星つむぎの村通信 No.21 2017年1月20日 大寒

星つむぎの村通信 No.21 2017年1月20日 大寒

新しい年が明け、1月も後半です。これからは日ごとに日が長くなるのが分かります。
今年の冬将軍は、力が強く、北国には大量の雪を降らせる一方、太平洋側は冷たい空っ風。
これから、こちらにも雪が降るのか、気がかりです。
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20日は大寒、太陽の黄経は、300度。一年を通して一番寒い時期です。
この時期を耐えれば、暖かい春も遠くありません。今、夜は冬のダイヤモンドを中心に豪華な星の饗宴。
防寒対策をしっかり、暖かくして冬の星を楽しんでみませんか。

日脚伸ぶ 宵の明星 凛として
(文責 青りんご)


今号の目次——————————-

【今号の1枚!】

【時季の星空】

【星つむぎの村イベント情報】

【星つむぎの村関連情報】

【寄稿~エッセイ~】

【どんな人なの?プロジェクト村民~その2~】

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【今号の1枚!】

宮沢賢治とその親友の保阪嘉内にあやかって、八ヶ岳高原を行く小海線電車を撮りました。
上弦の月のもと、天の川銀河には下りの白鳥座を捉えることができました。(撮影‘17.1.6:青りんご)


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【時季の星空】

一段と寒さが厳しくなってきましたが、晴れていれば最も星が美しい頃です。
星をあれもこれもと見ていくと、まるで、たくさんの星のプレゼントをもらったような気持ちがしてきます。
「オリオン座」の形は、そんな夜空にリボンを添えているかのような星並びです。
オリオン座には、一列に並んだ「三つ星」を挟んで向かい合うように、ベテルギウスとリゲルがあります。
ベテルギウスは赤い色、リゲルは青白い色をしています。
近くの他の星座の星も見ていくと、様々な色があることがわかります。
星座を形作る星は、太陽と同じように自ら輝く「恒星」です。
その恒星の色は、今、その星が一生の中のどの段階にいるのかを教えてくれます。
リゲルや「おうし座」にあるプレアデス星団のような青白い星々は、若い星です。
そして、「ぎょしゃ座」のカペラのような黄色い星は、それよりも歳をとった星です。
太陽も黄色っぽい色をしていますが、太陽は今、46億歳くらい。あと50億年くらいは輝き続けます。
オレンジ色のアルデバランや、赤いベテルギウスは、とても大きくて重い星で寿命は短いのですが、かなり最期が近い星、と言えます。
ベテルギウスは、いつ「超新星爆発」を起こして、その一生を終えてもおかしくないと考えられています。
おうし座の角先の「かに星雲(M1)」は、超新星爆発を起こした後の星の姿です。
この爆発で飛び散った残骸は、今も猛スピードで回りながら広がり続けています。
超新星爆発によって広がったガスからは、やがて、再び新しい星が誕生します。
オリオン座の三つ星の下方にある「オリオン大星雲(M42)」には、生まれて間もない星の赤ちゃんたちが集まっています。
超新星爆発で飛び散った中には、私たちの体を作る炭素や鉄などが含まれています。
星を見て心が動くのは、私たちも、星のかけらでできているからかもしれません。
(文責・小林さやか)

 


 


【星つむぎの村イベント情報】

<星つむぎの村・星空合宿>

15日に「星空合宿第一報」をお送りしました。
その後、登録された方で、詳細を知りたいという方は、
info@hoshitsumugi.main.jpにお問合せいただくか、星つむぎの村サイトにログインしていただいて
「村民のひろば」をのぞいていただくかすると情報を得ることができます。
「星を介して人をつなぐコミュニケーション」をテーマに、 星や宇宙を深め、よりよいコミュニケーションを目指す企画です。
もちろん、夜はみなさんで八ヶ岳のすばらしい星空を眺めましょう!

