星つむぎの村通信 No.5 2016年5月20日 小満

星つむぎの村通信 No.5 2016年5月20日 小満

抜けるような青空、緑の風、いい季節です。お元気ですか?

<二十四節気・小満>
小満は、太陽の黄経が60°の時で、今年は5月20日です。そろそろ寒さから解放されて夏日の日も。あたりの田んぼでは田植えが始まりました。長野県の佐久市臼田では『小満祭(こまんさい)』という祭りがあり、植木市などが行われています。
今ごろは雨が日替わりのように降りますが、晴れると乾燥していて気持ちがいいです。

小満や 若葉をぬらす 絹の雨                  (青りんご)

<星空情報>
日が沈んで空が暗くなったころ,東の空にずいぶん赤い色をしてとても明るい星が見えるのに気がついているでしょうか?「火星」です。太陽を回る地球の兄弟の星(惑星)の一つで、地球のすぐ外側を回っています。この火星が2年2ヶ月ぶりに地球に近付いてきていて、明るく大きく見えています。
地球が1年(約365日)で太陽をぐるっと一回りしているのに対して、火星は2年近く(687日)かけて太陽のまわりを一周しています。内側をまわる地球の方が早く回っているので、ときどき火星に追いついて、追い越します。このときが地球と火星の「接近」になるのです。

地球がほぼ円に近い軌道をもつのに対して、火星はやや細長い形の楕円(だえん)軌道をまわっているため、接近する場所によってその距離が大きく変化します。もっとも近いときで約5600万km、もっとも遠いときには約1億kmと大きな差ができます。これが、大接近と小接近が起きる理由です。今回は、5月31日に7528万kmまで近づく「中接近」です。それでも、3億km以上離れているころに比べれば、とても明るく大きく見えます。2018年7月31日には,5800万kmまで近づく大接近が起こります。

一番地球に近づく5月31日で7528万km。明るさはマイナス2.1等になります。全天で一番明るい恒星のシリウスの約2倍の明るさなのですぐに目に付くことでしょう。近くにさそり座の1等星アンタレスがありますが、このアンタレスも赤く明るい星で「火星のライバル」という意味の名前がついています。ぜひ実際の夜空でこの2つの星の明るさと赤さを比べてみてください。さらに、今はさそり座に土星が、西の空のしし座に木星が見えているので、ずいぶんとにぎやかな夜空です。 (文責: 跡部浩一)

 

<被災地レポート>
先月の熊本地震。プロジェクト村民の一人がその被災地を訪ねました。それをレポートします。
益城町の住人で被災した友人の所に行ってました。最初の地震(4/14)のあとなかなか連絡が取れず、無事が確認できたのは、18日朝でした。益城町役場のすぐ隣に家があったので、かなり心配してました。5/3時点で、数日前に電気がきたけれど、水道はまだまだかかるようでした。家自体には大きな被害はないようでしたが、中の家具などは大部分が壊れていました。奥さんは、地震以来避難所で生活しているようですが、旦那(=友人)は、避難所ではこころ休まらないらしく、自宅で寝てるということです。前震の時、友人はまだ仕事場だったため、奥さんは家に一人。大きな揺れがきた後、気が付いたら、隣の役場にいたそうです。「防災リュックを持ってツッカケを履いていたので、リュックを取ってリビングから外に出たのだと思うけれど、全く記憶がない」とのことでした。本当に、想像できないほどの驚きと恐怖があったことでしょう。また、食料などはなんとかなっているみたいで、支援してくれたみなさんに感謝していました。前震のあと、家具などを懸命に復旧した直後に本震があり、前震の後以上に家具や瓦などが散乱した惨状を見て、こころが折れた、と言っていたのが印象的でした。?益城町の状況としては、彼の家の周囲は、被害が少ない家、半壊、全壊が入り混じっていて、道路は普通に通れました。ところが、2ブロックほど離れたあたりは、家はほとんどが全壊で、道路も陥没や亀裂だらけで慎重にタイヤのコースを選ばないといけないくらいでした。地盤の関係と家の古さなのかもしれません。?東日本大震災の時とはまた違った感情です。岩手では、無性に涙がこぼれてきましたが、益城町では、こころが折れる、感じでした。?東日本大震災との違いが、2つあると感じてます。ひとつは、いつまでも頻繁に地震が起こること。感覚的には、東日本の時より地震が起こる周期が短いと思います。きっと、今でも夜も休まることがないのでは。二つ目は、ご近所さん同士で被災状況が異なること。自宅に住める家族、半壊である程度の家のものを使える家族、そして家は全壊し途方に暮れる家族。もちろん、みんな協力するしかない復興ですが、今後難しい課題になっていくかもしれません。(文責:仲道正恭)

 

<寄稿エッセイ>
「ひるまの月」 あゆみ
雲一つない青空に恵まれた今月12日は、幼稚園の親子遠足でした。この4月に入園したばかりの年少の娘と都内の遊園地に行ってきました。子供たちは、大好きなお父さんお母さん、仲良しのお友達との初めてのお出かけで、朝からずーっと大はしゃぎ。
電車に乗って、レクリエーションで歌って踊って、お弁当を食べて、、、休む間もなく、笑って、走って、ニコニコ、キャッキャッ。
さあ次は、いよいよ乗り物に乗れるよ。どれから乗ろうかな。そんな相談をしていたら、一人の女の子が「あっ!おつきさま!」と叫びました。5日目のまだ目立たない月なのに、よく見つけたこと!
周りの子どもたちも口々に、「おつきさまだ!」「ママ、おつきさまだよ!」と空を指さして大合唱。
3歳でもみーんなお月さまを知っているんですね。しかも昼間の白いお月さまを!
幼稚園児は夜遅く起きていられませんから、昼間のお月さまが一番身近な宇宙なのかもしれません。
それにしても、面白いこといっぱいの遊園地の中でも、視線が上を向く子供達ってすごいなあと思います。
私の目は子どもを追ってついつい下を向いてばかり。時には空に目を向けて、お月さまに話しかけてみたいなあと思いました。
「お月さま、そこから見たら、子供のイヤイヤ!も、些細なことですよね。」
「そうね、可愛いものね。でもイライラしちゃうのもしかたない。あなたの心も私のように、大きくなったり小さくなったり、、、それが普通じゃないかしら?またお話しましょ。」

 

<星つむぎの村・イベント情報>
2016年5月28日(土)「惑星旅行に行こう&観望会―火星の接近を前に」
場所: 八ヶ岳ネオオリエンタルリゾート セミナーハウス
時間:18:30~19:30 手作り望遠鏡教室
19:30~20:10 惑星旅行に行こう by 宙先案内人 高橋真理子
20:20~21:00 観望会
宿泊者以外の方は有料となりますが、「星つむぎの村村民」は無料で参加可能です。
また、その日の13:00~17:00は、星つむぎの村・星の郷プロジェクトで、星のランプづくりや、今夏に応用していくワークショップの試作などをやります。とりあえず、どんな様子が見てみたいという方も歓迎です。

 

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