岩手医科大学病院にて

6月28日(金)、岩手医科大学病院の無菌病棟にいらっしゃる子ども達にプラネタリウムを届けました。TOOTHFAIRYチャレンジキッズプロジェクトの一環です。
今回はいわてこどもホスピス準備委員会さんのご尽力で実現しました。
星つむぎの村からは、高橋、跡部、藤田、浮森、一般社団法人いわてこどもホスピスの工藤夫妻が参加しました。4mドームでのお届けです。
レポートは浮森・藤田です。まずは浮森のレポートから。
朝それぞれの出発地から、12:32盛岡駅合流。
工藤さんにピックアップしてもらって、大学病院へ。
とても大きな”大学病院”の看板。地上のヘリポート!(実物のドクターヘリにちょっと興奮しました)
ドームを立ち上げているときに、廊下を通る職員さんたちがのぞき込んでいかれます。
工藤さんにピックアップしてもらって、大学病院へ。
とても大きな”大学病院”の看板。地上のヘリポート!(実物のドクターヘリにちょっと興奮しました)
ドームを立ち上げているときに、廊下を通る職員さんたちがのぞき込んでいかれます。
今回は2回投影で、
①14:00 患児さん3人 ご家族1人 スタッフ等7人(投影:高橋)
②14:45 患児さん4人 ご家族4人 スタッフ等4人(投影:藤田)
入る時には、ちょっとおっかなびっくりの様子だったが、出てきたときには、お母さんときれいだったね~と話していました。
1回目の予定だったが、見ないと言っていた中高生くらいの男子が、2回目に見に来てくれました。やっぱり、気になったのかな?うれしかったです。
いわてこどもホスピスさんの、風船オブジェが素敵すぎました。星に注目!
②14:45 患児さん4人 ご家族4人 スタッフ等4人(投影:藤田)
入る時には、ちょっとおっかなびっくりの様子だったが、出てきたときには、お母さんときれいだったね~と話していました。
1回目の予定だったが、見ないと言っていた中高生くらいの男子が、2回目に見に来てくれました。やっぱり、気になったのかな?うれしかったです。
いわてこどもホスピスさんの、風船オブジェが素敵すぎました。星に注目!

続いて、藤田のレポートです。
☆☆☆
盛岡初日。「いわてこどもホスピス」のシャツを着た工藤夫妻に迎えられて最初に伺ったのは、岩手医大病院。
大きなヘリポートがある大きな大きな病院でした。田園風景のなかにありながら、地域の高度医療を一手に担っているのだという存在感をじんじん感じさせられる、雄大な佇まいでした。
大きなヘリポートがある大きな大きな病院でした。田園風景のなかにありながら、地域の高度医療を一手に担っているのだという存在感をじんじん感じさせられる、雄大な佇まいでした。
重度の障害があるわが子にとって、大学病院はもっとも身近でありながら途方もなく遠い存在です。
(これを説明するのはちょっと難しいのですが)この中で、いったいどれだけたくさんの人が命と向き合っているのだろう。
そしていったいどれだけのいのちの物語が、つむぎだされているのだろう。この岩手の地で、そんな大学病院の中に星空を届けに行くということ。
荘厳な建物を前に、気が引き締まる思いでした。
(これを説明するのはちょっと難しいのですが)この中で、いったいどれだけたくさんの人が命と向き合っているのだろう。
そしていったいどれだけのいのちの物語が、つむぎだされているのだろう。この岩手の地で、そんな大学病院の中に星空を届けに行くということ。
荘厳な建物を前に、気が引き締まる思いでした。
☆☆☆
研修室に立ち上げた4メートルドームにやってきてくださったのは、無菌室で頑張っているお子さんたちとそのご家族でした。 1回目の投影は、真理子さん。
中学生くらいの少年たちが3人、来てくれました。 いつものように「お星さま見ましょうね〜」と声をかけても、沈黙。まぁそりゃそうだわな。
いきなり知らないおばさんにお星さまみましょうねと言われても…ね、
と自分に呆れながらもしつこく声をかけてみるものの、目も合わせていただけない。「宇宙旅行に行くぞー
」 「…。」 そんな雰囲気のまま、ドームに入っていきました。
中学生くらいの少年たちが3人、来てくれました。 いつものように「お星さま見ましょうね〜」と声をかけても、沈黙。まぁそりゃそうだわな。
いきなり知らないおばさんにお星さまみましょうねと言われても…ね、
と自分に呆れながらもしつこく声をかけてみるものの、目も合わせていただけない。「宇宙旅行に行くぞー

