラウンステージ
★ワークショップ(サンキャッチャー、木のおもちゃ)
★クラウンとあそぼう
★音やおもちゃあそびコーナー
★森探検
★マルシェ(角煮Deco、ゆきえん珈琲、ピクニック、ほのほのカフェ)
★療育相談(難病ネット)
★休憩、保健室(つゆきグループ)
★合い言葉さがし(スタッフに合言葉は?を聞いて、集めるとプレゼント!)

芝生広場には、バギーや車いす、ストレッチャーを利用する子どもたち、そしてその家族が集い、走り回る子どもたちの笑顔もあちこちに見られました。芳晴&じゃがたらーずのみなさんは、ステージ前後も、自然と歌声喫茶のように、みんなで輪になって歌う姿も。クラウンたちは、きょうだいさんたちをジュニアクラウンにひきつれ、いろんな人たちを笑わせてくれます。

どこを見ても幸せそうな表情に包まれ、「感無量」という言葉がぴったりの風景でした。

加えて、県内の大学・高校から18名の学生ボランティアが参加。少し緊張気味のボランティアさんたちも、みんな笑顔で参加者をお迎えし、終わるころにはすっかり仲良くなっていました。出演者でもある鈴律による美しいちらし・会場図・森マップも大好評でした。そして、当日の記録写真は、山梨を拠点に活動されている写真家・田口さんにご協力いただきました。

今回のイベントは、これまでの活動やご縁、「小児病棟わくわく応援団」でのネットワークなど、多くのつながりが結実したひとときだったように思います。本当に、感謝しかありません。

◆ 感想

<参加者の声>
★子ども達が仰向けで寝転がりながら観覧でき、表情もよく見えてとてもよかったです。嬉しそうに声をあげる様子に、参加してよかったと心から思いました
★初めての参加で不安もありましたが、我が子たちがとても楽しそうで、またぜひ来たいです
★ただ星を見るだけでなく、声出しOKということが新鮮で楽しかったです。他のプラネタリウムでは味わえない空間でした
★星つむぎさんの活動や、あおぞら共和国さんの活動を、もっともっと知りたいと思いました。
★主人は家の外で子どもが活動する様子をほぼ初めて見たのですが、皆さんに名前を呼ばれる姿を見て、「人気者なんだね」と驚いたようでした。
家の外にも自分の居場所を持っている子どもの姿に、安心と感動、そして受け入れて下さる皆さんに感謝を感じた時間になりました。
また、森の探検も「行っておいで」と送り出して下さるスタッフの皆さんのおかげで、初めての森林浴を体験できました。なかなかの悪路で、他の施設などでは止められそうな揺れの中、本人は至って平気そうでした。子どもの可能性を遮らず、やらせて頂けて良かったです。
★お天気にも恵まれ、とても心地よかったです。娘も外のブルーシートで寝転がり、終始ご機嫌で過ごし、とてものんびりできました。販売されていた食べ物も美味しかったです!

<ボランティアの声>
★7メートルドームのプラネタリウムは初めてでした。とってもたくさんの人と一緒に見ることで、特別な時間になりました
★放課後デイの子どもたちや職員に紹介できてよかったです。活動の輪が広がると嬉しいです
★ボランティアとして参加しました。空気の澄んだ場所で身体を動かすことは、自分自身にとっても大切な時間でした
★継続を望みます
★リラックスヨガや親子で楽しめる簡単体操、スキンシップ遊びなどの要素も加えると、より多くの人に楽しんでもらえると思います
★この一日の出来事や想いを、以下の短歌に込めました。
合言葉でもあった「山梨のみんな同じ空の下」という言葉を引用しながら、
集まった笑顔と星空のつながりを表現しました。
山梨の
みんな同じ
空の下
笑顔こぼれて
星がこたえる

◆ 次回にむけて

来年もまた第2回やまなしみんなでプラネタリウムを開催します。
なお、今年度は、甲府にて「しぶたね」さん(きょうだい支援)をお招きし、イベントも開催予定です。お楽しみに!

誰もが自分らしく、誰もが必要とされ、「みんな違ってみんな一緒」の社会に向けて、これからも一歩一歩、歩みを進めていきたいと思います。