星つむぎの村通信 No.13 2016年9月22日 秋分

星つむぎの村通信 No.13 2016年9月22日 秋分

迷走・奇走の10号、890
ヘクトパスカルまで気圧が下がった猛烈な14号、大雨を降らした
非常に強い16号と今年は台風災害の多い年です。また、台風だけでなく、異常な集中豪雨も日本各地
にあり、どこでも災害は起こり得ることを再認識した夏でした。
9月22日は秋分、太陽の黄経は180°、秋の彼岸の中日です。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、
このところめっきり涼しくなりました。いよいよ実りの秋です。

台風過 気になる稲の 出来不出来
(青りんご)

今号の目次
1)時季の星空
2)星つむぎの村 イベント情報
3)最近見つけた面白い本

1.時季の星空

秋分の頃、太陽は真東から昇り真西に沈みます。この頃、昼と夜の長さがほぼ同じになり、
その後、昼が短くなっていきます。次第に暑さもおさまり、いよいよ秋本番が訪れます。
夜空では秋の星たちが静かに輝いています。夜8時頃、南東の空で「秋の四辺形」が形作る星座は「ペガスス座」。
秋の四辺形から視線を下ろしていくと、秋の1等星「フォーマルハウト」が光っています。
ここにはフォーマルハウトを口にした「みなみのうお座」があります。
また、その南寄りには、逆三角形をした「やぎ座」があります。
やぎ座は、ギリシャ神話の神パーンが、上半身がやぎ、下半身が魚という姿になった星座です。
フォーマルハウトから北へたどると、Y字を逆さにした星並びがあります。
この星々と周りの星をつないでできるのが「みずがめ座」、美少年ガニュメデスの姿です。
さらに、秋の四辺形の東には「うお座」、「くじら座」と見えてきます。
このように、秋の夜空には、水にまつわる星座が数多くあります。

これは、星座のふるさとメソポタミア地方の遊牧民の生活と関係があります。
乾燥した大地に暮らす遊牧民にとって、水の恵みをもたらす雨季の始まりを知ることはとても重要でした。
遊牧民たちは、太陽がみずがめ座とともに東の空に昇るのを、雨季の始まりの目印としていました。
そのため、みずがめ座のまわりにも、水にちなんだ星座がつくられたようです。
みずがめ座の星には、「サダル・メリク(王様の幸せ)」、「サダル・スウド(幸せの中の幸せ)」、
「サダル・アクビア(秘めた幸せ)」、やぎ座にも「ナシラ(幸せを運ぶ人)」、
ペガスス座には「ホマム(英雄の幸せ)」、「マタル(雨の幸せ)」など、
アラビア語で幸せを意味する名前が、数多くつけられています。
雨季は人々にとって、最高の幸せをもたらすものだったのでしょう。     (文責:小林さやか)

 

2.星つむぎの村 イベント情報

<星の郷ミュージアム>
プラネタリウム&観望会開催は、次回は10月29日(土)になりそうです。
が、本決まりではないので、また再度お知らせいたします。
<ライトダウンやまなし>
星つむぎの村・共同代表の一人である、跡部浩一が事務局長をつとめている
「ライトダウンやまなし」は、街の灯りを消してみんなで美しい星空を
眺めよう、という呼びかけをしている活動です。
これほど広範囲で、長年続けているライトダウンは他にありません。

ライトダウンやまなしプレイベント―ライトダウンほしまつり

期日:2016年10月15日(土)16日(日) 11:00~19:00
場所:ラザウォーク甲斐双葉 1F ラザコート
http://www.lazawalk.com/
内容:
○星空へのメッセージコーナー ※特製ピンバッジプレゼント(数に限りがあります)
○星景写真展
日大芸術学部写真学科の渡邉浩史氏による星空写真。光害の空と、そうでない星空はこんなにも違う!という実感をしてもらえます。
○移動プラネタリウム 12:00より毎正時~20分間 定員20名
※整理券を配布します。
○望遠鏡づくり教室 (1台 2000円税込)
○星座カードづくり、地球ごまづくり (無料)
○星空観望会 15日19:00~20:00 宝くじ売り場前 ※星が見えないとき中止

他、素敵なオリジナル星グッズ販売もあります。

また、別メールでもお知らせしましたが、現在、ライトダウンやまなしでは
今年の活動に向けて、クラウドファンディングを行っています。素敵なリターンを
たくさんそろえていますので、ぜひご支援、情報拡散へのご協力いただければと
思います。
https://camp-fire.jp/projects/view/10917

3.最近見つけた面白い本

(1)『これだけ!宇宙論』高梨直紘 著 (株)秀和システム
2015.4.3初版 \1,300 円+税
町の図書館で見つけました。天文学普及プロジェクト「天プラ」代表でもある著者のやさしく
書かれた宇宙論の本です。今、私が野辺山で投影している4次元デジタルビューワー”Mitaka”
のやさしい解説書にもなっています。ただ、冒頭に「星空のリテラシー」という言葉が出てきます。
ここは「星空と星の見つけ方、そして宇宙」くらいのほうが、誰でもとっつきやすいのではないでしょうか。

(2)『星が「死ぬ」とはどういうことか-よくわかる超新星爆発』田中雅臣
著 (べレ出版)2015.7.25初版 ¥1,500円+税
著者は今年の野辺山観測所特別公開日で講演された方です。天文の理論と研究の最前線の話で一杯です。
ベテルギウスは消えている??とか一時話題になった超新星爆発について、やさしく解説しています。
とても読みやすい文体で書かれてあり、おススメです。
(文責:青りんご)

 

村通信への感想・寄稿も歓迎しています。
info@hoshitsumugi.main.jpへどうぞ。