2020年を振り返って

2020年を振り返って

2020年最終日になりました。緊張感が増す中、日々、いのちを守るお仕事をされているみなさま、ほんとうにありがとうございます。

コロナ禍にあり、200日出張があった2019年度から大きく変化をする1年でしたが、その分、新しいことも多くできた年でした。以下、この1年の活動のトピックスです。

★一気にフライングプラネタリウムへ
2019年1~3月に、在宅の方向けのフライングプラネタリウムを集中的に実施していました。2月末に初の公開フラプラを行い、一斉休校となった3月上旬から定期的な「全国一斉フライングプラネタリウム」行うようになりました。3月~6月の出張はすべてなくなりましたが、5月からは、病院の小児科などでも、フライングプラネタリウムを実施してくれるところがでてきて、病院や施設、団体さんが依頼してくださったフライングプラネタリウムは45件ほど。個人、在宅向けのものは30件。他、児童・生徒向け、大学講義などが20件ほど、一般公開されたフラプラはさまざまなコラボものも含め36回、直接出向く出張イベントは30件といった状況でした。

オンラインになったおかげで、病室にいる子どもさんと、そのきょうだいさんが同じものを同じ時間に体験することが可能になりました。心あたたまる感想を数多くいただき、それに救われる日々でした。

一般公開のライブ配信は、定期的なフラプラ以外に、星つむぎの村の顧問をつとめる覚和歌子さん、丸尾めぐみさんのリーディングライブ「星のポエトリックオペラ」も定期的に配信しています。

クリスマススペシャルでは、村人たちが「星つむぎの歌」の手話を披露しました。

 

★星の寺子屋

一斉休校を機に、zoomを使っての子どもたちの学びの場を開設。歩いて学校や保育園に通う子どもたちも、入院中の子どもたちも、医療的ケア児や重心児など、いろいろな子たちが集う場に発展し、月1回のペースで続けています。

 

★子どもたちのPale Blue Dotが国連総会対話に

こちらもさまざまな環境にいる子どもたちが参加し、それぞれの「地球」を表現する映像を制作し、それが、第75回国連総会対話で披露されました。

「すべての人に星空を―「病院がプラネタリウム」の風景」刊行

「病院がプラネタリウム」を通して出逢った人々とその人生のエピソード集として、ようやく上梓することができました。ここからまたさまざまな出逢いが生まれています。9月20日には、本に登場してくださった方々にご出演いただいた、出版記念トークも行いました。

 

★「みんなでプラネタリウム」や村人企画さらに発展

愛知県大府市ではじまった「みんなでプラネタリウム」は、星つむぎの村のプラネタリウムを軸に、地域の人たちがつながり、大きな宇宙の中で今同じ時間を過ごす喜びをともに感じるイベント。おおぶみんなでプラネタリウムは今年は、オンライン配信に加え、市内4つの学校や学童、病院での投影も行い、おそらく2000人ほどの大府市民がプラネタリウムを見る機会になりました。

また、東京都多摩市でも、「みんなでプラネタリウム」。オンラインで、文化祭に出品した他、小さなカフェでのプラネタリウム、児童館での観望会などなど、星の輪が広がっています。

去年、大盛況だった新潟県柏崎市では、今年の開催は見送りましたが、代わりに、フライングプラネタリウムをするための機材を助成金で購入。これから、新潟のあちこちに星が届けられていくことでしょう。

また、福岡県筑紫野市では、村人の企画によってSpace Fantasy LIVEが実現。2019年9月の台風で延期になり、2020年2月、コロナ直前で実施することができました。

★「本の森だより」「村通信」発行

村通信は、以前から月1回満月の日に発行されています。多くの村人が執筆にあたっています。加えて「本の森だより」も、村人の手によって、特に病室にいる子どもさんや親御さんに、ということを意識して、絵本などの紹介を行い、2か月に1回の発行をはじめました。

 

★村人交流もより活発に

星つむぎの村の村人は、全国あちこちにちらばっています。今年は、zoomで何度も、村人の交流会・無尽が開催され、誰かのトークを聞く回、ワークを考える回、復興応援を考える回、絵本の読み聞かせの回、などなど互いに学びあい、共有する時間が増えました。

またコミュニケーションツールとして、slackを導入したことで、気軽なコミュニケーションが増えています。

 

星の雑貨屋さん(オンラインショップ)開店

長年の夢?だった、オンラインショップがついに開店。村人の手作り作品がずらりとならんでいます。世界に一つしかない作品の数々です。また、関連書籍もすべてここで手にはいるようになっています。

カレンダーも毎年、とても好評いただき、年明けすぐに売り切れご免となりそうです。

 

★アニュアルレポート発行

これも法人設立以来の課題であった、アニュアルレポート2019が完成しました。ネットでもご覧いただけます。

 

★「戦場に輝くベガ」などのオンライン上映

2020年は戦後75年を迎えました。コロナ禍で、多くの平和イベントもなくなってしまいましたが、共同代表の2人がかつて制作した「戦場に輝くベガ」をオンラインで特別上映をおこないました。また三鷹市主催のオンラインイベントでも、トークをさせてもらいました。

他、「きみが住む星」の上映も行い、2週間で1万5000件をこえる再生がありました。

 

★メディアで

2月のNHKシブ5時や、2019年10月に放送されたラジオ深夜便の再放送と再々放送、12月にはテレビ朝日のニュースなど、全国メディアに取り上げられた機会がありました。

 

★スターラウンド八ヶ岳もあらたに星空散歩

星つむぎの村が事務局を担う「スターラウンド八ヶ岳」では、この夏から「星空散歩」という個人むけガイドツアーを本格開始。星のソムリエの資格をもったナビゲーターたちが、大活躍しました。

などなど。

コロナ禍で、全員が当事者となり、普段から自由が制限されている人たちへの想像力が働く機会でもあり、「ソラ」というものが何よりも私たちに一番身近に、気持ちを開放させてくれる対象としてそこに変わらずあることにも気づいた機会でもあったと思っています。

星によって人々がつながることが、これほどまでに誰かの心を温めることも、あらためて実感した今年でした。星つむぎの村の仲間、出逢ってくださった皆様に心から感謝申し上げます。

悲しいお別れもありました。特に、「病院がプラネタリウム」の背中をずっと押し続けてくださっていた療育保育士の片桐有佳さんが突然星になってしまったことは、私たちに大きな衝撃と哀しみを与え、同時に、彼女の志を引き継ぎ、それが全国に世界に届くようにと使命を与えてくれているように思います。心からのご冥福をお祈りいたします。

 

一人ひとりが、大きな宇宙の中の小さな地球の、「今・ここ」で生きていることを実感できる毎日を迎えられますように。新しい年が、今年より希望にあふれていますように。