星つむぎの村通信 No.15 2016年10月23日 霜降 

星つむぎの村通信 No.15 2016年10月23日 霜降 

10月も中盤を過ぎ、澄みきった青空とともに、収穫の秋がやってきました。
あたりの田んぼの稲刈りもほとんど終わり、サツマイモや栗、りんごや梨などが
食卓をにぎわしている季節です。今年の稲はほぼ平年並みとか、
まずは、一安心というところでしょうか。
10月23日は霜降、太陽黄経は210°です。北海道ではもう雪の便りです。
そろそろ霜が降りてもおかしくない季節がやってきます。

霜降や まだ青い葉に 雪積もる
(文責 青りんご)

 

…今号の目次…………………………

☆【時季の星空】

★【星つむぎの村イベント情報】

☆【星つむぎの村イベント報告】

★【『ライトダウンやまなし』直前インタビュー】

☆【その他のイベント情報】
…………………………………………

 

☆【時季の星空】…*……*……*……*……*…

暑さ寒さを行きつ戻りつしながら、次第に冬へと移り変わる季節。
夜空では控えめな輝きの星々が、秋の訪れを告げています。
そんな静かに見える秋の星空も、ギリシャ神話では大騒ぎ、壮大な物語が繰り広げられています。
北の空高くW字形に並んだカシオペヤ座。これは古代エチオピア王妃カシオペヤの姿です。
このカシオペヤが騒動の発端でした。カシオペヤ王妃とケフェウス国王(ケフェウス座)には、
アンドロメダ姫(アンドロメダ座)というとても美しい娘がいました。
カシオペヤは娘を自慢に思うあまり、「アンドロメダ姫は、海の神ポセイドンの孫娘たちより、
ずっと美しい」と口をすべらせてしまいました。それを知ったポセイドンは激怒し、
化けクジラ(くじら座)をエチオピアの海岸に送り込んだのです。
海は荒れ、海岸では家畜や人々が襲われ、エチオピアの国は大混乱になりました。
困り果てたケフェウスとカシオペヤが神に伺いを立てると、
「愛娘を化けクジラの生贄(いけにえ)にするしかない」と告げられました。
それを聞いていたアンドロメダ姫は、自ら鎖につながれ化けクジラを待ちました。
あまりの恐ろしさに1人震えていると、海がにわかに泡立ちはじめ、化けクジラが姿を現したのです。
まさに化けクジラに一飲みにされようとしたその時、天馬ペガスス(ペガスス座)に乗った
1人の若者がひらりと舞い降りると、化けクジラに立ち向かいました。
その若者はペルセウス王子(ペルセウス座)です。
ペルセウスは、退治してきたばかりの怪物メデューサの首を化けクジラに突きつけました。
メデューサは、その顔を見たものは全て石になってしまうという恐ろしい怪物です。
化けクジラはたちまち石になり、海の底へと沈んでいきました。
その後、ペルセウスとアンドロメダ姫は結婚し、いつまでも幸せに暮らしたということです。
秋の宵、明かりを消して空を眺めてみれば、優しく光る星々が、こんな物語を語ってくれるかもしれません。
(小林さやか)

★【星つむぎの村イベント情報】…*……*…

<星の郷ミュージアム>
プラネタリウム&星空観望会

期日:2016年10月29日(土)18:00~20:30
場所: ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳 セミナーハウス
手作り望遠鏡づくり(有料)、プラネタリウム(無料)、観望会(無料)を行っています。
もしいらっしゃる場合には、info@hoshitsumugi.main.jpにご一報を。

<プラネタリウム・ミュージカル あなたへの贈り物>

難病の子供たちのもとにミュージカルを届けるために結成された「心魂プロジェクト」と
星つむぎの村代表でもある宙先案内人の高橋真理子によるコラボレーション作品。
「あなたがここにいてよかった」というメッセージが込められています。
児童養護施設あいむの子供たちも、制作者とともに、歌を歌ったり、チラシを作ったりと参加しています。

主催:戸沢まさみ財団
共催:NPO法人
心魂プロジェクト、星つむぎの村、児童養護施設あいむ
日時:2016年11月3日(木・祝)13:00会場 13:30開演
場所:山梨県立甲府支援学校「甲養館」
料金:無料(先着順)
問合せ先:児童養護施設あいむ055-220-1100
こちらのチラシもご覧ください!