☆☆☆
ドームの中で躊躇しながらも寝っ転がろうとしていた少年に
「頭がこっち側になる方が…」と声をかけたら寝っ転がるのをやめてしまい、お互い「…。」私が隣に寝転がるのも申し訳ないような感じで、なんとも所在ない気持ちで体育座りをしました。 もはや「無菌室にいる子」とか、「病気と戦っている子」とかいうことはすっかり忘れて、思春期男子はニセモノの星を受け入れるのか?!という冷静な疑問とちょっとハラハラする気持ちを忙しく抱え、落ち着かない気持ちで投影が始まりました。
「頭がこっち側になる方が…」と声をかけたら寝っ転がるのをやめてしまい、お互い「…。」私が隣に寝転がるのも申し訳ないような感じで、なんとも所在ない気持ちで体育座りをしました。 もはや「無菌室にいる子」とか、「病気と戦っている子」とかいうことはすっかり忘れて、思春期男子はニセモノの星を受け入れるのか?!という冷静な疑問とちょっとハラハラする気持ちを忙しく抱え、落ち着かない気持ちで投影が始まりました。
☆☆☆
投影が始まってからようやく寝転がった少年は、見てるんだか見てないんだか…聞いてるんだか聞いてないんだか…私からは、心ここにあらずという感じに見えました。 ところが。
ライトダウンして目を開けた瞬間、その少年が目を見開いて 「きれいだ…これはきれいだ!」 と呟いたのです。
そしてその見開いた目でソラをみつめたまま、 「だから暗い方が好きなんだ」 とも。 そのつぶやきは、感動しているような、でもどこか怒ってもいるような、
とても力のこもったつぶやきでした。 そのことばに静かに寄り添うように、真理子さんが、 「暗闇があるから、光が見えるんだね」と語り掛けていました。 暗闇を見つめる少年と、光を語る真理子さんと。
同じソラの下、確かにそこには対話があって、そんな2人に挟まれて私も同じソラを見上げていることが幸せで、ありがとうという気持ちでいっぱいになりました。
投影が始まってからようやく寝転がった少年は、見てるんだか見てないんだか…聞いてるんだか聞いてないんだか…私からは、心ここにあらずという感じに見えました。 ところが。
ライトダウンして目を開けた瞬間、その少年が目を見開いて 「きれいだ…これはきれいだ!」 と呟いたのです。
そしてその見開いた目でソラをみつめたまま、 「だから暗い方が好きなんだ」 とも。 そのつぶやきは、感動しているような、でもどこか怒ってもいるような、
とても力のこもったつぶやきでした。 そのことばに静かに寄り添うように、真理子さんが、 「暗闇があるから、光が見えるんだね」と語り掛けていました。 暗闇を見つめる少年と、光を語る真理子さんと。
同じソラの下、確かにそこには対話があって、そんな2人に挟まれて私も同じソラを見上げていることが幸せで、ありがとうという気持ちでいっぱいになりました。
☆☆☆
私は今、小学校で6年生に家庭科を教えています。 家庭科なんてツマラナイ
家族のことなんて話したくない そんなオーラ全開の子どもたちから感じる、シラけた空気。
小さな怒りを伴った拒絶。でもその怒りや拒絶の向こうに、どこか小さな扉があるような気がして、
その扉の場所が知りたくて、扉の向こうに行きたくて、
彼らの怒りを受け止めたらいいのか、跳ね返したらいいのか、それとも戦えばいいのか、
いつもいつも葛藤しています。 おんなじだなぁと思いました。
学校にいようが、病院にいようが、おうちの中にいようが。
みんな自分の気持ちと体に精いっぱい向き合って生きていて、
受け入れながら拒絶して、拒絶しながら受け入れて。
その周りにはそんな命を応援せずにいられない、タテよこななめの関係のあたたかな他者たちがたくさんいて。生きる、生き抜くって、みんな同じだなと思いました。私はあなたであなたは私。
そう思ったらやっと落ち着いて、いっしょに星を見上げるただのひとりとして、
隣に寝転がることができたのでした。
☆☆☆
家族のことなんて話したくない そんなオーラ全開の子どもたちから感じる、シラけた空気。
小さな怒りを伴った拒絶。でもその怒りや拒絶の向こうに、どこか小さな扉があるような気がして、
その扉の場所が知りたくて、扉の向こうに行きたくて、
彼らの怒りを受け止めたらいいのか、跳ね返したらいいのか、それとも戦えばいいのか、
いつもいつも葛藤しています。 おんなじだなぁと思いました。
学校にいようが、病院にいようが、おうちの中にいようが。
みんな自分の気持ちと体に精いっぱい向き合って生きていて、
受け入れながら拒絶して、拒絶しながら受け入れて。
その周りにはそんな命を応援せずにいられない、タテよこななめの関係のあたたかな他者たちがたくさんいて。生きる、生き抜くって、みんな同じだなと思いました。私はあなたであなたは私。
そう思ったらやっと落ち着いて、いっしょに星を見上げるただのひとりとして、
隣に寝転がることができたのでした。
☆☆☆
「○○くんは今日は楽しいことあったかな?」という真理子さんの語りに、
「あるわけないね!!」
と答えてくれた少年もいました。
ちょっとふてくされている風におどけていったその言い方がおかしくて、
こちらが救われる思いでした。
「あるわけないね!!」
と答えてくれた少年もいました。
ちょっとふてくされている風におどけていったその言い方がおかしくて、
こちらが救われる思いでした。
☆☆☆
ここにある日常は、きっと想像してもしてもしきれない景色なのだと思います。
でも、その日常の中のほんの一瞬同じ場所で同じ時間を重ねられたことは
、私の日常の景色を今なお揺さぶりかけてくれています。出会ってくださったことに感謝の気持ちがあふれるとともに、
この出会いが重なり合って小さな新しい物語を紡いでいけるように、
その物語が重なり合っていつか大きな新しい景色を作り出していけるように、
星を届けていきたいと思いました。「一緒に星を見ることで、今日よりちょっと素敵な明日になりますように」
あの日一緒に星を見上げてくれた皆さんひとりひとりに、ただただそう願って止みません。