日時:2017225日(土)、26日(日)
場所:ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳内 セミナーハウス(星の郷ミュージアム)
(申し込み締め切り 210日)
(文責 高橋真理子)

 


 


【星つむぎの村関連情報】

<朗読三昧CDについて>

星つむぎの村のメンバーである丸尾めぐみさんと、俳優の金田健一さんがユニットを組んでいる「朗読三昧」。
あちこちでライブが開かれていますが、CDも制作されています。
朗読三昧vol.4には、「ボドの物語~海を渡ってきた盲導犬」が収録されています。
日中戦争の間、ドイツからやってきた盲導犬とその飼い主たちの知られざる物語。
心に染み入るお話が、金田さんの深みのある声と、丸尾さんの寄り添う音楽によってますます魂をゆさぶるものになっています。
ネットから購入できるようになったとのこと。ぜひお聞きください!(文責: 高橋真理子)

http://www.zanmai-shop.com/shopdetail/000000000013/cd/page1/recommend/

 


 


【寄稿~エッセイ~】

「甲板」   小林孝一

御年77歳の母と、星を見た。
広大な宇宙と呼ばれる中の、天の川銀河と呼ばれる渦の中の、太陽系と呼ばれる集団の中の、地球号という船の中の、
日本という部分の、山梨県北杜市明野町という甲板から、見上げる。
「あれが月で、あれが金星で、あれがオリオン座で、あれがカシオペヤで、あれがすばるで、あれが白鳥座の尻尾で」
とここまではいいが、「あれが、か、火星?・・で、あれが、たぶんペルセウス座・・だと思う・・・」だいぶたぶん
になってしまった。
そんなたぶんまじりのなんちゃって解説にも母は、「ふぅん、ふぅーん、きれいだねー、すごいねー、」
と感嘆の声を上げ、感動していた。
結局のところ、星座の名前は知っていようがいまいが、母が覚えようが覚えまいが、一緒に見る星空は理屈抜きの美しさである。

自分と同い年の星がある、という。
見上げた星の中にきっと、母が生れた時、光を発した星もあれば,僕が生れた時の光もあるだろう。
その光が、長い長い時間と距離を経て、この甲板に届いている。
ロマンチックでもあり、やっぱり不思議だ。
そんな途方もなく広大な宇宙の中にいる、なんてとても思えないような日常。
地球が逸脱しているのか、宇宙が逸脱しているのか。
でも、確かにここにいるし、宇宙の彼方もある。
明野町の星空には少しばかり敵わない竜王の我が家に戻り、湯船に浸かりながら、想い返し、想い馳せてみた今日、である。

平成29年1月3日
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【どんな人なの?プロジェクト村民~その2~】

青りんご・こと齋藤泰文
・北杜市高根町在住。趣味はトランペットと歌。市内二つの合唱団でテノールとバスを担当しています。
・星つむぎの村では、植村あゆみさんと通信の編集を担当しています。
・星や宇宙に興味を持ったきっかけ:7歳のとき、新潟県の田舎で家族でオーロラを観たこと。
・星や宇宙のどんなところに惹かれるか:清冽・・・遠くにあるが、清らかで美しいところ。星を見ていると、ほかの星にもし住人が居たら、その人たちはどんな風に暮らしているのだろうか、など想像をかきたてることができるところ。
・おススメの星を見る場所:みずがき湖(北杜市須玉)ビジターセンター近くの黒森
・思い出の星空:田舎で見たオーロラ、1997年ヘール・ボップ彗星、2001年しし座流星群、2016年~2017年スターオーシャン八ヶ岳で1900mのテラスから見た星空
・不思議に思っていること:重力が引力しかないこと。重力を克服できないか。重力の束縛から逃れて広い宇宙を旅してみたい。
そのほか、時間について不思議に思っています。水星の一日、火星の一日、金星の一日・・・他の惑星に生物が棲んでいるとしたら、その星の時計はどうなっているのか?とても興味があります。


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