<ライトダウンやまなし>
ライトダウンやまなし2016『星の郷に暮らそう』
http://www.lightdown-yamanashi.com/

1年に一度、1時間だけ、身の回りの明かりを消して夜空を見上げませんか。
18回目を迎えるライトダウンやまなしは、継続的なライトダウンとしては最も長い歴史を誇ります。
頭上に流れる天の川に抱かれた星の郷には、きっとたくさんの幸せが見つかるはずです。

期日:2016年11月5日(土) 20:00~21:00
内容:星空観望会のほか、プラネタリウムや工作等のワークショップ、コンサートなど、
県内各地の会場ごとに様々なイベントを企画しています。
場所:県内各所で同時イベント開催
・山梨県立科学館
・八代ふるさと公園
・河口湖北原ミュージアム 他5か所
詳しくは、http://www.lightdown-yamanashi.com/をご覧ください。

また、別メールでもお知らせしましたが、現在、ライトダウンやまなしでは
今年の活動に向けて、クラウドファンディングを行っています。11月5日当日の午前0時まで受け付けています。
素敵なリターンをたくさんそろえていますので、ぜひご支援、情報拡散へご協力いただければと思います。
https://camp-fire.jp/projects/view/10917
☆【星つむぎの村イベント報告】…*…*…

ライトダウンプレイベント@ラザウォーク甲斐双葉

10月15(土),16(日)に、大型ショッピングセンターのラザウォーク甲斐双葉にて
第18回ライトダウンやまなし(主催: ライトダウンやまなし実行委員会、山梨県立科学館)の
プレイベントが開催され、星つむぎの村メンバーもスタッフとしてフル稼働しました。
内容は、移動プラネタリウムやスクリーンにMitakaを投影しての宇宙旅行体験のほか、
望遠鏡や星座カード、地球ごま作りなどの工作コーナー、星空写真の展示など。
プラネタリウムと星座カード作りは大人気!
ご家族連れをはじめ、連日150人以上の方が立ち寄ってくださいました。
15日の夜には駐車場脇に望遠鏡を並べて星空観望会も行いました。
満月までもう一息のまんまるお月さまや真っ赤な火星を望遠鏡で覗いて楽しんだり、
「月をお持ち帰りしたい!」とスマホで撮影したり、買い物帰りのひと時を楽しんでいただけたのではないかと思います。
さあ、11月5日(土)のライトダウン本番も、部屋の明かりを消して、夜空を見上げましょう!
山梨県にいる人もいない人も、空はつながっています!一緒に同じ星を見ましょう!
報告の詳細や写真はHPをご覧ください。http://hoshitsumugi.main.jp/web/hoshinosato/892
(文責 植村あゆみ)

★【ライトダウンやまなし・インタビュー】…*…*…
ライトダウンやまなしは、上記のイベント情報にも記載した通り、今年18回目を迎える、
継続的な活動としては日本で一番歴史の長いライトダウンです。
1年に一度、1時間だけ、不要な明かりを消して、夜空を見上げませんか?と呼びかけ続けて、
ライトダウンに協力する店舗・施設は1500件を数えます。
エフエム甲府、エフエム富士が同時2局生放送を行ったり、甲府以外にも北杜市、甲州市、都留市など
会場が県内各地8ヵ所となったり、活動は広がっています。

さて、今回の通信は、11月5日のライトダウン直前の通信ということで、
「趣味はライトダウンやまなし」と公言する、星つむぎの村共同代表の跡部浩一さんに、
ライトダウンやまなしについてインタビューしてみました。

◆ライトダウンやまなしのきっかけは?
1999年、国立天文台のスターウィークの関連行事としてスタートしました。
その後も「天の川が見える星空を次世代の子どもたちに」を合言葉に、
必要のない照明を消し星空を取り戻そうと活動を継続。
2014年に「ライトダウンやまなし」に名称を変更し、全県的な取り組みへと発展しています。

◆跡部さんとライトダウンとの出会いは?
小学校教諭をしている跡部さんは、2003年に人事交流で山梨県立科学館の職員となり、
第5回ライトダウンから運営に関わることになりました。消灯協力数がそれまで数十件だったところを、
「どうせやるなら本気でやろう!」と150件近くも消灯依頼に走り回ったそうです。
そしてライトダウン当日、本当に暗くなった街を目にします。
夜空にはいつもより多くの星が輝いて見えます。周りの人からも、
「こんなに暗くなったライトダウンは初めて!」との声が聞こえます。
跡部さんは「やればできるんだ。ライトダウンはみんなで成果と感動を共有できるものなんだ。
自分たちの手で街を変えられるんだ」と実感し、ライトダウンがライフワークへとなっていったそうです。

◆ライトダウンの魅力とは?
ひとつめは、前述の通り、やればできる!を実感できるイベントだということ。
例えば、CO2の削減はなかなか目には見えないけれど、ライトダウンは、消灯依頼して、
電気を消してくれたら、消えていることが目で確認できる。そして実際に街は暗くなり、
空の星が見えてくる。そういうことって、なかなかないでしょう?

ふたつめは、ライトダウンをして星を見上げるということは、誰もができる活動で、誰とでも共有できる感動があるということ。
これまで消灯依頼に出向いて行った時、ライトダウンに異を唱えた人はいない、という事実があります。
安全面などから消灯できないという人はいるけれど、その人もライトダウンの意義は理解してくれます。
つまり、「星を見たい!」というのは、みんなと共有できる価値であること、
そして山梨にはその価値を共有したいと思ってくれる人が住んでいるんだという確信を持ちました。
ライトダウンを通して、星空は誰もが共有できる財産であり、星にはほかのものにはないユニバーサルさがある、
ということを改めて感じています。

みっつめに、ライトダウンは、その活動を通して、地域がつながりまとまっていく力になるということ。
ライトダウンして星が見えることは確かに大事です。でも、地域の人が、星を見たいと望み、
電気を消すという同じ行動をし、そして「暗くなった街を見る」「見える星の数が増える、天の川が見える」
ということで確認して、その成果や感動を共有できることって、もっとすごいことだと思うんです。
星以外で同じようなことが可能かどうか考えると、思いつかない。
ライトダウンの活動を通してコミュニティー作りができる、地域への思いが深まる、自分たちの誇りになる、
まるで大きな「祭り」のよう!そういうものにしていきたいという気持ちがあります。

◆ライトダウンへの協力依頼の方法は?
開催が18回を数え、1500件の消灯依頼となれば、紙一枚の郵送の依頼でOKかなと思いきや、
現在でも毎年、直接出向くか電話での依頼を行っているそうです。「顔の見えるライトダウン」、
あの店長さんが消してくれている、この消灯で星が見えて笑顔が生まれる、という気持ちのつながりも、
活動の継続につながっているんですね。

◆ライトダウンイベントの会場が増えていますね?
2014年にライトダウンやまなしに名称を変更してから、会場が増加しています。

例えば、郡内地域の会場は、ライトダウン実行委員会から呼び掛けたわけではなく、
地元の方からこちらでもライトダウンをやりたい!と参加してくれたそうです。
こうやって活動が広がり、山梨全体がライトダウンでつながっていく、
「山梨と言えばライトダウン!」と言われるような活動に発展していけたらと話していました。
山梨の人をつなぐ、大きな祭りのような存在になったらいいですね!

◆最後に、今年にかける意気込みは?

「今年こそ晴れて!!!!!!」(笑)

(文責 植村あゆみ)

 

★【その他のイベント情報】…*……*……*…

■保坂嘉内・宮澤賢治 花園農村の碑 碑前祭
今年は、保阪嘉内と宮沢賢治の生誕120年、二人が出会って100年という年です。
記念講演には、国立天文台副台長の渡部潤一さんがいらっしゃいます。

主催:保阪嘉内・宮澤賢治アザリア記念会
開催日:2016年10月30日(日)
開催時間:碑前祭13:30~ 記念講演14:10~
開催場所:東京エレクトロンホール韮崎文化ホール
参加費:入場無料
■南牧村×ビクセン「手ぶら de 星空観賞会」

開催日:2016年11月5日(土)
開催時間:12:00から21:00まで
参加費:無料(一部有料アトラクションあり)
開催場所:長野県南牧村野辺山高原(ベジタボール・ウィズ)
参加条件:宙ガール&星空ビギナー ※今年は男性のみの参加もOK!
※イベントの詳細については、手ぶら de
星空観賞会公式ホームページ
(下記URL)からご確認ください。
http://www.kanko-nobeyama.jp/sora_girl/index.html
※※この日は、ライトダウンの日ですが、お昼から夕方まで参加する
手もありますよ。

 

・★☆・本通信に関するお問い合わせ・☆★・

info@hoshitumugi.main.jpまでご連絡ください。
みなさまからの情報、寄稿、ご意見も、お待ちしています!!